クラリダFRB副議長NY講演会要旨(20019/5/20開催分)

これまでの金融政策に関して言及していますので、副総裁の講演内容について、簡単に触れておきます。

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クラリダFRB副議長NY講演会要旨(20019/5/20開催分)

クラリダFRB副議長NY講演会要旨

20日NY時間夜にFRBパウエル議長(アトランタ連銀での講演)とクラリダ副議長(NYでの講演)がそれぞれ講演を行っています。FRB議長は企業債務問題に関しての講演でしたので、経済や金融政策にはほとんど言及していません。一方で副総裁は、これまでの金融政策に関して言及していますので、ここでは副総裁の講演内容について、簡単に触れておきます。

(講演要旨)
米議会はFRBに対して2つの任務を課しており、それは雇用の最大化と物価安定である。
現在の経済状況は雇用最大化と物価安定目標に近付いていて、見直しをするには格好の機会と思っている。失業率は50年振りの低水準になった。そして物価は目標の2%に接近している。今後もこの法的目標を維持していくことを確実にしていきたいと思っている。
加えて、FRBが先々世界的な金融危機や大不況に展開させない様に新しい金融政策や市場との対話を取っていくつもりである。

これまで中立金利の下落は米国や海外で起きてきた。そして、中立金利の世界的下落は何年にも亘り続いた。これらは幾つかの要因により反映している。高齢化、リスクをとる行動の変化、テクノロジーの伸び低下などである。これらの要因は不確実性を高めた。それでも中立金利低下の意味しているものは重要だと思われる。中銀の政策金利が将来の経済鈍化へ向かう状況を低下させたという可能性はありえると思われる。言い換えれば、金融政策が家計消費、企業投資、雇用あるいはインフレを低く維持したということは重要であると思われる。
もう1つ別のポイントで、ここ10年間で、インフレと雇用のダイナミックな関係が変化してきていることを暗示しているのでないかと思われる。ある意味で、これは諸刃の刃である。
とはいえ、FRBは経済鈍化期に雇用拡大を積極的に行ってきた。長期的なインフレ期待は我々の2%インフレ目標と矛盾しないでいくと見ている。

最後に、4月の失業率3.6%は多くの関係者に雇用市場が完全雇用に近くなってきたか思わせる数値だった。だが、完全雇用に結び付く失業率の水準は目に見えるものではなく、推計値に違いないと思われる。最近の失業率低下は労働参加率低下を伴ってきている。参加率の上昇は、労働者に追加労働選択を与える重要なものである。これはインフレ圧力を抑制している要因の1つかもしれない。
経済は日々進展している。そして新たな政策変化をもたらしている。我々は心を開いて現状の状況に対応し、議会が要求している我々の目標を達成していくアイデアを探し出していくことが理にかなっている。
(上記出所:FRB HP)

(注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。

尚、クラリダ副議長は中道派で、過去には、利上げ継続発言のタカ派的言動、世界経済の成長を考慮に入れて政策決定する必要があるとのハト派発言があります。
また、今朝がたの為替市場はFRB議長、副議長発言を全く材料視していません。

(2019年5月21日 10:45、1ユーロ=1.1165ドル、1ドル=110円18銭)

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