ドル円、米金利上昇→リスクオフ再燃への連想から上値の重い展開
海外時間の為替概況
2日の海外時間は、前日のパウエルFRB議長記者会見後のドル高の流れを継いで全般的にリスク回避ムードが強まる1日となりました。ドル円は、@原油価格の下落を受けてクロス円が上値重く推移したこと、A米中通商協議を巡る早期合意期待の後退を受けて米主要株価指数が大きく下落したことなどを背景に、NY時間序盤にかけて一時111.38まで下げ幅を広げる場面も見られました。しかし、同水準では押し目買い意欲も根強く、一目均衡表基準線にサポートされると、その後は米雇用統計を翌日に控えて様子見ムードが強まる中、結局200日移動平均線が走る111円台半ばへ戻してのクローズとなりました。この間、トランプ米大統領が推薦するムーア氏のFRB理事候補辞退が報じられましたが市場の反応は限定的となっております。
一方。ユーロドル相場は終始上値の重い展開。パウエルFRB議長記者会見後のドル高の流れを継いで1.12の大台を明確に割り込むと、NY時間には一時1.1171まで下げ幅を広げました。ドイツ連銀バイトマン総裁によるややタカ派寄りの発言を受けて下げ渋るも戻りは鈍く、そのまま安値圏でのクローズとなりました。米FOMC直後に付けた高値1.1267からわずか1日で約100ポイント下落する展開となっております。
ドル円のテクニカル分析
ドル円は米雇用統計を控えて方向感を見出し辛い時間帯が続いております。下値では一目均衡表基準線(111.22)がサポートとなる一方、上値では200日移動平均線(111.51)や21日移動平均線(111.70)、一目均衡表転換線(111.73)がレジスタンスとなるなど、狭いレンジ内に押し込められる動きが確認されます。とはいえ、パウエルFRB議長記者会見後の「ドル独歩高」の局面においても尚、ドル円の上値が重い点には留意が必要です。背景には、「ドル買い・米金利の上昇→商品市況や株式相場、新興国通貨の下押し→リスク回避の円買い」との連想が強まっていることが挙げられます。事実、昨日も原油安や株安、エマージング通貨の下落を通じてクロス円が全般的に上値重く推移する場面が度々見られました。米雇用統計の結果次第ではあるものの、パウエル議長記者会見を経て米利下げ観測が後退する中、ドル円の戻り余地は限られると予測いたします。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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