ドル円見通し 安値切り上がりを維持できるか(11/15)

14日夜の下落はユーロ高ドル安に触発されたこと、日欧米と株安となったことでリスクオフ感が背景と思われる。

ドル円見通し 安値切り上がりを維持できるか(11/15)

【概況】

11月6日午前高値114.73円からの三段下げで10日未明安値113.09円まで下落したが、その後は下げ一服となり、13日午前高値からの反落では10日未明安値割れを回避、14日夕刻への上昇で戻り高値を切り上げ、113.91円まで上昇した。しかし夜間は反落、14日深夜には113.30円まで下げて13日夜安値に迫った。
11月6日からの下落は10日未明安値まで1.64円幅であったが、10月31日安値112.95円割れには至らなかったので、ひとまず下げ一服となった。しかしその後の戻りは14日夕まで0.82円幅であり、凡そ半値を戻したに過ぎない。また先週の下落過程では1日未満の下げで1円前後下げてきたが、10日未明安値からは丸3日かけて1円に満たずに失速しているため、10月31日安値から反騰した時の様な勢いを見せられなかった。

14日夜の下落はユーロ高ドル安に触発されたこと、日欧米と株安となったことでリスクオフ感が背景と思われる。また、11月8日から上昇していた米長期金利10年債利回り等が反落したことで、金利差拡大期待でのドル買い円売りが一巡、逆に金利差縮小懸念から円が買われた印象だ。
ユーロドルは10月26日に急落、一段安してから11月7日まで続落していたが、14日午後の独GDP速報が市場予想を上回ったことで上昇し始め、1.1700ドル超えから買いの連鎖反応で1.1800ドル超えまで大幅高となり、10月26日の下落分を解消した。9月8日から下落してきたわけだが、これはドル円が9月8日安値から上昇してきたことの裏返しであり、ドル高を象徴していたわけだが、昨晩のユーロ反騰により、この流れが変わった可能性もある。

【3月以降の戻り抵抗帯到達、更に一段高するには推進力不足】

ドル円としては、7月11日高値114.49円から9月8日安値107.32円まで2か月で7円強の下落となった後、11月6日高値114.73円まで7円強、7月11日高値をわずかに超えるところまで2か月の上昇でイッテコイとなった。3月10日の戻り高値115.50円を含め、5月11日高値114.36円等、114円台から115.50円までが春以降の戻り抵抗帯であり、今回もここに到達したが、さらに抵抗帯を突破して一段高するには力不足、材料的な後押しが欲しいところで行き詰まった印象がある。
10月26日への小反落では26日移動平均が支持線となり、11月9日の小反落も同線が支持線となって踏み止まった格好だが、その後の伸びが鈍いため、11月9日安値割れ、26日移動平均割れから下げ再開となる可能性も懸念される状況だ。

【60分足 一目均衡表分析】

【60分足 一目均衡表分析】

60分足の一目均衡表では、14日夕からの下落で遅行スパンが悪化、先行スパンからも転落した。13日夜にも両スパンが悪化したが切り返しているので、13日夜安値を割り込まない内は10日未明安値を起点とした「安値切り上がり」パターンの継続として再び両スパン好転へと反発する可能性はある。しかし13日夜安値割れへと下げる場合は「安値切り上がり」パターンが崩れての下落となるため、しばらく先行スパンから転落した状況が続きやすくなると思う。このため先行スパンから転落中は一段安警戒を優先する。

60分足の相対力指数は14日夕高値への上昇で70ポイントを超えたが、その後の反落で30ポイント台まで失速した。特に弱気逆行型を形成してからの反落ではないが、11月1日以来となる70ポイント超えからの反落のため、逆行無しでの下落期入りと仮定し、50ポイント以下での推移中は一段安警戒を優先し、強気回復には60ポイント超え、その後も50ポイント台を維持する反騰が必要と思われる。

概ね3日から5日周期の高値・安値形成のサイクルでは、11月7日早朝安値から3日目となる10日未明安値で直近のサイクルボトムをつけて強気サイクル入りしていたが、7日夕高値から5日目となる14日夕高値で直近のサイクルトップをつけて下落サイクルに入ったと思われる。今回の安値形成期は10日未明安値を基準として15日未明から17日朝にかけての間と想定される。113.60円を超えて続伸するような反発へ進めない内はボトム形成への下落継続余地ありとし、113.60円超えへ戻してくる場合は直前の安値を新たなサイクルボトムとした強気サイクル入りの可能性を踏まえて14日夕高値試しとみる。

11月6日高値から10日未明へ三段で下げ、14日夕高値まで二段で戻した。13日夜安値割れからは二段戻しの一巡から新たな三段下げ型の下落期に入る可能性も考えられる。逆に15日中に反騰して16日にかけて14日夕高値超えなら、二段戻しで終わらず、さらに上昇基調を継続して11月6日高値試しまで揺れ返しの上昇へと発展する目も出てくるかもしれない。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)113.60円を下回る内は一段安警戒とし、13日夜安値113.24円割れの場合は10日未明安値113.09円、さらに10月31日安値112.95円試しへ向かうとみる。10日未明安値割れの場合は16日深夜、さらに17日にかけて続落しやすいとみる。また113.50円以下で終了なら下落継続しやすいとみる。
(2)113.60円超えからは強気転換注意として14日夕高値113.91円試しを想定する。その前後ではいったんミニダブルトップ形成から反落しやすいとみるが、高値更新の場合、および113.70円以上を維持する場合は16日の日中へ続伸しやすいとみる。(了)<9:45執筆>

【当面の主な予定】

11月15日
17:00 (米) エバンス米シカゴ連銀総裁、講演
19:00 (欧) プラートECB理事、講演
22:30 (米) 10月消費者物価指数 前年比 (9月 +2.2%、予想 +2.0%)
22:30 (米) 10月消費者物価指数コア 前年比 (9月 +1.7%、予想 +1.7%)
22:30 (米) 10月小売売上高 前月比 (9月 +1.6%、予想 +0.1%)
22:30 (米) 10月小売売上高 除自動車 前月比 (9月 +1.0%、予想 +0.2%)
22:30 (米) 11月NY連銀製造業景況指数 (10月 30.2、予想 26.2)
24:00 (米) 9月企業在庫 前月比 (8月 +0.7%、予想 +0.0%)

11月16日
22:30 (米) 新規失業保険申請件数 (前週 23.9万件
22:30 (米) 11月フィラデルフィア連銀製造業指数 (10月 27.9、予想 24.1)
23:00 (英) カーニーBOE総裁、ブロードベントBOE副総裁、カンリフBOE副総裁、ホールデン英MPC委員、講演
23:10 (米) メスター米クリーブランド連銀総裁、講演
23:15 (米) 10月鉱工業生産 前月比 (9月 +0.3%、予想 +0.5%)
23:15 (米) 10月設備稼働率 (9月 76.0%、予想 76.3%)
24:00 (米) 11月NAHB住宅市場指数 (10月 68、予想 67)

11月17日
03:10 (米) カプラン米ダラス連銀総裁、講演
05:00 (欧) コンスタンシオECB副総裁、講演
05:45 (米) ブレイナードFRB理事、講演
06:45 (米) ウィリアムズ米サンフランシスコ連銀総裁、講演
17:30 (欧) ドラギECB総裁、講演
22:00 (独) ワイトマン独連銀総裁、講演
22:30 (米) 10月住宅着工件数 (9月 112.7万件、予想 118.3万件)
22:30 (米) 10月建設許可件数 (9月 121.5万件、予想 124.2万件)

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