ドル円見通し関心は北朝鮮情勢からFOMCへ(9/19)

北朝鮮問題は徐々にエスカレートしてはいるが、近々に米国が軍事的オプションを選択せざるを得ない状況に陥る可能性や偶発的な軍事衝突が発生するリスク度合いは

ドル円見通し関心は北朝鮮情勢からFOMCへ(9/19)

<概況>

9月8日に107.32円まで下落し、4月17日安値108.13円を割り込んで年初来安値を更新した。8月29日の北朝鮮による北太平洋への弾道ミサイル3発発射、9月3日の核実験(水爆実験)を背景とした北朝鮮有事リスクの増大がドル円にとっての最大のテーマとなっていた。またその間は米連銀金融政策姿勢がハト派的であること、それを支持する米経済指標の弱さによるドル安も大きな要因であった。それとは逆にECBの金融緩和政策の出口戦略への傾斜がユーロ高を助長し、ドル安の大きな要因にもなってきた。9月7日のECBドラギ総裁会見での発言も9月8日へのユーロ高ドル安を加速した。
北朝鮮情勢の緊張が一段とエスカレートし、米連銀のハト派的姿勢が継続し、ECB等の金融緩和終了への動きが継続すれば、ドル円もさらに円高へと進みやすい環境にあった。

しかし、9月8日安値からドル円は反騰に転じ、8月31日から9月8日への下落分を解消して111円台へ乗せてきた。

9月15日早朝、北朝鮮が北太平洋へ弾道ミサイルを発射。1発であったが、飛行距離は前回から千キロ延び、グアムも射程距離に入る結果となった。市場は報道直後に109.54円まで急落したが、8月29日のように午後へ一段安することもなく、9月3日の核実験後に週明け4日から週末8日まで下落したような反応を見せず、午後には早朝の下落を解消、15日夜には急落前の14日高値を上抜いて週を終えた。15日のミサイル発射騒動はかえって買い場を提供することとなった。
9月15日朝安値からV字反騰、夜に高値を更新、週明けも続伸して19日未明には111.66円をつけている。

【北朝鮮情勢への反応薄くなる】

北朝鮮問題は徐々にエスカレートしてはいるが、近々に米国が軍事的オプションを選択せざるを得ない状況に陥る可能性や偶発的な軍事衝突が発生するリスク度合いは落ち着いているといえる。12日未明に国連安保理が制裁決議を全会一致で採択したが、当初の米国案(原油禁輸、金委員長の資産凍結等を含む経済封鎖的内容)からはかなり緩んだ内容だったこと、その効果を見極める時間的な緊張緩和効果もあること、それになによりも、市場もこの問題にかなり食傷気味となっていているために、反応も限定的だったといえるのではないか。
北朝鮮がハワイを超えて米国本土西岸に近いところまで弾道ミサイルを着弾させるか、先に宣言したようにグアム包囲の4発発射を実行するならば、米国の姿勢も一段と硬化し、緊張度合いも高まり、有事リスク相場へと市場心理も回帰するだろうが、そこまでエスカレートしなければ、ひとまずはこの問題を脇に置き、米連銀のFOMCを見定めることを優先するということにスタンスも変わったということだろう。NYダウが連日史上最高値を更新しているのも、有事リスクに対する変化なのだろう。

日本では解散総選挙という話が出ている。本当に有事の緊張感があるならば選挙どころではないだろう。韓国も北朝鮮への人道支援は制裁とは別に継続するとしており、年明けには冬季五輪も控えている。
北朝鮮がさらに核軍備を強化してゆけば、米国も中露を巻き込んで経済封鎖レベルまで制裁度合いを強化してゆく可能性があるが、そこまで情勢が煮詰まれば、まさに一触即発的な状況にはなるのだろうが、それはまだ先とすれば、市場も反応度合いを調整し、過剰反応を避け始めるかもしれない。

9月19日から20日にかけて米連銀のFOMCがある。市場はこれまで年内あと1回とされてきた利上げについては来年へ先送りされるだろうと楽観してきた。しかし会合を前に楽観し過ぎに対する懸念も出始めており、米長期金利は10年債利回り等が上昇に転じ、日米利回り格差からドル高円安となりやすい状況となっている。
9月21日未明のFOMC声明、議長会見から「ハト派」姿勢が再確認されればドル安の再開、ドル円も9月8日安値をもう一度試しに向かう可能性が出てくると思われるが、「従来よりもタカ派」的なスタンスとなる場合はドル高の継続としてドル円ももう一段高へ進んでゆく可能性がある。その場合は4月17日安値から5月11日高値へ1か月弱、6.25円高、6月14日安値から7月11日高値まで1か月弱、5.65円高した時と同レベルの上昇へと発展する可能性が考えられる。

【60分足 一目均衡表分析】

【60分足 一目均衡表分析】

60分足の一目均衡表では15日夜の上昇で遅行スパンが好転、先行スパンも突破した。両スパンが好転を維持するうちは上昇余地ありとみるが、遅行スパンが悪化する場合は弱気転換注意として先行しパンを試すとみる。先行スパンは111円台序盤から110円台後半まで広がっているので、111円割れの場合は110円台後半を試す可能性ありとみる。

60分足の相対力指数は、15日朝の急落〜切り返しているが、18日は60ポイント台止まりであり、相場が高値を更新しているのに対して指数は横ばい程度とやや弱気逆行気味である。50ポイントを上回るうちは上昇余地ありとし、50ポイント割れのから続落し始める場合は弱気転換注意とみる。

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、9月8日安値から5日目となる15日朝安値で底を付けて強気サイクル入りしている。今回の高値形成期は19日夜から21日にかけての間と想定するが、サイクルトップは短縮される可能性もあるので、111円以下での推移が続き始める場合は弱気転換注意、110.40円割れからは弱気サイクル入りとして次の安値形成期となる20日朝から22日朝への下落を想定する。

以上を踏まえ、当面のポイントを示す。
(1)111.00円を支持線とし、上回る内は高値更新余地ありとし、高値更新の場合は112円を目指すとみる。112円到達の場合はいったん売られやすいとみる。
(2)111.00円割れから続落の場合は110.70円から110.40円台への下落を想定するが、FOMC前で特に北朝鮮情勢等で異変なければ110.50円前後では押し目買いから戻しやすいとみる。
(3)110.40円割れからは先行スパン転落も伴うために弱気サイクル入りとして20日朝から21日未明のFOMC声明発表にかけての下落注意とみる。(了)<9:40執筆>

【当面の主な予定】

9月19日
    (米) 連邦公開市場委員会(FOMC)開催(20日迄)
10:30 (豪) 豪準備銀行(RBA)金融政策決定理事会議事録公表(9月5日開催分)
18:00 (独) 9月ZEW景気期待指数
21:30 (米) 8月住宅着工件数 (7月 115.5万件、予想 117.4万件)
21:30 (米) 8月建設許可件数 (7月 122.3万件、予想 122.0万件)
21:30 (米) 4-6月期経常収支 (前期 -1168憶ドル、予想 -1150憶ドル)

9月20日
未定  (日) 日銀金融政策決定会合(21日迄)
08:50 (日) 8月貿易収支 (7月 +4188憶円、予想 +1087億円)
23:00 (米) 8月中古住宅販売件数 (7月 544万件、予想 546万件)

9月21日
03:00 (米) 連邦公開市場委員会(FOMC)公表 
03:30 (米) イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長会見
未定   (日) 日銀金融政策決定会合結果公表

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