ドル円:2月17日のファンダメンタル分析
テーマ:トランプ大統領の魔法の言葉の賞味期限?
トランプ大統領の掲げる、インフラ投資と大型減税、これをどなたかが魔法の言葉と称されていました。
決して市場は魔法にかかった訳ではないのですが、まるで魔法にかかった様にトランプ大統領の掲げるインフラ投資と大型減税が実現すると信じ、その先にある米国景気の成長を信じ、NYダウは昨日も史上高値を更新しています。
要は市場がトランプ大統領の出現に対して、その政策の予想される良い面を先行して織り込み、トランプ相場と称されるリスク・オンを進めた1月20日の就任式までの上げ相場を第1幕と見ます。
就任後は指名した閣僚候補が遅々として議会で承認されない状況下で、トランプ大統領は24本もの大統領令を連日連発する事で、選挙期間中の公約を出来る事から実行して見せ、市場は有言実行の人と受け止め、今も魔法の言葉を信じている訳です。
空手形を切った格好のトランプ大統領、そろそろ魔法の言葉の賞味期限を意識すべきでしょう。
それでもNYダウの相場が崩れない限りは大きな調整はなしでしょうが、少なくとも一般教書演説まで、もしかするともう少し長めの期間、インフラ投資と大型減税が実際に議会を通って実施されるまで、高値圏でのもみ合いが続きそうです。
賞味期限の長さは、NYダウの上昇相場の長さに比例すると判断します。NYダウはテクニカルにチャートが強いので、昨日も6日連騰、史上高値を更新しています、大きな調整が入らない限り、入らないと予想していますが、
米国金利も、ドル相場も高値圏でのもみ合いでしょう。
なぜそこまで強気で見られるかと言えば、先日のイエレン議長の早期利上げ証言、昨日はフィシャー副議長も同様の発言していて、FRBが基本は利上げを推進しているからです。
ドル円:2月17日のテクニカル分析
ポイント:基準線からの上昇、一旦足踏み。
昨日の流れは、
ECBの議事録の発表から、キャピタル・キー規定緩和の観測となり、ユーロ圏債券買い、連れて米国債も買われ、米国金利が低下したのでドルが売られたという展開です。
その意味では昨日のドル円の下げは調整です。
イエレン議長の米早期利上げへの強気の発言、先日のサプライズがあまりにも印象が強いので敬意を払って上値を試したいのですが、市場は、イエレン議長もですが、トランプ大統領の具体的な財政政策・減税政策待ちで、魔法の言葉だけでは前回高値の1月27日の115.37を上抜くのは難しそうです。
テクニカルには、高値圏で難しい局面が継続です。
15日の長い上ヒゲ、低下してきた日足の一目均衡表の基準線114.23に上値を抑え込まれた格好です。
この基準線を上抜いてゆければ先行スパン1の116.37の上抜けも視野に入り、そこまで上昇すれば新しい上昇トレンドに入るとの想定は変わりません。
上値・上昇を基準線で抑えられてしまうと上昇して来ている転換線113.28を試し、下抜けると再度の111.50水準の下抜けを試す展開との想定も変わりありません。
昨日は将にこの基準線114.23が上値抵抗となり、転換線113.28に下値を支持され、その間で引けています。
上値方向を目指すには
1. NY引けでの基準線回復が必要です。
2. この基準線を超えてくれば、高値更新の可能性が見えてきます。
転換線を下回る場合は、一段の安値模索の動きにあるとの判断にも変わりはありません。
下値目途は、
1.昨年11月の101.20から118.60までの上昇の50%下押しに当たる109.94を試すには、昨日安値の113.12を下抜けてゆく必要があります。
2.その下は年初来安値の111.57です。
連日述べております通り、今年は年間で見るとレンジであるとする見方にも変わりはありません。
2月7日は111.57まで下押しし年初来安値となっていますが、年初来高値の118.60との間を意識して、112〜118、もしくはやや広げての110〜120と想定します。
つまり上昇しても118〜120、下押ししても110〜112が今年の限界とみています。
今日のレンジは、112.70~114.20と見ます。
オーダー/ポジション状況
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