ドル円、米FOMCのタカ派的利下げを経て急上昇。本日は日銀金融政策決定会合に注目(12/19朝)

18日(水)のドル円相場は大幅上昇。

ドル円、米FOMCのタカ派的利下げを経て急上昇。本日は日銀金融政策決定会合に注目(12/19朝)

米FOMCのタカ派的利下げを経て急上昇。本日は日銀金融政策決定会合に注目

〇ドル円、FOMCのタカ派的な利下げ受け米国時間午後に154.66まで急伸
〇FOMC、0.25%の利下げを実施するも、2025年末時点の政策金利見通しを0.5%上方修正
〇ユーロドル、米金利急上昇、パウエル議長のタカ派的発言等で1.0355まで急落
〇ドル円、テクニカルの地合い極めて強く、FRBのタカ派姿勢明確化もドル円をサポート
〇本日は日銀金融政策決定会合に注目集まる、利上げ見送りが市場コンセンサス
〇本日の予想レンジ:152.00ー156.00

海外時間のレビュー

18日(水)のドル円相場は大幅上昇。(1)本邦11月貿易収支(結果1176億円赤字、予想6879億円赤字)の市場予想を上回る結果や、(2)日経平均株価の冴えない動き(リスク回避の円買い圧力)が重石となり、アジア時間午後にかけて、安値153.34まで下落しました。

しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(3)米FOMCによるタカ派的利下げ(FFレート誘導目標は予想通り25bpの引き下げが実施されるも、同時に発表されたドットチャートで2025年末時点の政策金利見通しが前回の3.375%から3.875%へ引き上げられた他、2026年末分も2.875%から3.375%へ、長期見通しも2.875%から3.000%へ大幅上方修正。また、クリーブランド連銀ハマック総裁が据え置きを支持。声明文にもthe extent and timing ofとの文言が追加されるなど、緩和速度の減速を示唆)や、(4)パウエルFRB議長による「追加調整を検討する上で慎重姿勢を強める可能性」「道筋が不確かな間はゆっくり進む」とのタカ派的な発言、(5)米長期金利の急上昇が支えとなり、米国時間午後にかけて、高値154.66まで急伸しました。引けにかけて反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間12/19午前5時10分現在)では、154.40前後で推移しております。

18日(水)のユーロドル相場は大幅下落。欧州時間朝方にかけて、高値1.0513まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、(1)ベルギー中銀ウンシュ総裁による「ユーロがパリティなら競争力をそれほど失わないだろう」とのユーロ安容認発言や、(2)ユーロ圏11月消費者物価指数(結果+2.2%、予想+2.3%)の市場予想を下回る結果、(3)米FOMCによるタカ派的利下げ、(4)パウエルFRB議長によるタカ派的な発言、(5)米金利上昇に伴うドル買い圧力が重石となり、米国時間午後にかけて、安値1.0355で急落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間12/19午前5時00分現在)では、1.0375前後で推移しております。

本日の見通し

ドル円は米FOMC通過後に一時154.66(11/25以来の高値圏)まで急伸しました。日足ローソク足が主要テクニカルポイントの上側に位置していることや、ダウンサイドより一目均衡表の分厚い雲が切り上がってくること、下位足で強い買いシグナルが複数点灯していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは極めて強いと判断できます。また、ファンダメンタルズ的に見ても、米FRBによるタカ派姿勢の明確化(ドットチャートの大幅上方修正+パウエルFRB議長のタカ派発言)など、日米金利差に着目したドル買い・円売りが出易い外部環境となりつつあります。

こうした中、本日はアジア時間昼頃に予定されている日銀金融政策決定会合に注目が集まります。先週来、米ブルームバーグによる「日銀は今月利上げ見送りでも物価加速リスクは大きくないと認識」「円安の物価押し上げリスクは相対的に薄れていると判断」との報道や、ロイターによる「日銀内で追加利上げを急ぐ必要はないとの認識が広がっている」「海外経済や賃上げ動向をもう少し見極めた上で利上げしても問題ないとの声がある」との報道、共同通信による「日銀が利上げ見送りを検討」との報道など、ハト派リークが複数見られているため、本日の会合では利上げ見送りが市場コンセンサスとなっております。

この為、市場の焦点は来年1月の利上げに関する布石が打たれるか否かに移っています。トランプ次期政権の影響や日本の春闘の影響を見極めたいというトーンの話が植田日銀総裁より出てくる場合には、日銀による利上げが当面実施されないとの思惑から、円金利低下→円キャリートレード再開の経路でドル円に強い上昇圧力が加わるリスクが想定されます。一方、今夏のようにサプライズ的に利上げに踏み切る場合には、一転して株安・円高が進行するリスクも想定されます。

当方は前者(利上げ見送り+1月利上げの布石も行わない)を想定しているため、日銀金融政策イベント通過後のドル円上昇をメインシナリオとして予想いたします。但し、最近の日銀の動きは読みづらい部分もあるため、サプライズ的な利上げが実施されるリスクも捨てきれません。従って、あまり決め打ちせず、ポジションをミニマイズした慎重運営を心掛けたいと思います(予想レンジはいつもよりかなりワイド目に設定しています)。尚、本日は上記以外にも、米7ー9月期GDP確報値や、米新規失業保険申請件数、米11月景気先行指数、米11月中古住宅販売件数などの重要指標が海外時間帯に予定されております。

本日の予想レンジ:152.00ー156.00

米FOMCのタカ派的利下げを経て急上昇。本日は日銀金融政策決定会合に注目

ドル円日足

オーダー/ポジション状況

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