ポジション調整主導で約2週間ぶり安値圏へ下落。米大統領選の結果に注目
〇ドル円、米大統領選を控えたポジション調整、米指標の不冴え等に米国時間に151.34まで下落
〇ユーロドル、トランプトレード巻き戻し等に1.09台前半を回復
〇ドル円、ダウンサイドに複数のサポート並び、強い買いシグナルも継続、地合い維持
〇本日は日本時間午前8時頃から開始予定の米大統領選挙の開票作業に注目
〇結果判明に数日間(前回は4日程度)を要する恐れも
〇どちらの候補者が勝利したとしても、最終的には「米長期金利上昇→ドル買い」か
〇本日の予想レンジ:149.00ー155.00
海外時間のレビュー
5日(火)のドル円相場は上値の重い展開。(1)5・10日要因のドル買い・円売りや、(2)日経平均株価の堅調推移(リスク選好の円売り圧力)、(3)米金利上昇に伴うドル買い圧力が支えとなり、アジア時間午後にかけて、高値152.55まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(4)米大統領選を控えたポジション調整(トランプ・トレードの巻き戻し)や、(5)米9月貿易収支(結果844億ドル赤字、予想840億ドル赤字、前回704億ドル赤字)の赤字幅拡大、(6)米10月総合PMI確報値(結果54.1、予想54.3)の市場予想を下回る結果、(7)米10月非製造業PMI確報値(結果55.0、予想55.3)の市場予想を下回る結果が重石となり、米国時間午後にかけて、安値151.34まで下落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間11/6午前6時20分現在)では、151.57前後で推移しております。尚、昨日発表された米10月ISM非製造業景況指数(結果56.0、予想53.8)は市場予想を上回る結果(約2年3ヵ月ぶり高水準)となりましたが、ドル買いでの反応は限定的となりました。
5日(火)のユーロドル相場は堅調な値動き。アジア時間朝方にかけて、安値1.0872まで軟化するも、一巡後に下げ渋ると、(1)米大統領選を控えたポジション調整(トランプ・トレードの巻き戻し)や、(2)欧州債利回り上昇に伴うユーロ買い圧力、(3)テクニカル的な地合いの好転(200日移動平均線の上方ブレイク)が支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値1.0936まで上昇しました。引けにかけて反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間11/6午前6時20分現在)では、1.0926前後で推移しております。
本日の見通し
ドル円は一時151.34まで下落するなど、約2週間ぶり安値圏へと値を崩しました。米大統領選を控えたポジション調整(トランプ氏とハリス氏のいずれが勝利するか依然として全く読めない状況→トランプ・トレードの巻き戻しを誘発→対主要通貨でドル売り活発化)が、ドル円下落の背景と考えられます。但し、ダウンサイドに複数のサポートポイントが並んでいること(昨日も200日移動平均線がサポートとして機能)や、強い買いシグナルを示唆する「21日移動平均線と90日移動平均線のゴールデンクロス」「一目均衡表三役好転」「ダウ理論の上昇トレンド」が継続点灯していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは崩れていない(上昇トレンドは継続中)と判断できます。
こうした中、本日は日本時間午前8時頃から開始予定の米大統領選挙の開票作業に注目が集まります。通常であれば選挙結果は当日中に判明することが多いものの、今回はトランプ氏とハリス氏の大接戦が報じられている他、既に様々なトラブル(ジョージア州の投票所に対して爆破予告+ペンシルベニア州カンブリア郡で投票集計技術の不具合など)も見られているため、4年前のトランプ氏vsバイデン氏の選挙時と同様、結果判明に数日間(前回は4日程度)を要する恐れも指摘されています。但し、トランプ氏・ハリス氏のいずれの候補者も大幅減税と財政出動を公約に掲げているため、どちらの候補者が勝利したとしても、最終的には「米長期金利上昇→ドル買い」の波及経路が想定されます(ハリス氏に決まる場合は、トランプ・トレードの巻き戻しが想起されるため、一時的にドル円相場が大きく値を崩すシナリオが想定されるものの、一巡後は上記要因を以って急速に持ち直す可能性が高い)。
以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル買い・円売りトレンドの継続をメインシナリオとして予想いたします(※尚、本日は選挙結果を巡る不確実な情報が出回る可能性があるため、アジア時間帯・欧米時間帯共に、思惑主導のボラタイルな相場展開に警戒が必要)。
本日の予想レンジ:149.00ー155.00
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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