約2カ月半ぶり高値を更新。200日移動平均線を突破できるか否かに注目
〇ドル円、米国時間午後にかけて、高値151.21(7/31以来の高値圏)まで上昇、151円台で堅調推移
〇米金利上昇、テクニカルの地合い好転、リッチモンド連銀製造業景数の好調等が背景
〇ユーロドル、ECB関係者のハト派発言、米金利上昇に1.08割れ
〇ドル円、一目均衡表雲上限を上抜け、地合いの好転強く意識される
〇ファンダメンタルズも日米金利差縮小観測、トランプトレード再開がドル円をサポート
〇引き続き、ドル買い・円売りトレンドの継続をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:150.00ー152.00
海外時間のレビュー
22日(火)のドル円相場は堅調な値動き。アジア時間朝方にかけて、安値150.50まで軟化するも、一巡後に下げ渋ると、(1)米金利上昇に伴うドル買い圧力(米10年債利回りが7/26以来の高水準となる4.22%へ急上昇)や、(2)日本政府・当局より円安牽制発言が出てこなかったことに対する安堵感(青木官房副長官からは「足元の為替相場のコメントは控える」「為替相場の動向はプラス面、マイナス面双方の影響がある」との発言のみ)、(3)テクニカル的な地合いの好転(一目均衡表雲上限を突破できたことで強い買いシグナルを示唆する「三役好転」がついに点灯)、(4)米10月リッチモンド連銀製造業指数(結果▲14、予想▲17)の市場予想を上回る結果が支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値151.21(7/31以来の高値圏)まで上昇しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間10/23午前6時20分現在)では、151.10前後で推移しております。
22日(火)のユーロドル相場は上値の重い展開。欧州時間朝方にかけて、高値1.0838まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、(1)ポルトガル中銀センテノ総裁による「中立レベルまで徐々に金利を引き下げる」「雇用市場が軟化すれば50bpの利下げも可能」とのハト派的な発言や、(2)オーストリア中銀ホルツマン総裁による「ディスインフレは予想よりも急速に進展」「金利引き下げは適切」とのハト派的な発言、(3)ラガルドECB総裁による「金利引き下げペースは未定ながら金利が向かっている方向は明らか」とのハト派的な発言、(4)米金利上昇に伴うドル買い圧力が重石となり、未明にかけて、安値1.0792(8/2以来の安値圏)まで下落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間10/23午前6時20分現在)では、1.0797前後で推移しております。
本日の見通し
ドル円は一時151.21(7/31以来の高値圏)まで上昇するなど、約2カ月半ぶり高値を更新しました。日足ローソク足が一目均衡表雲上限を上抜けたことで、強い買いシグナルを示唆する「三役好転」が約3カ月ぶりに点灯するなど、テクニカル的に見て、地合いの好転(本格的な上昇トレンド再開)を強く意識させるチャート形状となっています。また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)米FRBによる過度な利下げ期待の後退(米経済のソフトランディング期待の高まりを背景に、米FRBによる利下げ観測が大幅後退→米長期金利に上昇圧力→米ドル買い)や、(2)日銀による過度な利上げ期待の剥落、(3)上記1、2を背景とした円キャリートレードの再開期待、(4)トランプ・トレード再開に伴うドル買い圧力など、ドル円相場の続伸を連想させる材料が揃っています。
本日予定されている米9月中古住宅販売件数が市場予想を上回る場合や、米当局者(ボウマンFRB理事、リッチモンド連銀バーキン総裁)よりタカ派的な発言が出てくる場合には、米金利上昇→米ドル買いの経路で、ドル円に強い上昇圧力が加わるシナリオも想定されるため、当方では引き続き、ドル買い・円売りトレンドの継続をメインシナリオとして予想いたします(目先は151.35近辺に位置する200日移動平均線を突破できるか否かに注目。上方ブレイクに成功できれば、ショート勢のロスカットを巻き込みながら、ドル円がもう一段上昇する可能性大)。尚、本日は上記以外にベージュブック(地区連銀経済報告)も予定されております。
本日の予想レンジ:150.00ー152.00
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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