東京市場のドルは142円台に突入、米雇用統計発表で上下に振れる地合いは必至か
【本日の東京市場】
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、米雇用統計への警戒感が先行し日本株が売られたことで円高ドル安が進み、142円41銭までドルは売られた。
昨晩の海外時間では、米8月ADP雇用統計の伸びが予想外に鈍化し、3年半ぶり低水準となったため連邦準備制度理事会(FRB)の大幅利下げを織り込む長期金利低下に伴いドル売りが加速。その後、先週分新規失業保険申請件数が予想以上に減少したため労働市場への悲観的見方が緩和、さらに、米8月ISM非製造業景況指数が予想外に上昇したため消費や景気が底堅いとの見方も広がり、金利が下げ止まりドルの買戻しが強まった。ドルは142円台に入る場面も見られたが、144円台まで値を戻し、143円台で取引を終了した。
東京時間では、朝方こそ日経平均が前日比プラス圏で推移したが、米雇用統計への警戒感などから主力株が売られ後場一段安の展開に。リスクオフの円買いドル売りの地合いが強まったことで、142円41銭までドルは売られた。
ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:143円42銭
高値:143円49銭
安値:142円41銭
終値:142円61銭
ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:159円33銭
高値:159円41銭
安値:158円30銭
終値:158円54銭
豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値: 96円66銭
高値: 96円71銭
安値: 95円72銭
終値: 95円89銭
ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:188円97銭
高値:189円05銭
安値:187円62銭
終値:187円93銭
日経平均(日本時間9時―15時)
始値:36815円00銭
高値:36898円28銭
安値:36235円61銭
終値:36391円47銭(前日比−265円62銭)
【本日の海外市場の重要指標】日本時間
18時00分、欧、第2四半期実質GDP(確報値、前年比)、前回:0.6%、市場予想:0.6%
18時00分、欧、第2四半期実質GDP(確報値、前期比)、前回:0.3%、市場予想:0.3%
21時30分、米、8月失業率、前回:4.3%、市場予想:4.3%
21時30分、米、8月非農業部門雇用者数(前月比)、前回:11.4万人、市場予想:16.5万人
21時45分、米、ウィリアムズNY連銀総裁がイベント講演
24時00分、米、ウォラーFRB理事が講演
FRBブラックアウト期間入り(金融政策に関する発言自粛)19日まで
※予定は変更することがございます。
【今晩の海外時間の見通し】
本日の海外時間は、米雇用統計に一極集中となりそうだ。足元の弱い米雇用を受けて、ドルインデックスは8月29日以来の100.8水準まで下落。米雇用統計に対する警戒感は非常に高くポジションを軽くする動きが強まっているもよう。
非農業部門雇用者数の市場予想は前月比+16.5万人、失業率は4.2%だが、7月JOLTS求人者数、8月ADP雇用者数と立て続けに市場予想を下回ったことから、市場は、非農業部門雇用者数は前月比10万人割れ、失業率は4.3%程度を織り込んでいそうな雰囲気だ。これだけ警戒感が高まっていれば、市場予想通りの内容であれば買戻しが入るとも考えられるが、来週11日に予定されている8月米消費者物価指数にも警戒感が飛び火すれば、8月5日の取引時間中の安値141円68銭下振れも視野に入ろう。市場の乱高下が来週まで続けば、23年7月以来となる130円台突入の可能性もある。
日足の一目均衡表では、基準線、転換線ともに下向きとなっているほか、20日移動平均線も下向き。8月5日の長い下影(下ヒゲ)吸収を試す展開となっている。トレンドは悪化していることから「二番底」を探る地合いと言えよう。
今晩の海外時間では、米雇用統計発表のタイミングで上下に振れる地合いを想定。上値メドは143円50銭、下値メドは141円00銭とする。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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