ドル円 米金融政策めぐり、今週も一喜一憂か(週報5月第3週)

先週のドル/円相場は終わってみれば「行って来い」。一時ドル売りが先行し153円台まで値を崩すも、その後は買い戻しが優勢だった。

ドル円 米金融政策めぐり、今週も一喜一憂か(週報5月第3週)

米金融政策めぐり、今週も一喜一憂か

〇先週のドル円、一時ドル売り先行し153円台まで値を崩すも、その後は買い戻し優勢で「行って来い」
〇4月米消費者物価などが期待裏切る内容となったものの、米要人発言は総じて強気
〇市場は早期の米利下げを慎重に見ている向きがやや優勢か
〇往来相場辿ったドル円横目に米株は堅調裡。ダウ、史上初の4万ドル台示現
〇本邦実弾介入はなかったが口先介入相次ぎ、産業界からも円安の弊害数多く指摘される
〇ドル高円安方向、先週高値156.80巡る攻防に注目。上抜けても一気のドル高進行予想しにくい
〇ドル安円高方向、155円前後が最初のサポート。割り込むと少し遠いが先週安値153.60薄っすら視界内
〇今週のドル円予想レンジ:153.50-157.50

<< 先週の回顧 >>

先週のドル/円相場は終わってみれば「行って来い」。一時ドル売りが先行し153円台まで値を崩すも、その後は買い戻しが優勢だった。

前週末は、プーチン露大統領の提案した内閣改造が話題に。一方、フランス、セルビア、ハンガリーの3ヵ国歴訪の日程を終え、欧州の結束切り崩しに動いた習中国国家主席の動きも話題になっていたようだ。
そうした状況下、週明けのドル/円は155.75円で寄り付いたのち、しばらくは強保ち合い。156円台を中心とした高値圏で一進一退をたどるも、週の半ばに崩れると、あれよあれよという間に週間安値153.60円まで3円を超える下落となった。しかし、週末にかけ持ち直すと、さながらのVの字型の回復。156円寸前まで値を戻し、週末NYは155.65-70円で取引を終え越週している。
なお、結果として往来相場をたどるドル/円を横目に米株は堅調裡。NYダウは史上初の4万ドル台を示現し、週末NYもそのまま高値引け。

一方、週間を通して注視されていた材料は、「円買い介入」と「米金融政策」について。
前者は、GW前の4月25日に「介入はまれであるべき」と発言し、為替市場で思惑を呼んだイエレン米財務長官だったが、今月13日には「政策がより根本的に変化しなければ、必ずしも介入が機能するとは限らない」と指摘し物議を醸していた。また日本を念頭に置いたか否かは不明だが、「極端な変動を抑えるためでない限り、為替レートに手を付けないことでG7は合意している」とも述べていたことが確認されている。そうしたなか、先の発言が影響したのか、それともドル/円が週間を通し154-157円で推移したためか、いずれにしても政府・財務省による円買い実弾介入は観測されず。しかし、相も変わらず口先介入は根強く聞かれたほか、産業界からも円安の弊害が数多く指摘され、是正を求める声がそこここから聞かれていた。

それに対して後者は、先々週の為替市場が発表された米経済指標や要人発言に一喜一憂する展開だったが、先週も大筋としてはその流れを継続。米金融政策への見方が二転三転すると、為替市場も右往左往している。先週は注目されていた4月の消費者物価などが期待を裏切る内容となったものの、発せられる米要人発言は逆に総じて強気。たとえば、ミネアポリス連銀総裁は「金利を当面は現行水準に維持しなくてはならない可能性がある」、アトランタ連銀総裁も「米金融当局は辛抱強く警戒を怠らない姿勢が必要」と発言していた。強弱が入り乱れ混在しているものの、市場では早期の米利下げを慎重に見ている向きがやや優勢か。

<< 今週の見通し >>

ドル/円相場は「気迷い」。売っていいのか、買っていいのか、市場参加者が迷っている状態で、実際その週足は上下動を経ての寄り引き同時線に近い格好となっている。ドルはすでに150円以上のレベルに完全に定着した感があり、先週安値も153.60円まで。下値がかなり堅くなっていることは間違いないものの、当局の介入警戒感もあり160円はなかなか遠い存在だ。そう考えると、足もとは居心地の良い154-156円台を中心とした一進一退が続く可能性もある。
日米を中心とした各国金融政策が注視されているという構図は基本的に変わらず。そうしたなか、今週も引き続き米金融政策が市場の関心を集めそうで、発表される米経済指標や要人発言などにより、一喜一憂する展開か。また指標内容などによっては、なかなか荒っぽい変動も。一方、それとは別にガザ情勢のほか、西側諸国から提供された武器が届き始めているウクライナ情勢などへの関心も再び高まりつつあるようだ。それらについても一応注意しておきたい。

テクニカルに見た場合、ドル/円相場は一旦回復した移動平均の21日線を再び割り込むなど、一本調子にはいかないがそれでもドル高基調そのものは不変か。今週もドルの底堅い値動きは続く見込みだ。
しかし、ドルの上値も重そうでまずは先週高値156.80円の攻防が注視されるなか、仮に抜けても157円そして158円と1円置きに抵抗が位置している。勢いにまかせたドル高進行も見込みにくい。
そうしたなか今週は、5月の製造業PMIや同ミシガン大消費者信頼感指数確報値などの米経済指標が発表される予定となっている。また、今週はそれとともに欧米通貨当局者らの講演など発言機会が数多く予定されており、そちらにも注意を払いたい。さらにG7財務相・中銀総裁会議も。

そんな今週のドル/円予想レンジは、153.50-157.50円。ドル高・円安については、先週高値156.80円をめぐる攻防にまずは注目。ただ、介入警戒感などもあり、上抜けても一気のドル高進行は予想しにくい。
対してドル安・円高方向は、155円前後が最初のサポートか。割り込むと、少し遠いが先週安値153.60円が薄っすら視界内に。とは言え154円台にもサポートはあり、大崩れの可能性は低そうだ。

米金融政策めぐり、今週も一喜一憂か

ドル円日足


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