ドル円 週間通して1円未満の変動、今年最小更新となるか(3/29夕)

東京市場は151円全台前半での揉み合い。本邦当局者からの円安けん制発言など、材料は決して少なくなかったが市場動意は限られた。

ドル円 週間通して1円未満の変動、今年最小更新となるか(3/29夕)

週間通して1円未満の変動、今年最小更新となるか

〇本日のドル円、151.35-40で寄り付き、151.20-50といった30ポイント程度の値動き
〇円安けん制発言相次ぐも、目立った影響は見られず
〇短期的には、150.30-152.00といった1.7円ほどのレンジ取引が続くか
〇今週のドル円相場は151.03-97、ここまで1円未満の変動となり、週間変動が今年最小を更新する可能性
〇本日は米PCEデフレーターや小売在庫などが発表予定、要人発言予定もあり、休場が多いが要注意
〇欧米時間のドル円予想レンジは、ドル高・円安方向は昨日高値151.54が最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は、151円レベルをめぐる攻防にまず注目

<< 東京市場の動き >>

東京市場は151円全台前半での揉み合い。本邦当局者からの円安けん制発言など、材料は決して少なくなかったが市場動意は限られた。

ドル/円は151.35-40円で寄り付いたものの、結果としてレンジ取引。151.20-50円といった30ポイント程度の値動きだった。早朝から3月東京区部消費者物価が発表されたうえ、鈴木財務相による口先介入が伝えられたが、影響は限定的。151円を割り込むには至らず、むしろ買い遅れ筋の買いなどにより夕方には寄り付きレベルまで値を戻してきている。16時現在では151.40-45円で推移し、欧米市場を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは「円安けん制発言など」と「ロシア情勢」について。
前者は、昨日欧米時間の記者会見で、岸田首相からも「為替相場の過度な変動は望ましくない」とする発言が聞かれたことに続き、本日東京時間には鈴木財務相が「為替は水準が問題ではない、防衛ラインはない」と発言したことが話題に。ただ、発言を受けたドル安・円高の進行はわずか30ポイント弱にとどまっていた。その後、再び鈴木財務相から「最近の円安進行はファンダメンタルズに沿っていない」などとしたコメントが発せられたものの、目立った影響は見られなかった。なお日経新聞は、日本政府が約24年ぶりのドル売り・円買い介入を実施した2022年と比較したうえで、「22年は『スタンバイ』発言の直後に介入実施」−−と報じており、今回もそろそろ要注意と指摘していたが果たして如何に。

対して後者は、22日にモスクワ近郊のコンサートホールで140人以上が死亡した銃撃事件について過激派組織「イスラム国」(IS)がすでに犯行声明をだしているものの、ロシアサイドは「ウクライナの関与」を引き続き指摘している。実際、昨日はロシア連邦捜査委員会から「実行犯がウクライナの民族主義者と関連している証拠を入手した」との発表もなされていた。そうしたなか、米英当局が「ロシアに向けた200億ドルあまりの仮想通貨送金を調査」などといった報道も観測され、ロシアへの制裁を逃れる金銭取引・戦費調達にメスが入れられることになりそうだ。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円相場は先週から今週にかけてレンジの上下限を試したと考えられる。具体的には安値150.27円と高値151.97円がそれにあたる。したがって、短期的には150.30-152.00円といった1.7円ほどのレンジ取引がしばらくのあいだ続く見通しだ。さらにいえば、今週のドル/円相場は151.03-97円と、ここまで1円も動いていない。本日の欧米市場が現状のような値動きのまま終了すれば、今週の週間変動は今年最小を更新することになる。
引き続き日米金融政策が注視されている環境下、本日は予定されているパウエルFRB議長による討論会参加の予定などに注意を払いたい。本日から週明けにかけて、多くの国がイースターなどで休場となるため、値動きも鈍くなるとの見方が有力だが、逆に「薄商い=乱高下」の展開を警戒する声も聞かれていた。油断は禁物であろう。

テクニカルに見た場合、ドル/円は上下ともに動きにくく、その一端は前述した今週の週間レンジ(151.03-97円)にも示されていると言えそうだ。基本的にはこのあとも151円台での一進一退が見込まれ、注目の152円超えは来週へと持ち越しか。とは言え、先で指摘したように鈴木財務相から執拗ともいえる円安けん制発言が聞かれているなど、気になるところもあるだけにドル高、ドル安両サイドの動きに注意を払っておきたい。

本日は米経済指標として、2月のPCEデフレーターや同小売在庫などが発表される予定となっている。また、パウエルFRB議長による討論会参加の予定もあり、欧州などでも休場が多いなか予断を許さない。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは151.00-151.80円。ドル高・円安方向は昨日高値151.54円が最初の抵抗。抜けると直近高値151.97円が名実ともに視界内に。
対するドル安・円高方向は、今週一度も割り込んでいない151円レベルをめぐる攻防にまず注目。21日安値150.27円が意識されそうだ。

週間通して1円未満の変動、今年最小更新となるか

ドル円日足


注:ポイント要約は編集部

オーダー/ポジション状況

関連記事

「FX羅針盤」 ご利用上の注意
掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。

ページトップへ戻る