東京市場のドルは151円台でのこう着、今晩のPCEデフレータで動く可能性も
【本日の東京市場】
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、グッドフライデーの祝日で、多くの海外市場が休場となっていることから方向感の乏しい地合いとなった。
昨晩の海外時間では、3月ミシガン大学1年期待インフレ率確報値のインフレ期待が予想外に低下したため長期金利の低下に伴い一時ドル売りが優勢となった。その後、良好な雇用や国内総生産(GDP)確定値が予想を上回る良好な指標に加え、ウォラー米連邦準備制度理事会(FRB)理事の「利下げを急がない」との発言を受けて、FRBの利下げが先送りされるとの根強い観測に連れ再び金利が上昇し、ドルは151円30銭台と値を戻した。
東京時間では、3月の期末に伴い値決めのタイミングで実需筋の円買いが入るかと思われたが、目立った売買は観測されず、グッドフライデーの祝日らしい方向感に欠ける展開となった。
ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:151円41銭
高値:151円50銭
安値:151円19銭
終値:151円36銭
ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:163円34銭
高値:163円55銭
安値:162円94銭
終値:163円06銭
豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値: 98円65銭
高値: 98円72銭
安値: 98円49銭
終値: 98円51銭
ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:191円14銭
高値:191円21銭
安値:190円81銭
終値:190円98銭
日経平均(日本時間9時―15時)
始値:40277円45銭
高値:40521円71銭
安値:40268円11銭
終値:40369円44銭(前日比+201円37銭)
【本日の海外市場の重要指標】日本時間
21時30分、米、2月PCEデフレータ(前年比)、前回:2.4%、市場予想:2.5%
21時30分、米、2月PCEデフレータ(コア)(前年比)、前回:2.8%、市場予想:2.8%
24時15分、米、デイリー・サンフランシスコ連銀総裁が金融政策会議で開会挨拶
24時30分、米、パウエルFRB議長が金融政策会議に出席
グッドフライデーのため、米国、英国、欧州、オセアニア、香港、シンガポール市場は休場
※予定は変更することがございます。
【テクニカル分析など】
日足ベースのドル・円は、27日に2022年高値151円96銭をわずか1銭ではあるが上回ったことで、1990年7月以来となる152円台乗せを試す展開を迎えている。151円90銭台は、投機筋と政府・日銀との様々な思惑が交錯する価格帯となる。
昨夜、岸田首相は会見で、円安への対応について「為替介入について具体的に言うことは控えなければならない」とした上で、「為替相場は、ファンダメンタルズを反映して安定的に推移することが重要。少なくとも過度な変動は望ましくない」と指摘。「政府として高い緊張感を持って為替動向を注視していきたい」とした上で、「行き過ぎた動きに対しては、あらゆる手段を排除せず、適切な対応を取りたい。これが政府の基本的な考え方だ」と述べた。
強い円安けん制発言という内容ではないが、岸田首相が為替介入も辞さない姿勢を明確にしたことで、投機筋は円売りポジションをより積み上げにくくなったと想定。今晩の2月PCEデフレータで大きくドルが動かなければ、来週末の3月雇用統計発表まで様子見姿勢が続く可能性はある。
市場では、「前日比で1.2%円安ドル高が進まなければ介入はできない」との見方もあり、151円台水準でのもみ合いでは政府・日銀は動けないと想定できる。介入実施のタイミングとしては、米経済指標などを材料にドル買いが強まり151円90銭台を上回り152円台に乗せたころ合いを考える。
152円より上は「ドル売りポジションの巻き戻しのドル買い」が入り加速的な円安が進む展開が想定される。おそらく介入を実施するのはそのタイミングではないかと考える。グッドフライデーの祝日で参加者が少ない今晩の海外時間は、2月PCEデフレータ発表のタイミングに注目したい。
今晩の海外時間も引き続き緊張感の高い地合いを想定。上値メドは152円80銭、下値メドは150円80銭とする。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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