下落後に持ち直すなど底堅い動き。21日線と90日線のゴールデンクロスが実現
〇ドル円、米国時間に147.64まで下落後148円台に持ち直す
〇FRB関係者の発言に米長期金利が上下動ドル円もそれにつれた形
〇ユーロドル、1.07台後半で方向感に欠ける動き
〇ドル円、21日移動平均線と90日線移動平均線のゴールデンクロスが実現、地合い強い
〇ファンダメンタルズも、日米金融政策の方向性の違いとキャリートレードの継続期待がドル円を支持
〇ドル買い・円売りトレンドの再開をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:147.50ー149.00
海外時間のレビュー
7日(水)のドル円相場は底堅い動き。(1)前日の下落の反動買いや、(2)米金利上昇に伴うドル買い圧力が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、高値148.26まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(3)ミネアポリス連銀カシュカリ総裁による「現時点では今年2ー3回の利下げが適切だと考えている」とのハト派的な発言や、(4)米金利低下に伴うドル売り圧力、(5)短期筋の見切り売り(アジア時間に記録した安値147.72を下抜けたことに伴う仕掛け的なドル売り・円買い)、(6)米12月貿易収支(結果622億ドル赤字、予想620億ドル赤字)の市場予想を上回る赤字額が重石となり、日本時間23時過ぎに、日通し安値147.64まで下落しました。
もっとも、売り一巡後に下げ渋ると、(7)ボストン連銀コリンズ総裁による「利下げを支持するにはさらなるデータが必要」との慎重な発言や、(8)リッチモンド連銀バーキン総裁による「利下げには忍耐強くなるのが合理的」との慎重な発言、(9)米長期金利の再上昇(米2年債利回りが4.37%から4.43%へ急上昇)、(10)米主要株価指数の堅調推移が支援材料となり、本稿執筆時点(日本時間2/8午前6時45分現在)では、148.19前後まで持ち直す動きとなっております。
7日(水)のユーロドル相場は狭いレンジ内で方向感に欠ける展開。(1)シュナーベルECB専務理事による「借り入れコストの低下はインフレ再燃リスク」「サービス部門のインフレが懸念材料」とのタカ派的な発言や、(2)米金利低下に伴うドル売り圧力が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、高値1.0784まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(2)米金利上昇に伴うドル買い圧力が重石となり、日本時間0時過ぎに、安値1.0755まで反落しました。もっとも、売り一巡後に下げ渋ると、引けにかけて持ち直し、本稿執筆時点(日本時間2/8午前6時45分現在)では、1.0772前後で推移しております。
本日の見通し
ドル円は一時147円台半ばまで下落するも、米国時間午後にかけて148円台を回復する力強い動きとなりました(下値の堅さを再確認)。市場参加者に意識されていた21日移動平均線と90日線移動平均線のゴールデンクロスがついに実現したことや、それに伴って強い買いシグナルを示唆する「強気のパーフェクトオーダー」が成立したこと等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは強いと判断できます。
また、ファンダメンタルズ的に見ても、日米金融政策の方向性の違い(3月FOMCでの25bp利下げの織り込み度合いは18.5%まで低下中)と、それに伴う円キャリートレードの継続期待(日米10年債利回り格差は3.41%へ拡大)など、ドル円相場の上昇を連想させる材料が揃っています。本日予定されている米新規失業保険申請件数や、米12月卸売売上高が良好な結果を示す場合や、リッチモンド連銀バーキン総裁より利下げに慎重な発言が見られる場合には、米金利上昇→米ドル買いの経路で、ドル円にもう一段強い上昇圧力が加わるシナリオが想定されるため、当方では引き続き、ドル買い・円売りトレンドの再開(心理的節目150.00に向かって上昇する展開)をメインシナリオとして予想いたします。
本日の予想レンジ:147.50ー149.00
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
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