ドル円見通し 米地区連銀総裁らのけん制発言相次ぎ一時143円台へ上昇、日銀会合結果待ちへ(23/12/19)

サンフランシスコ連銀総裁やクリーブランド連銀総裁らが早期利下げ期待に釘を刺す発言を繰り返したことで18日深夜には143.15円まで戻り高値を切り上げた。

ドル円見通し 米地区連銀総裁らのけん制発言相次ぎ一時143円台へ上昇、日銀会合結果待ちへ(23/12/19)

米地区連銀総裁らのけん制発言相次ぎ一時143円台へ上昇、日銀会合結果待ちへ

〇ドル円、12/16未明からジリ高基調、米地区連銀総裁らのけん制発言相次ぎ12/18深夜143.15まで上昇
〇日銀金融政策決定会合結果発表を控え積極的な円売りは仕掛けづらく、143円到達後は失速気味の推移
〇日銀の金融政策は現状維持と予想されるが、日銀声明や総裁会見でどのような姿勢を示すか注目される
〇米地区連銀総裁らによる早期利下げ期待に釘を刺す発言、相次ぐ
〇米長期債利回りは大幅低下一服で戻す、NYダウは4営業日連続で史上最高値更新、ナスダックも連騰
〇日銀金融会合結果から12/18高値143.15を超えて一段高に入る場合は、144円前後への上昇を想定する
〇142円割れからは、12/14昼過ぎ安値140.99試しとする

【概況】

ドル円は12月14日早朝に米FOMCが来年3回の利下げ想定を示し、パウエルFRB議長が利下げ開始時期について「視野に入り始めており、この日協議した」と述べたことによる米長期債利回り大幅低下とドル全面安により145円台序盤だったところから急落して14日昼過ぎには140.99円を付けて12月8日未明安値141.67円を割り込んだ。
12月15日にNY連銀総裁が具体的な利下げ協議はなかったと発言したことやアトランタ連銀総裁が来年後半の利下げ開始予想を示すなど、14日の市場反応は過剰だとけん制したことでドル安にブレーキがかかったため、週明けのドル円は16日未明からのジリ高基調を続け、サンフランシスコ連銀総裁やクリーブランド連銀総裁らが早期利下げ期待に釘を刺す発言を繰り返したことで18日深夜には143.15円まで戻り高値を切り上げた。
しかし、時期はともかく米FRBが来年利下げに踏み切ることは確実視されているために米長期債利回りの反発は鈍く、19日昼頃に結果発表となる日銀金融政策決定会合を控えていることで積極的な円売りを仕掛けづらいとして143円到達後は失速気味の推移となっている。

【植田日銀総裁の「チャレンジング」答弁の真意を見定める】

本日は12月18日から始まった日銀金融政策決定会合の結果発表と午後の植田総裁会見がある。12月7日に植田総裁が参院の答弁で金融緩和の出口へ向けては「年末から来年はチャレンジング」と述べ、その後に岸田首相との会談で出口戦略を説明したと報じられたことによりドル円は12月7日午前の147円台序盤から暴落的な下げに見舞われて12月8日未明には141.67円を付けて11月13日夜高値151.90円以降の安値を更新した。その後に日銀は出口へ急いでいないと報じられたこと等により12月12日未明に146.58円まで戻したが、14日早朝のFOMCをきっかけに一段安したばかりである。
今回の会合では金融政策の現状維持と予想されているが、日銀声明や総裁会見で金融緩和政策の出口へ向けて具体的なプロセスを示すようなタカ派姿勢を見せるのか、12月7日の市場反応が過剰だったとしてやや緩い姿勢を示すのか注目されるが、仮にタカ派姿勢を見せる場合にはドル円が一段安へ進みかねないところだ。

【FOMC反応に対する軌道修正的発言続く】

12月15日にNY連銀のウィリアムズ総裁は「すぐに利下げを行う議論はしていない」と述べて来年3月にも利下げが始まるのではないかとの市場の期待をけん制した。アトランタ連銀のボスティック総裁も15日に「2024年第3四半期には利下げを開始できる」が「利下げは差し迫っていない」と述べて早期利下げ期待に釘を刺した。
FOMC後の会見でパウエル議長は利下げ開始時期について「視野に入り始めており、この日協議した」と述べており、NY連銀総裁らの発言はパウエル議長発言の否定というよりも3月利下げ等の具体的協議はなかったということを強調したものと思われるが、18日も地区連銀総裁らによるけん制発言が相次いだ。
シカゴ連銀のグールズビー総裁は早期の利下げ開始を織り込む市場の反応に対して「若干戸惑いがある」とし、FOMCでは「臆測的に将来の特定の政策について議論しなかった」と述べた。またクリーブランド連銀のメスター総裁は、自身が2024年3回利下げを想定する一人だとした上で、市場が「少し先走っている」と述べて早期利下げに対して慎重な姿勢を示した。

【米長期債利回りは大幅低下一服で戻し、ダウは4営業日連続で史上最高値更新】

12月18日の米長期債利回りは概ね小幅上昇したが、先週末からの下げ渋り程度の動きに留まっている。
長期金利指標の10年債利回りは先週末比0.03%上昇の3.94%となった。FOMC後の急落で12月13日に前日比0.18%低下、14日に0.10%低下して一時3.89%をつけて10月23日の5.02%以降の最低とし、15日は前日比0.01%低下したものの10月23日以降の最低値更新を回避して下げ渋っていたが、18日は一時3.97%まで戻してから上昇幅を削っている。
30年債利回りは先週末比0.04%上昇の4.05%、2年債利回りは先週末と変わらずの4.45%だった。
一方、NYダウは先週末比0.86ドル高とわずかな上昇に留まったが4営業日連続で史上最高値を更新して12月7日から8連騰となり、ナスダック総合指数も先週末比90.89ポイント高で12月7日から8連騰となった。来年3月かそれ以降になるのかはともかく、来年3回の利下げが濃厚との楽観的見方が優勢であり、一部では来年4回の利下げ期待も出ている中で米国の株高はまだ続きやすい環境にあると思われる。

【60分足、サイクル・一目均衡表分析】

【60分足、サイクル・一目均衡表分析】

ドル円は12月8日未明安値からの反騰が12日未明高値までで一巡して下落期に転じて12月14日昼過ぎ安値140.99円まで一段安したが、141円割れに対する売られ過ぎ警戒感から下げ渋り、NY連銀総裁発言等をきっかけに買い戻し優勢となって18日深夜には143.15円まで戻した。
本日は日銀金融政策決定会合があり、内容次第では上下に大きく動きやすいところであり、会合前に下落したところから一段高へ進む場合は週後半へ続伸してゆく可能性が高まるとみるが、会合後に急落する場合は19日午後へ一時的に下げ、総裁会見から続落する場合は20日の日中から21日午後にかけての間へ安値試しを続けやすくなるとみる。

60分足の一目均衡表では12月18日深夜への上昇で遅行スパンが好転し、先行スパンの上限近くへ戻した。先行スパンが縮小に入るため相場が横ばいでも先行スパンを上抜いた状況へ進むと思われるが、日銀会合も控えているので、会合結果を見て18日深夜高値を超える場合は遅行スパン好転中の高値試し優先とし、会合後に下落反応の場合は遅行スパン悪化中の安値試し優先とし、先行スパン転落からは下げ足が速まる可能性があると考える。

60分足の相対力指数は12月18日深夜の上昇で70ポイント台へ到達してから60ポイント割れへ失速している。50ポイント以上を維持するか一時的に割り込んでも回復するうちは一段高余地ありとするが、18日深夜高値を超える際に指数のピークが切り下がる弱気逆行がみられる場合は反落警戒とし、45ポイント割れからは下落期入りとみて30ポイント以下への低下を想定する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、142.00円を下値支持線、12月18日深夜高値143.15円を上値抵抗線とする。
(2)日銀金融会合結果から12月18日深夜高値を超えて一段高に入る場合は144円前後への上昇を想定する。144円以上は反落注意とするが、会合結果から急伸商状の場合は144円台後半へ上値目途を引き上げる。
(3)142円割れからは12月14日昼過ぎ安値140.99円試しとするが、急落商状で底割れする場合は140.50円、140.20円を順次試し、さらに140円割れを目指して行く下落期入りと考える。

【当面の予定】

12/19(火)
日銀金融政策決定会合、 策金利発表 (現行 -0.10%、予想 -0.10%)
06:45 (NZ) 11月 貿易収支 (10月 -17.09億NZドル)
09:00 (NZ) 12月 ANZ企業信頼感 (11月 30.8)
09:30 (豪) 豪中銀、金融政策会合議事要旨
15:30 (日) 植田和男日銀総裁、記者会見
19:00 (欧) 11月 HICP(消費者物価指数)・改定値 前年同月比 (10月 2.4%、予想 2.4%)
19:00 (欧) 11月 コアHICP・改定値 前年同月比 (10月 3.6%、予想 3.6%)
22:30 (米) 11月 住宅着工件数 年率換算件数 (10月 137.2万件、予想 136.0万件)
22:30 (米) 11月 住宅着工件数 前月比 (10月 1.9%、予想 -0.9%)
22:30 (米) 11月 建設許可件数 年率換算件数 (10月 148.7万件、予想 146.5万件)
22:30 (米) 11月 建設許可件数 前月比 (10月 1.1%、予想 -2.2%)
26:30 (米) ボスティック・アトランタ連銀総裁、講演

12/20(水)
08:50 (日) 11月 通関貿易収支・季調前 (10月 -6625億円、予想 -9624億円)
08:50 (日) 11月 通関貿易収支・季調済 (10月 -4620億円、予想 -7349億円)
16:00 (独) 11月 PPI(生産者物価指数) 前月比 (10月 -0.1%、予想 -0.3%)
16:00 (独) 1月 GFK消費者信頼感 (12月 -27.8、予想 -27.0)
16:00 (英) 11月 CPI(消費者物価指数) 前月比 (10月 0.0%、予想 0.1%)
16:00 (英) 11月 CPI(消費者物価指数) 前年同月比 (10月 4.6%、予想 4.3%)
16:00 (英) 11月 コアCPI 前年同月比 (10月 5.7%、予想 5.6%)
16:00 (英) 11月 RPI(小売物価指数) 前年同月比 (10月  6.1%、予想 5.7%)
18:00 (欧) 10月 経常収支・季調済 (9月 312億ユーロ)
19:00 (欧) 10月 建設支出 前月比 (9月 0.4%)
19:00 (欧) 10月 建設支出 前年同月比 (9月 -0.3%)

22:30 (米) 7-9月期 経常収支 (4‐6月 -2121億ドル、予想 -1960億ドル)
24:00 (米) 11月 中古住宅販売件数・年率換算 (10月 379万件、予想 377万件)
24:00 (米) 11月 中古住宅販売件数 前月比 (10月 -4.1%、予想 -0.5%)
24:00 (米) 12月 コンファレンス・ボード消費者信頼感指数 (11月 102.0、予想 104.0)
24:00 (欧) 12月 消費者信頼感・速報値 (11月 -16.9、予想 -16.3)
24:30 (米) EIA週間石油在庫統計
27:00 (米) 財務省20年債入札


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