ドル円見通し 9月11日の乱高下落ち着き、米CPIへ関心向かう(23/9/13)

ドル円は9月11日の急落で146円を割り込んだところから147円台回復まで切り返しているため、11日夕安値を起点とした上昇期に入っていると思われる。

ドル円見通し 9月11日の乱高下落ち着き、米CPIへ関心向かう(23/9/13)

9月11日の乱高下落ち着き、米CPIへ関心向かう

〇ドル円、9/11からの乱高下はひとまず落ち着き、9/11夕安値145.89起点とした上昇期入りか
〇日銀が9/14からの国債介入オペ実施を通告したことなどで長期金利上昇抑制姿勢を示したことが背景
〇介入警戒感持ちつつ、日米金利差が拡大した状況続きドル円が急落したところは買い拾われやすい
〇今夜発表の米8月CPI、全体は原油相場上昇に合わせ上昇、エネルギー関連除外のコアは鈍化の予想
〇CPI内容次第ではFedWatchの年内追加利上げの確率が上昇する可能性もあるため注意
〇146.70以上での推移中は上昇余地ありとし、147.50超えからは9/9早朝高値147.86へ迫る上昇を想定
〇146.70割れからは146.50前後試しを想定する

【概況】

ドル円は先週末の一部メディアによる日銀総裁インタビュー記事において、植田総裁が「マイナス金利の解除後も物価目標の達成が可能と判断すればやる」などと発言していたことを受けて9月9日早朝高値147.86円から11日夕安値145.89円へ凡そ2円の急落となり、11日夜に146.98円までいったん戻してから深夜に146.20円まで反落してまた持ち直すという乱高下に見舞われた。
日銀が金融緩和政策の終了プロセスへ向かうために9月21-22日の日銀金融政策決定会合で何かを仕掛けてくるのではないかとの警戒感が円買いを誘ったが、日銀が14日からの国債介入オペ実施を通告するなど長期金利上昇抑制姿勢を示したこともあり乱高下はひとまず落ち着いた。

植田総裁は「マイナス金利解除含めていろいろなオプションがある」と述べていたが、9月6日の神田財務官と9月8日の鈴木財務相による円安けん制発言と同調した円安に対する日銀なりの口先介入だった可能性という見方もされている。市場は政府・日銀による市場介入への警戒感を持ちつつ、米国のインフレ高止まりによる利上げ状態の長期化により日米金利差が拡大した状況も続くことで円安基調が続く可能性を踏まえてドル円が短期的に急落したところは買い拾われやすい状況にあるのではないかと思われる。

【米8月消費者物価指数、発表待ち】

今夜は米8月CPI(消費者物価指数)の発表がある。全体の上昇率は前月比で7月の0.2%から0.6%へ、前年比で7月の3.2%から3.6%へ加速するとみられているが、コア指数では前月比が7月の0.2%と同じで前年比が7月の4.7%から4.3%へ鈍化すると見込まれている。
全体の伸びが加速するのは原油相場の上昇によるものであり、コア指数はエネルギー関連を除外しているために伸びが鈍化すると見込まれている。しかし原油相場の上昇が継続すればコア指数においてもコストアップを反映して高止まりとなるか今後は伸びが再び加速する可能性もあると思われる。

NY原油、期近の9月12日清算値は88.84ドル、前日比1.55ドル高と上昇して高値では89.37ドルを付けて2022年11月以来およそ10か月振りの高値とした。サウジの自主減産とロシアの輸出削減が12月末まで延長されたこと、12日に発表されたOPEC月報で10月から12月にかけては日量約330万バレルの供給不足になり在庫取り崩しが進むとの見方が示されたことも買い材料とされている。原油相場の上昇は日本にとっては貿易収支の悪化と円安にも影響する。
FOMCは9月19-20日に開催され、金利先物市場においてはほぼ利上げ見送りが予想されている。また11月と12月の残り2回のFOMCにおける追加利上げの可能性は5割を切った状況にある。しかし利下げ開始時期については来年7月以降という認識が広がっている。今夜の米CPI内容次第では年内追加利上げの確率が上昇する可能性もあるので注目したい。

【米10年債利回りは小幅低下、ダウは反落】

9月12日の米長期債利回りは概ね低下した。長期金利指標の10年債利回りは前日比0.01%低下の4.28%で終了したが、一時4.26%まで低下してからは戻している。9月7日に一時4.31%を付けて9月1日につけた4.06%以降の高値を更新した後は伸び悩みだが4.20%以上を維持している。
30年債利回りは前日比0.02%低下の4.35%で終了、8月21日につけた4.47%から8月31日に4.18%まで低下してから持ち直しており、11日には4.39%を付けている。利上げに敏感な2年債利回りは前日比0.04%上昇の5.03%で終了、8月28日に5.11%を付けて7月6日の5.12%へ迫ってから9月1日の4.76%まで低下したものの再び上昇している。
一方でNYダウは前日比17.73ドル安と下落、9月7日から11日まで3連騰したが4日ぶりの反落となった。ナスダック総合指数も144.28ポイント安となり3日ぶりの反落となった。米CPI発表を控えて慎重な動きというところか。

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

ドル円は9月11日の急落で146円を割り込んだところから147円台回復まで切り返しているため、11日夕安値を起点とした上昇期に入っていると思われる。今夜の米CPI内容次第で上下に大きく動く可能性もあるため、米CPIを強気で通過する場合は16日早朝にかけての上昇を想定し、米CPIを弱気で通過して146円台前半へ下げる場合は戻り一巡による下落期入りとみて18日にかけての下落を想定する。

60分足の一目均衡表では9月11日安値からの反騰により遅行スパンが好転して先行スパンも上抜き返しているので遅行スパン好転中は高値試し優先とする。先行スパンから転落しないうちは遅行スパンが一時的に悪化してもその後に好転するところからは上昇再開とするが、先行スパンから転落する場合は下落期入りとみて遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。

60分足の相対力指数は9月12日夜に60ポイント台後半へ上昇してからやや下げているものの50ポイント以上を維持しているので70ポイント超えからは80ポイントへ迫る上昇を想定するが、50ポイント割れの状況が続く場合は下落再開を警戒し、40ポイント割れからは20ポイント台を目指す下落を想定する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、146.70円を下値支持線、147.50円を上値抵抗線とする。
(2)146.70円以上での推移中は上昇余地ありとし、147.50円超えからは9月9日早朝高値147.86円へ迫る上昇を想定する。147.80円以上は反落警戒とするが、米CPIなどにより上昇が勢い付く場合は148円台序盤へ向かう可能性もあるとみる。
(3)146.70円割れからは146.50円前後試しを想定する。146.50円前後は買われやすいとみるが、急落商状の場合は11日夕安値145.89円試しへ向かう可能性もあると注意し、146.50円以下での推移なら14日も安値試しへ向かいやすいとみる。

【当面の予定】

9/13(水)
15:00 (英) 7月 月次GDP 前月比 (6月 0.5%、予想 -0.2%)
15:00 (英) 7月 鉱工業生産 前月比 (6月 1.8%、予想 -0.6%)
15:00 (英) 7月 鉱工業生産 前年同月比 (6月 0.7%、予想 0.5%)
15:00 (英) 7月 貿易収支・物品 (6月 -154.55億ポンド、予想 -160.00億ポンド)
15:00 (英) 7月 貿易収支 (6月 -47.87億ポンド、予想 -45.00億ポンド)
18:00 (欧) 7月 鉱工業生産 前月比 (6月 0.5%、予想 -0.7%)
18:00 (欧) 7月 鉱工業生産 前年同月比 (6月 -1.2%、予想 -0.3%)

21:30 (米) 8月 CPI(消費者物価指数) 前月比 (7月 0.2%、予想 0.6%)
21:30 (米) 8月 CPI(消費者物価指数) 前年同月比 (7月 3.2%、予想 3.6%)
21:30 (米) 8月 コアCPI 前月比 (7月 0.2%、予想 0.2%)
21:30 (米) 8月 コアCPI 前年同月比 (7月 4.7%、予想 4.3%)
23:30 (米) EIA週間石油在庫統計
26:00 (米) 財務省30年物国債入札
27:00 (米) 8月 財政収支 (7月 -2208億ドル、予想 -2400億ドル)

9/14(木)
08:50 (日) 7月 機械受注 前月比 (6月 2.7%、予想 -0.7%)
08:50 (日) 7月 機械受注 前年同月比 (6月 -5.8%、予想 -10.6%)
10:30 (豪) 8月 新規雇用者数 (7月 -1.46万人、予想 2.55万人)
10:30 (豪) 8月 失業率 (7月 3.7%、予想 3.7%)
13:30 (日) 7月 鉱工業生産・確報値 前月比 (速報 -2.0%)
13:30 (日) 7月 鉱工業生産・確報値 前年同月比 (6月 -2.5%)
13:30 (日) 7月 設備稼働率 前月比 (6月 3.8%)

21:15 (欧) ECB(欧州中銀) 政策金利 (現行 4.25%、予想 4.25%)
21:30 (米) 8月 小売売上高 前月比 (7月 0.7%、予想 0.2%)
21:30 (米) 8月 小売売上高・除自動車 前月比 (7月 1.0%、予想 0.4%)
21:30 (米) 8月 PPI(生産者物価指数) 前月比 (7月 0.3%、予想 0.4%)
21:30 (米) 8月 PPI(生産者物価指数) 前年同月比 (7月 0.8%、予想 1.3%)
21:30 (米) 8月 コアPPI 前月比 (7月 0.3%、予想 0.2%)
21:30 (米) 8月 コアPPI 前年同月比 (7月 2.4%、予想 2.2%)
21:30 (米) 新規失業保険申請件数 (前週 21.6万件、予想 22.5万件)
21:30 (米) 失業保険継続受給者数 (前週 167.9万人)
21:45 (欧) ラガルドECB総裁会見
23:00 (米) 7月 企業在庫 前月比 (6月 0.0%、予想 0.1%)


注:ポイント要約は編集部

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