東京市場は147円82銭まで上昇、為替介入実施は150円水準か
【本日の東京市場】
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、神田財務官による強めの口先介入などが重しとなり、年初来高値147円82銭を付けた後は上値が重くなった。
昨晩の海外時間では、原油高で米インフレ制御にはまだ時間がかかるとの見方が強まり、米10年債利回りが4.269%まで上昇。米金利に引っ張られ、ドルは上昇し、147円80銭と8月29日の年初来高値を更新した。
東京時間でもドル高の流れは継続。朝方8時頃、神田財務官が「急激な変動が起こっている」「こういった動きが続くようであれば、政府としてあらゆる選択肢を排除せず適切に対応していきたい」と強めの口先介入を実施。発言後、影響は限定的で、ドルは10時頃、海外時間で付けた年初来高値を2銭更新する場面も見られた。
ただ、午後にかけてドルは上値の重い展開となった。10時の値決めでのドル買い需要が一服した後は、強めの口先介入を受けて様子見姿勢が強まり、積極的なドル買いは手控えられたもよう。
ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:147円63銭
高値:147円82銭
安値:147円03銭
終値:147円04銭
ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:158円34銭
高値:158円44銭
安値:157円84銭
終値:157円89銭
豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:94円16銭
高値:94円19銭
安値:93円86銭
終値:94円17銭
ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:185円55銭
高値:185円61銭
安値:185円01銭
終値:185円08銭
日経平均(日本時間9時―15時)
始値:33115円06銭
高値:33282円15銭
安値:33088円22銭
終値:33241円02銭(前日比+204円26銭)
【本日の海外市場の重要指標】日本時間
17時30分、英、建設業PMI、前回:51.7、市場予想:49.7
21時30分、米、貿易収支、前回:−655.0億ドル、市場予想:−675.0億ドル
21時30分、米、コリンズ・ボストン連銀総裁が講演
22時45分、米、サービス業PMI、前回:51.0、市場予想:51.0
22時45分、米、コンポジットPMI、前回:50.4、市場予想:50.4
23時00分、カ、カナダ中銀政策金利、前回:5.0%、市場予想:5.0%
23時00分、米、ISM非製造業景気指数、前回:52.7、市場予想:52.4
27時00分、米、米地区連銀経済報告(ベージュブック)
※予定は変更することがございます。
【テクニカル分析】
日足ベースのドル・円は、一目均衡表の雲上限を上放れているほか、遅行スパンも実線を上回っていることから目先のトレンドは強い。先週末に長い下影(下ヒゲ)を残しており、上値を探る形状と言えよう。
朝方の神田財務官は「投機的な行動、あるいはファンダメンタルズで説明できないような動きが見られており、高い緊張感をもって注視している」とも発言しており、この夏の発言としては最も強めの口先介入となった。一方、発言直後、147円30銭台までドルはやや売られたが、結果として東京時間で年初来高値を更新した。
この背景として、ドル買いの需要が高まっていたこともあるが、今後、段階的に口先介入のトーンが強まっていくとの見方が強いことを指摘する。つまり、「口先介入は、まだ最終段階ではないため、ドルの上昇余地はある」と考える市場関係者が多いと考える。本日の発言に「適切に対応」という表現がなされていることから5段階中で表現するとレベル4と考える(これまではレベル3(筆者の考えで明確な水準は存在しない))。やはり、レベル5の「断固たる措置を取る」といった表現が出るのは、150円水準だろう。
もっとも、急ピッチなドル高に伴う円安を警戒する国民及び企業の声が高まった場合は、神田財務官、鈴木財務大臣など政府関係者による口先介入のトーンは強めとなるだろう。足元の原油高も加わり、ガソリン価格の上昇に対する国民のアレルギーはそれなりに高まっていることから、8月に比べると、為替介入実施への醸成は進んだと考える。
とはいえ、今晩の海外時間も、じりじりと上昇する米国債利回りに引っ張られると想定。強い米経済指標も加われば、年初来高値147円82銭を一気に上回る地合いとなろう。今晩の上値メドは、年初来高値水準を上回る148円00銭、下値メドは東京時間の安値水準をやや下回る146円80銭とする。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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