ドル円、高値圏から急反落。米ISM製造業景況指数の悪化がドル円の重石に
〇ドル円、アジア時間の高値133.74から米国時間にかけ132.21まで急落
〇米3月製造業PMI、ISM製造業景況指数等が冴えず、米長期金利も低下
〇ユーロドル、原油価格の上昇によるインフレ懸念からの欧州債利回り上昇等に1.0917まで急伸
〇ドル円、主要レジスタンスポイント上抜けに失敗、三役逆転も再点灯テクニカルの地合い弱い
〇ファンダメンタルズも日米金融政策の方向性の違いがドル円の下落を連想させる
〇引き続き、ドル売り・円買いトレンドの継続をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:131.75ー133.25
海外時間のレビュー
3日(月)のドル円相場は高値圏から急反落。(1)アジア株の堅調推移(日経平均株価上昇→リスク選好の円売り圧力)や、(2)原油先物価格の急上昇(OPECおよびOPECプラスの7カ国が4/2に5月から年末までの追加減産をサプライズ表明)、(3)上記2を背景としたインフレ懸念の再浮上(ドル円・クロス円上昇)、(4)米金利上昇に伴うドル買い圧力が支援材料となり、アジア時間夕方にかけて、高値133.74まで急伸しました。
しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(5)米3月製造業PMI(結果49.2、予想49.3)の市場予想を下回る結果や、(6)米3月ISM製造業景況指数(結果46.3、予想47.5)の冴えない結果、(7)米金利低下に伴うドル売り再開が重石となり、米国時間にかけて、安値132.21まで急落しました。引けにかけて持ち直すも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間4/4午前5時30分時点)では、132.38前後で推移しております。尚、昨日発表された日銀短観は、大企業・製造業の業況判断DIがプラス1と5四半期連続で悪化し、2020年12月以来の低水準を記録しました。一方、非製造業DIはプラス20と4四半期連続で改善しました。また、2023年度通期の想定為替レートは131.72となっております。
3日(月)のユーロドル相場は堅調な値動き。(1)原油先物価格の急上昇や、(2)上記1を背景としたユーロ圏のインフレ懸念再燃(欧州債利回り上昇→ユーロ買い)、(3)株式市場の堅調推移、(4)オーストリア中銀ホルツマン総裁による「5月ECB理事会での50bp利上げの選択肢は残されている」とのタカ派的な発言、(5)ドイツ3月製造業PMI(結果44.7、予想44.4)の市場予想を上回る結果、(6)ユーロ圏3月製造業PMI(結果47.3、予想47.1)の市場予想を上回る結果、(7)米経済指標の冴えない結果、(8)米金利低下に伴うドル売り圧力が支援材料となり、米国時間にかけて、高値1.0917まで急伸しました。引けにかけて反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間4/4午前5時30分時点)では、1.0908前後で推移しております。
本日の見通し
ドル円はアジア時間に記録した133.74から132.21へと反落する動きとなりました。日足・ローソク足が主要レジスタンスポイント(一目均衡表転換線、一目均衡表雲上下限、90日移動平均線、21日移動平均線)の上抜けに失敗したことや、強い売りシグナルを示唆する三役逆転が再点灯したこと等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは弱い(上値余地は乏しい)と判断できます。また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)米FRBによる金融引き締め打ち止め観測(市場参加者は年内利下げ開始をも織り込む動き)や、(2)日銀による金融緩和の修正期待(植田総裁にとって最初の会合となる4/27ー4/28会合でサプライズ修正がなされるとの警戒感)、(3)上記1、2を背景とした日米金融政策の方向性の違い(円キャリートレード解消の思惑)など、ドル円相場の下落を連想させる材料が揃っています(世界的な金融システム不安が後退した為、今週は日米金融政策が市場のテーマ。よって、昨日のように米経済指標が下振れる局面では素直に米金利低下→米ドル売りの流れが強まる公算大)。
以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル売り・円買いトレンドの継続をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日は米2月製造業受注や、米2月耐久財受注、米2月JOLTS雇用動態調査などに注目が集まります。
本日の予想レンジ:131.75ー133.25
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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