ドル円、2月分の米経済指標が軒並み悪化したことで年初来高値圏から急反落(3/1朝)

28日(火)のドル円相場は上昇後に急反落。

ドル円、2月分の米経済指標が軒並み悪化したことで年初来高値圏から急反落(3/1朝)

ドル円、2月分の米経済指標が軒並み悪化したことで年初来高値圏から急反落

〇ドル円、新日銀幹部候補の緩和維持姿勢、米金利上昇に米国時間に一時136.93まで上昇
〇その後は相次いだ米指標の不冴えに安値135.76まで急落後136円台前半で推移
〇ユーロドル、仏、西の2月の物価指数の上昇に1.0645まで急伸するも反落、1.05台後半の推移
〇ドル円、テクニカルの地合い強く、ファンダメンタルズもドル買い円売りトレンドの継続材料揃う
〇引き続き、ドル円相場の上昇(一巡後の反発)をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:135.25ー136.75

海外時間のレビュー

28日(火)のドル円相場は上昇後に急反落。(1)氷見野日銀副総裁候補による「現在の金融政策は適切」とのハト派的な発言や、(2)内田日銀副総裁候補による「副作用あるから緩和見直すのでなく、いかに工夫こらして継続するかが課題」とのハト派的な発言、(3)上記1、2を背景とした円売り安心感、(4)米金利上昇に伴うドル買い圧力(米10年債利回りは昨年11/10以来の高水準となる3.98%へ急上昇)、(5)上記3、4を背景とした円キャリートレード再開の思惑、(6)テクニカル的な地合いの強さ(ローソク足が一目均衡表雲上限を突破したことで強い買いシグナルを示唆する三役好転が成立)が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、約2ヵ月ぶり高値となる136.93まで上昇しました。

しかし、心理的節目137.00をバックに伸び悩むと、(7)米2月シカゴ購買部協会景気指数(結果43.6、予想45.3)の市場予想を下回る結果や、(8)米2月コンファレンスボード消費者信頼感指数(結果102.9、予想108.5)の冴えない結果、(9)米2月リッチモンド連銀製造業景気指数(結果▲16、予想▲5)のネガティブサプライズ、(10)上記7、8、9を背景とした米長期金利の急低下(2月分の米経済指標が軒並み悪化→米10年債利回りが3.98%から3.92%へ急低下→米ドル売り)が重石となり、米国時間午後にかけて、安値135.76まで急落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間3/1午前5時10分現在)では136.10前後で推移しております。

28日(火)のユーロドル相場は上昇後に急反落。(1)フランス2月消費者物価指数が前年比+7.2%と過去最高水準を更新したことや、(2)スペイン2月消費者物価コア指数が前年比+7.7%と過去最高水準を更新したこと、(3)上記1、2を背景としたECBによる金融引き締め長期化の思惑(欧州債利回り上昇)、(4)米経済指標の冴えない結果(注目された2月分の米経済指標が軒並み悪化)、(5)上記4を背景とした米長期金利の急低下が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、高値1.0645まで急伸しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(6)月末ロンドンフィキシングに絡むユーロ売りフローが重石となり、米国時間午後にかけて、安値1.0581まで急落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間3/1午前5時10分現在)では、1.0585前後で推移しております。

本日の見通し

ドル円は年初来高値(136.93)更新後に急落する展開となりました(注目された2月分の米経済指標が軒並み悪化したことで一時135.76まで下げ足を速める展開)。但し、ダウンサイドに複数のサポートポイント(明確な押し目買いポイント)が並んでいることや、強い買いシグナルを示唆する一目均衡表三役好転が成立したこと、ダウ理論の上昇トレンド開始が意識されていること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは強いと判断できます(昨日の急落は上昇トレンドの過程で見られる一時的なポジション調整)。また、ファンダメンタルズ的に見ても、米FRBによる金融引き締め再加速の思惑(ターミナルレート引き上げ観測)や、日銀による金融緩和の継続観測(植田氏、氷見野氏、内田氏の所信聴取を踏まえ、早期政策修正期待が後退)、日米名目金利差拡大とそれに伴う円キャリートレードの再開期待など、ドル買い・円売りトレンドの継続を連想させる材料が揃っています。以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円相場の上昇(一巡後の反発)をメインシナリオとして予想いたします。

尚、本日は米2月製造業PMI(23:45)および、米2月ISM製造業景況指数(24:00)に注目が集まります。昨日は2月分の米経済指標(米2月シカゴ購買部協会景気指数、米2月リッチモンド連銀製造業指数、米2月コンファレンスボード消費者信頼感指数)が軒並み悪化したことで、リッチモンド連銀バーキン総裁が2/17に述べた通りのシナリオ(予想外に強かった1月米雇用統計と好調な1月小売売上高は季節要因の影響を受けた可能性あり)が到来するのでは無いかとの思惑が浮上し、「1月分の米経済指標はただの季節要因で実態は強くない→米FRBによる金融引き締め再加速観測後退→米金利低下→米ドル売り」の波及経路に繋がりました。本日発表される米2月製造業PMIおよび米2月ISM製造業景況指数が市場予想を下回る場合には、こうした見方が一段と強まる恐れもあるため、海外時間帯は念の為、ダウンサイドリスクにも注意が必要と考えられます(上昇トレンド継続をメインシナリオに据えつつも、本日発表される2月分の米経済指標がネガティブサプライズを記録する場合は、下落トレンド再転換の可能性も視野に入れる必要性あり)。

本日の予想レンジ:135.25ー136.75

ドル円、2月分の米経済指標が軒並み悪化したことで年初来高値圏から急反落

ドル円日足






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