ドル円、一時114円丁度を割り込むもすぐに反発。下値の堅さを再確認
〇ドル円、欧州朝方に113.89まで下落するも114.40まで反発、米金利上昇、株価の堅調等がサポート
〇ユーロドル、独緊急事態終了見通し、株価堅調等に1.1670まで上昇後、米金利上昇等で1.1630まで反落
〇ドル円、113円台の滞空時間短く、下値の堅さ再確認
〇テクニカル、ファンダメンタルズともにドル円続伸期待材料増える
〇ドル円相場の上昇をメインシナリオとして予想、目先は2017/11/6高値114.74を試す展開か
〇本日の予想レンジ:114.00ー114.80
海外時間のレビュー
19日(火)のドル円相場は下落後に持ち直す展開。@北朝鮮による弾道ミサイルの発射(リスク回避の円買い)や、A米金利低下を背景としたドル売り圧力が重石となり、欧州時間朝方にかけて、安値113.89まで下落しました。しかし、114.00アンダーに控える強力な押し目買い圧力に続落を阻まれると、B米金利の反転上昇(ドル売り圧力の後退→ドル高再開)や、C原油先物価格の一段高(スタグフレーション懸念)、D株式市場の堅調推移(リスク選好の円売り圧力→クロス円上昇→ドル円連れ高)、EウォラーFRB理事によるタカ派的な発言(インフレが2022年にかけて2%を大幅に上回る場合は早期利上げを支持)が支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値114.40まで反発しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間10/20午前6時30分現在)では、114.36前後で推移しております。尚、米9月住宅着工件数、同建設許可件数は共に冴えない結果となりましたが、市場の反応は限定的となりました。
19日(火)のユーロドル相場は上昇後に反落。@スパーン独保険相による「11/25に緊急事態を終了することに賛成」との前日の発言(ドイツ経済の回復期待)や、A米金利低下に伴うドル売り圧力、B株式市場の堅調推移(リスク選好のドル売り圧力)、C短期筋のショートカバーが支援材料となり、欧州時間朝方にかけて、高値1.1670まで上昇しました。しかし、一目均衡表基準線をバックに伸び悩むと、Dユーロ圏8月建設支出の冴えない結果(結果▲1.3%、前回0.1%)や、Eフランス中銀ビルロワドガロー総裁による「ユーロ圏のインフレ率は来年末までに2%を下回る見通し」「ECBが来年末までに利上げを実施する理由はない」とのハト派的な発言、 F米長期金利の反転上昇(ドル高再開)が重石となり、米国時間にかけて、安値1.1630まで反落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間10/20午前6時30分現在)では、1.1633前後で推移しております。
本日の見通し
ドル円は一時114円丁度の大台を割り込むも、すぐに反発する力強い動きを見せました。下値の堅さを再確認できたことで、更なるドル高・円安に期待が集まります。強い買いシグナルを示唆する三役好転や移動平均線のパーフェクトオーダーに加えて、日米金融政策の方向性の違いに着目したドル買い・円売りや、資源価格高騰に端を発したインフレ圧力(米ドル回帰)、過剰流動性相場逆流リスク後退に伴うリスク選好の円売り圧力(米金利先高観が強まっても株式市場が底堅さを維持→リスク選好ムード再開)など、テクニカル面、ファンダメンタルズ面共に、ドル円相場の続伸を期待させる材料が増えつつあります。以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円相場の上昇をメインシナリオとして予想いたします(目先は、2017/11/6に記録した高値114.74を試す展開を想定)。
尚、本日は、米地区連銀経済報告(ベージュブック)や、米当局者発言(シカゴ連銀エバンス総裁、アトランタ連銀ボスティック総裁、セントルイス連銀ブラード総裁、ミネアポリス連銀カシュカリ総裁)、米企業決算に注目が集まる他、パウエルFRB議長の去就に関するヘッドライン(ダウ平均株価が急落する直前の昨年10/11に500 万ドル相当の投資信託を売却したことが明らかとなったことで、パウエル氏の再任が一段と危うくなっている)や、米財務省による半期に一度の為替報告書(例年10月中旬頃に提出)に注目が集まります。結果次第で乱高下する恐れもある為、予想外の値幅拡大に注意が必要でしょう。
本日の予想レンジ:114.00ー114.80
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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