ドル円、上値の重い展開が継続。心理的節目110円丁度の大台を回復できず
〇ドル円109.94まで上昇するも110円に届かず反落、109円台後半で推移
〇FOMC議事要旨でサプライズなし、早期テーパリング観測後退
〇ユーロドル200日線突破で一時1.1915まで急伸後伸び悩み1.1870近辺に反落
〇ドル円上値の重さ確認し短期的なダウンサイドリスク警戒
〇ファンダメンタルズもドル円下落材料が増加
〇短期的ドル安円高がメインシナリオ
〇本日の予想レンジ:109.40ー110.20
海外時間のレビュー
7日(水)の外国為替市場でドル円は上値の重い展開。欧州時間朝方にかけて、日通し高値109.94まで上値を伸ばすも、心理的節目110.00をバックに伸び悩むと、@上値の重さを嫌気した見切り売りや、A米長期金利の低下を受けたドル売り圧力(米10年債利回りは3/30に記録した1.776%をトップに昨日は一時1.631%まで低下)、Bシカゴ連銀エバンズ総裁によるハト派的な発言(当面緩和的な金融政策を維持する必要がある。テーパリングに関する議論は時期尚早)が重石となり、米国時間にかけて、一時109.60まで下落しました(アジア時間朝方に記録した日通し安値109.58には一歩届かず)。もっとも、売り一巡後は米長期金利の上昇(米10年債利回りは1.672%へ上昇)を横目に持ち直し、本稿執筆時点(日本時間5時40分現在)では、109.80近辺で推移しております。尚、昨日発表された米FOMC議事要旨(3/16ー3/17開催分)にサプライズは見られず、テーパリング開始条件を満たすには暫く時間がかかるとの見解が示されました(早期テーパリング観測は幾分後退)。
7日(火)の外国為替市場でユーロドルは上昇後に反落。@米長期金利の低下を受けたドル売り圧力や、A短期筋のショートカバー(200日移動平均線を一時突破→短期筋のストップBUYを誘発)、B欧州圏サービス業PMIの良好な結果、Cオランダ中銀クノット総裁による「パンデミック緊急プログラムを7ー9月期から段階的に縮小することが可能」との発言が支援材料となり、米国時間にかけて、3/23以来、約2週間ぶり高値となる1.1915まで急伸しました。もっとも、買い一巡後は米長期金利の上昇を背景に伸び悩み、本稿執筆時点(日本時間5時40分現在)では、1.1870近辺まで反落する動きとなっております。
本日の見通し
ドル円は一時109.58まで下落するなど、上値の重い展開が続いております。1日を通して心理的節目110.00を回復できなかったこと、一目均衡表転換線の下側でクローズしたこと等を踏まえると、テクニカル的に見て、短期的なダウンサイドリスクが警戒されます(※但し、3/23に記録した安値108.40を下回らない限り、中長期的なドル高・円安トレンドは不変)。ファンダメンタルズ的に見ても、これまでドル高を支えてきた米早期テーパリング観測が後退しつつあること(強い米経済指標が出ても米長期金利の反応が鈍い)、過度に偏ったポジションのアンワインドが警戒されていること(4/2に発表された3/30時点のIMM通貨先物で円ショートが急拡大)、
新型コロナウイルスの感染再拡大がグローバルに警戒されていること等、ドル円相場の一時的な下落を想起させる材料が増えつつあります。以上を踏まえ、当方では短期的なドル安・円高をメインシナリオとして予想いたします(本日は、21時30分に発表される米新規失業保険申請件数と、1時00に予定されているパウエルFRB議長発言に注目。雇用指標が冴えない結果となったり、パウエル議長よりテーパリングは時期尚早との発言が確認されれば、米長期金利低下→ドル売りの流れが再開する恐れあり)。
本日の予想レンジ:109.40ー110.20
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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