豪ドル/円、84円越えトライに失敗。短期トレンドに変化の兆し。
12/5に発表されたオーストラリアの7-9月期GDPは市場予想を大きく下回る前期比+0.3%(予想:+0.6%)、前年比で+2.8%(同+3.3%)に留まりました。為替市場はこれを受けてこの日の朝方の83.00近辺を高値として下げ幅がやや拡大しています。また、本日(12/6)に発表された小売売上高は市場予想と変わらず前月比+0.3%と好調さを維持していますが、好材料にも反応が鈍く、豪ドルは対ドル、対円で続落しています。米金利が低下傾向にあり、経済の先行きに不透明感が強まり始めたこと、テクニカル面でも上値抵抗ポイントである0.7400、84.00の壁にぶつかった格好となったことから、この反動による影響が強く出た状態です。豪州中銀は引き続き現在の政策金利を維持することを決定、豪州経済の先行きに自信を示していますが、労働賃金の伸び悩みが好調な消費行動を抑える可能性には懸念を示しています。
チャートを見ると、日足は3手連続陰線引けとなり12/3に付けた84.02を直近高値として上値を切り下げています。また、12/5の陰線が10/26に付けた78.57を起点として下値を切り上げて来た流れから若干下抜けた位置で終えており、日足の形状が悪化して短期トレンドが変化し始めています。日足の上値抵抗は82.10-20、82.50-60、83.00-10に、下値抵抗は81.50-60にありますが、これを割り込んで終えた場合は一段の下落リスクが生じます。21日移動平均線は82.39にあり、下値リスクが点灯中です。また、120日、200日線は81.41と81.89に位置しており、現状はこれを守っていますが、80円割れで終えた場合は中期トレンドも変化します。
一方直近の週足は陽線で切り返して越週しましたが、今週初の早朝に米中貿易の摩擦緩和に対する期待で上寄り後は反落しており、週足が陰線引けとなる可能性が高くなっています。82円割れで越週した場合は短期トレンドが変化して一段の下落リスクが点灯します。今週の週足ベースで見た上値抵抗は、84.00-10に、下値抵抗は81.30-40、80.00-10にあります。31週、62週移動平均線は81.69と83.49にあり、値動きの中で両者を下抜けており、下値リスクが点灯中です。また、11月足も陽線引けとなりましたが、31ヶ月移動平均線が83.24に位置しており、これをしっかり上抜けて越月するまでは下値リスクを残した状態です。
豪ドル/円【週足】:(12/5現在31週移動平均線は81.69にあり下抜け始めている。62週線も83.49にありこれにぶつかった状態にある。)
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