豪中銀金融政策と経済・物価見通し
先週金曜日(5月4日)、中銀から四半期金融経済報告の公表がありました。
四半期概観要旨を箇条書きにします。
(要旨)
1、 豪州のGDPは前回見通し(2017年11月時)からほとんど変わらず、2018年末には3%を越える成長を予想。(下表ご参照)
2、 この成長は生産余力を引き続き吸収していくことで達成可能であることを含んでいる。
3、 企業活動は非常にポジティブであり、前回は幾分弱いと見込んでいた鉱山関連や小売を含め全産業で平均以上である。
4、 上場企業やその他の企業部門の収益は2017年より増加を予想している。
5、 非鉱山関連の企業投資は過去1年で12.5%伸びた。継続中の新規公共投資は幾つかの企業活動の伸びを引き上げている。
6、 現在投資の伸びは建設業、とりわけオフィス建設が先導している。
7、 例えば、機械や設備投資の様な伸びも過去よりは上昇すると予想されている。
8、 鉱山関連投資は、予想より早く、昨年よりは若干上昇している。ただLNGプロジェクトが完成したので、先行きは下降するかもしれない。
9、 鉱山関連投資の谷は中銀の以前見通しよりは若干遅れて2018年末か2019年初になると予想している。
10、住宅建設投資は依然高水準を維持している。しかし、全般的な経済成長に与える影響は少なくなっている。居住用建設許可件数は2016年のピーク水準からは幾分下がっているが、依然高水準。
11、家計消費の伸びは2017年初以降上昇した。但し、前回レポートより更に収入の伸びの弱さが続いている。
12、消費者センチメントは平均以上であるが、急速な雇用改善にも関わらず、家計収入は弱い。
13、この弱い所得の伸びが暫くの間、消費動向に関するリスクとなっている。
14、雇用は強く、関連の先行指標見ても今後も改善傾向が予想される。労働市場の引き締まりにより、徐々に賃金の伸びが上がると予想される。
インフレは依然低い。今後数年間では徐々に上昇すると予想される。
16、中銀のCPIインフレ見通しは2018年と2019年で2%を若干越える水準になると予想している。
17、全般的に、豪州経済は中銀が見通している様に、幅広い分野で進展している。
18、現状の緩和基調の金融政策が成長を支えている。
19、もし経済が予想通りの伸びを示していけば、より高い金利がある時点で適切になると思われる。
20、とはいえ、委員会はキャッシュレートを近々調整する強い状況になるとは想定していない。
(以上)
(注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。
(中銀のGDPとインフレ見通し):インフレを若干上方に修正しています。
(2017年11月時点:半年前)
(出所:豪州中銀四半期報告)
(2017年11月10日14:30、1豪ドル=0.7682米ドル ⇒2018年5月8日、0.7499米ドル)
オーダー/ポジション状況
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