90円水準で反発一服、豪中経済指標を見極める地合いか
【今週のNZドル】
今週のNZドルは、20日に発表された7月貿易収支が大幅な赤字となったが目立った売買は観測されず、様子見姿勢の強い地合い。豪ドル同様、反発一服となり90円手前でのもみ合いとなった。
ニュージーランド統計局が、20日に発表した7月の貿易収支は、季節調整済みで7億7000万NZドルの赤字となった。赤字幅は前月改定値から3億9100万NZドル拡大した。輸出は前月比2.4%増の59億0500万NZドルで、おもに乳製品、果物などが伸びた。一方、輸入は同8.6%増の66億7500万NZドルで原油や電子機器は増えたが、自動車は減少した。
発表後のNZドルは90円台まで買われる場面も見られたが、買い一巡後は値を消す展開となった。米ジャクソンホール会合でのパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長による講演を見極めたいとするムードが強く、ドルなど主要通貨はそろって方向感に欠ける展開に。相対的に豪ドルよりしっかりとした動きは見られたが、対円では反発一服となった。
NZドル・円(東京時間:8月19日―8月23日(終値は9時台終値を参照))
※Investing.comの日足を参照
始値:89円11銭
高値:90円25銭
安値:88円24銭
終値:89円78銭
【今週と来週の重要指標】※時間は東京時間
8月20日
7時45分、7月貿易収支、前回:5.85億NZドル、結果:−9.63億NZドル
8月23日
7時45分、第2四半期小売売上高(前期比)、前回:0.4%、市場予想:−0.8%、結果:−1.2%
8月29日
10時00分、8月ANZ企業信頼感、前回:27.1
8月30日
7時45分、7月住宅建設許可、前回:−13.8%
※予定は変更することがございます。
【今週末から来週の見通し】
今週末から来週のNZドルは、反発基調が再度強まる地合いを期待したいところだが、ニュージーランド準備銀行(RBNZ)がハト派方針を示していることが重しとなり、戻りは鈍くなりそうだ。
今週は目立った経済指標の発表が予定されていないことから、経済的なつながりの強いオーストラリアや中国の経済指標に注目が集まろう。オーストラリアは28日に7月消費者物価指数(CPI)、30日に小売売上高、中国は31日にPMI発表をそれぞれ控えており、NZドルの売買材料となりそうだ。とりわけ28日の7月CPIの結果次第でオーストラリアの早期利下げ観測に大きな影響を与えることから関心を高めておきたいところ。
日足の一目均衡表では、8月5日に長い下影(下ヒゲ)を残した後は反発を強め、20日移動平均線も上回っていたが、90円水準で反発は一服している。売り圧力が強まっている状況ではないが、基準線及び転換線、20日移動平均線が密集している89円水準でのもみ合いとなりそうだ。この水準は、7月8日の史上最高値99.21円から8月5日の83.07円の下げ幅16.14円の38.2%戻し(89.23円)でもあることから、89円水準での値固めを試したいところ。
NZドル円日足
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