東京市場のドルは147円台半ば、中銀イベント控え上値重いか?
【本日の東京市場】
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、植田日銀総裁と市場解釈にはギャップがあるとのニュースが流れたタイミングで買われる場面も見られたが、影響は限定的。ドルは147円台半ばで取引を終えた。
昨晩の海外時間では、8月の生産者物価指数(PPI)が市場予想を上回ったほか、8月の小売売上高も堅調だったことから、米連邦準備制度理事会(FRB)による追加の利上げ実施気運が高まり、ドルは147円台半ばでしっかりとした動きとなった。なお、注目された欧州中央銀行(ECB)理事会は、0.25%の利上げを実施したものの、市場コンセンサス通りだったことと、今後の利上げ実施に伴う経済失速などが懸念されてユーロは売られた。
東京時間では、株式市場で日経平均が大幅続伸となったものの、ドルは様子見姿勢が強く、147円台半ばでの小動きが続いた。午後に「先週末報じられた植田日銀総裁の発言と市場解釈にはギャップがある」とのニュースがヘッドラインで流れると、瞬間的に147円69銭まで買われたが、買いは続かなかった。
ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:147円46銭
高値:147円69銭
安値:147円34銭
終値:147円39銭
ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:156円94銭
高値:157円30銭
安値:156円72銭
終値:157円08銭
豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:94円90銭
高値:95円55銭
安値:94円81銭
終値:95円31銭
ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:182円98銭
高値:183円50銭
安値:182円78銭
終値:183円19銭
日経平均(日本時間9時―15時)
始値:33428円44銭
高値:33634円31銭
安値:33391円46銭
終値:33533円09銭(前日比+364円99銭)
【本日の海外市場の重要指標】日本時間
18時45分、欧、ラガルドECB総裁の記者会見
21時30分、米、NY連銀製造業景気指数、前回:−19.0、市場予想:−10.5
22時15分、米、鉱工業生産指数(前月比)、前回:1.0%、市場予想:0.2%
22時15分、米、設備稼働率、前回:79.3%、市場予想:79.4%
23時00分、米、ミシガン大学消費者信頼感指数、前回:69.5、市場予想:69.3
※予定は変更することがございます。
【テクニカル分析】
日足ベースのドル・円は、一目均衡表の雲上限を上放れているほか、遅行スパンも実線を上回っていることから目先のトレンドは強い。11日に20日移動平均線(MA)を一時下回ったが、即日で値を戻していることから強いトレンドは継続と考える。短期的なターゲットとして、年初来高値(9月7日、8日の147円88銭)を上抜き、150円台到達が意識されよう。
昨晩のECB理事会は、市場想定通りの0.25%利上げという結果となった。10会合連続の利上げで、政策金利は過去最高の4.5%に達した。発表後の記者会見で、ラガルドECB総裁が「一部メンバーが金利据え置きを支持したこと」「成長見通しを下方修正」したことなどから、「利上げサイクル終了」と「ユーロ域内経済の成長見通しに対する懸念」が意識されてユーロは売り優勢となった。
今回のECB理事会の結果は、元々「予測不能」な状況ではあったが、想定以上に「高い金利継続に伴うユーロ圏経済の成長鈍化」が意識されたと考える。それだけ、資源価格の高騰が与えるインフレ継続が欧州経済の大きな足かせとなるのだろう。これまでのような「金利引き上げ通貨を買う」という単純なロジックで、為替市場を見てはいけない状況にきているようだ。
この考えは、来週19日-20日(政策金利発表は日本時間21日未明)の米連邦公開市場委員会(FOMC)にも当てはまるだろう。FOMCは年内一回の利上げ余地を残しているとの観測だが、今回は金利据え置きがコンセンサスである。政策金利発表後のパウエルFRB議長の対話力が試されそうだ。
利上げが与える米国経済への影響を意識する動きが強まりつつあるなか、来週は日銀金融政策決定会合(21日-22日)も控えていることから、来週半ばにかけてドルは積極的には動きにくい。米10年債利回りを睨みながらの展開だがドルの上値は重そうだ。
今晩の海外時間では、時間外で米10年債利回りが拡大していることから、一時的にドルが年初来高値(147円88銭)をとらえるような場面も見られるかもしれないが、基本上値は重いと想定。上値メドは148円00銭、下値メドは東京時間の安値を少し下回る147円10銭とする。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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