ドル円、パウエルFRB議長の慎重な姿勢や冴えない米経済指標を受けて続落
〇ドル円7/20以来の安値圏109.43まで下落
〇FOMCのややハト派寄りの結果や経済指標の不冴えを受け上値重く推移、短期筋の見切り売りも重石
〇ユーロドルリスク選好のドル売り圧力などで7/6以来3週間ぶり高値となる1.1893まで急伸
〇ドル円テクニカルにも上値の重さ印象付けるチャート形状
〇ドル円本日発表の米経済指標の結果いかんで一段と下落の恐れありダウンサイドリスクに注意
〇本日の予想レンジ:109.10ー109.90
海外時間のレビュー
29日(木)のドル円相場は上値重く推移。@日本時間早朝に発表された米FOMCがややハト派寄りの結果となったこと(パウエルFRB議長が慎重な姿勢を崩さなかったことで、一部で織り込まれていた8/26ー8/28に開催されるジャクソンホールでのテーパリング宣言の可能性が後退)や、A米4ー6月期GDP速報値(結果6.5%、予想8.5%)が市場予想を大幅に下回ったこと、B米新規失業保険申請件数(結果40.0万件、予想38.0万件)が予想外に悪化したこと、C上値の重さを嫌気した短期筋の見切り売りが重石となり、米国時間午後にかけて、安値109.43(7/20以来の安値圏)まで下落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間午前5時50分現在)では109.45近辺で推移しております。
29日(木)のユーロドル相場は大幅続伸。@ユーロ圏7月経済信頼感指数(結果119.0、予想118.5)の良好な結果や、Aドイツ7月消費者物価指数(結果0.9%、予想0.5%)の急上昇、B米経済指標の冴えない結果(米4ー6月期GDP速報値や米新規失業保険申請件数)、C欧米株の堅調推移を背景としたリスク選好のドル売り圧力が支援材料となり、米国時間午後にかけて、7/6以来、約3週間ぶり高値となる1.1893まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間午前5時50分現在)では、1.1886前後で推移しております。
本日の見通し
ドル円は7/23に記録した直近高値110.60をトップに反落に転じると、昨日は一時109.43まで下落しました。この間、一目均衡表基準線や転換線、雲上限や90日移動平均線を下抜けするなど、テクニカル的に見て、上値の重さを印象付けるチャート形状となりつつあります(109.30前後に位置する一目均衡表雲下限を下抜けた場合、強い売りシグナルを示唆する三役逆転が点灯する恐れも)。
こうした中、本日はFRBが重要視する米6月PCEコアデフレータや、米7月シカゴ購買部協会景気指数、米7月ミシガン大消費者信頼感指数に注目が集まります。市場予想を下回る結果となった場合には、ドル円が一段と下落する恐れもある為、本日はややダウンサイドリスクに注意が必要でしょう。尚、本日は月末となるため、日本時間9時55分に予定されている本邦公表相場(月末5・10日)や、日本時間24時00分のロンドンフィキシングに絡む月末特有の需給にも注意が必要となります。
本日の予想レンジ:109.10ー109.90
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
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