FXのリスク

FXにはメリットがいっぱいですが、もちろんリスクもあります。ここではFXをはじめる際に考えなければならない様々なリスクについて考えて見ましょう。

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FXのリスク

@ FXの為替変動リスク

最も認識しやすいリスクです。為替が予想と反対の方向に動いた場合、FXの取引では損失が発生します。例えばドルが上がると思ってドルを買ったのに予想とは反対にドルが下がってしまった場合や、トルコリラが安定的だと思ってスワップを狙ってトルコリラ買いをしたのに、受取ったスワップ以上にトルコリラの下落で損失が発生した場合などです。

→ FXの為替変動リスクの対応法は?

FXは為替の変動リスクを取って差益を狙うのが基本の取引ですので基本的にはリスクを消すことはできません。ただし、コントロール可能な計算されたリスク(カリキュレーティッドリスク)の中で

取引を行うことでリスクを限定するための仕組みはFXでは整っています。
FXでは証拠金が少なくなってきたときにマージンコールや強制ロスカットの仕組みで一定以上の損失が生じない仕組みが整っています。ただし、流動性の低い通貨の場合やメジャーな通貨でも相場に想像もしないようなショックが生じた場合などにはまれに市場のレートが消え次のプライスが不連続なものとなることにより当初預け入れた金額以上の損失が瞬時に発生する可能性はゼロではありませんので、過信は禁物です。
預け入れた証拠金に対して過剰なポジションを取らないよう、レバレッジを自分のリスクに見合った適正なものに抑えることが大事です。

また、FXの舞台である為替市場は基本的には24時間眠らない市場です。かといって人間は不眠不休で24時間相場を見ているわけには行きません。
為替リスクをコントロールするためにはFXの取引ツールに必ずついている指値など各種の注文システムを活用して、損切りや利食いのポイントをあらかじめ設定し、相場が動いて設定水準に達したときには行使されるように発注しておくことができます。
この方法を使えば、ロスカットをされる前に相場が好転したときに利益を確定させたり、損が少ないうちに決済して自分の許容範囲に収めたりすることができます。

AFXの金利変動リスク

金利の変動は為替の変動に比べると一般的に緩やかなものです。しかし、一国の金利の水準が政策変更等によって変化することはその国の経済すべてに影響を及ぼす長期的で大きなインパクトをもたらします。FXも直接間接に金利変動のリスクにさらされています。

1)FXへの直接的な影響としてはスワップの水準の変化が挙げられます。
FXの取引をすると前記のとおり必ず金利差相当分のスワップポイントの受取りや支払いが日々発生します。この水準は各国の市場金利の水準により厳密には日々刻々と変化しています。

そのため長期間ポジションを放置すると為替の水準が不利に動いていなくとも、受取るはずの金利差が期待より少なくなっていたり、あるいは逆に受取っていると思っていたスワップが支払いに転じていたりします。

→FXの直接的金利変動リスクへの対応法は?
FX会社はどこも通貨ペア別のスワップポイントを日々ホームページ上に掲載していますので、時々は自分の持っているポジションのスワップポイントの水準を確認しましょう。


2)FXへの間接的な影響としては金利変動による為替相場への影響が上げられます。
為替市場と金利市場の関係は密接です。一般的には新たに金利が上昇するという見通しが立ったとき、その国の通貨は上昇します。
そのため予想外の政策金利の変更などがあった場合には為替相場そのものが急激に変動しFXのポジションの価値を大きく変動させることがあります。


→FXの間接的金利変動リスクへの対応法は?
各国の中央銀行の政策決定会合の情報を「FX羅針盤」での情報などを元に事前に入手して自分のポジションへの影響を考えましょう。リスクが大きいと判断がされるときには一時的に取引をやめることも検討しましょう。

BFXの流動性リスク

「FXのメリット」のところで「FXの舞台である為替市場は透明で流動性が高い」と説明しましたが、エマージング通貨や国際性のない通貨もFXでは取引可能です。これらの通貨は時として市場自体が機能しなくなりFXの取引ができなくなる恐れがあります。
 特に急激な政変や、近年では国家財政が破綻するなどのケースでこのような事態が実際に起こったことがあります。
 このような場合一時的にレートが立たずに取引ができなくなるばかりでなく、市場が再開されても売買幅が大きく開いたり、市場閉鎖前と全く異なる水準で取引が再開されたりして証拠金を上回る大きな損失を蒙る場合や、取引自体が中止となりすべてのポジションが強制決済されたりするリスクがあります。このようなリスクのことを流動性リスクと呼びます。

→FXの流動性リスクへの対応法は?
 
FXで流動性リスクを回避する方法はまずなんと言っても流動性の低い通貨を取引しないことです。
 流動性の豊富な主要通貨、例えば米ドル、ユーロ、円などを取引していればこのようなケースに遭遇することは皆無とは言いませんが稀です。しかし高金利通貨との金利差を狙う場合には高金利通貨には流動性の低い通貨をする選択する場合もあるかもしれません。

そのような場合には売買する通貨の金額を抑制してあまり大きなレバレッジをかけないように注意すること、当該国のニュースに気をつけて異常がある場合には躊躇なくポジションを決済すること等がリスクを軽減する方法です。「FX羅針盤」は日本で好んで取引されているにもかかわらず情報の少ないA$(オーストラリアドル)、N$(ニュージーランドドル)、TRY(トルコリラ)、ZAR(南アフリカランド)などの取引情報を提供することもひとつの目的としています。是非参考にしてみてください。

CFXのシステムリスク、ネットワークリスク、機器リスク

 FXを行うにはFX会社を決めてそこに口座を開いて取引をする必要がありますが、 しかし、FX会社も時にはサーバーの故障や過負荷により、レートが表示されなくなったり、システム自体がとまってしまうリスクがあります。
 また、取引はインターネットを通じて行われるために、取引をするあなたの機器がインターネットに接続できなかったり、PCが壊れて起動しなくなったりしてもFXの取引はできなくなります。
→FXのシステムリスク、ネットワークリスク、機器リスクへの対応方法は?

 これらのリスクに備える方法はすべての経路にバックアップを確保することです。
 特に取引をするFX会社はどんなに信用のある会社でもシステムダウンのリスクは必ずありますし、たいがいの会社の取引約款にはそのような場合に顧客が損失を蒙ってもFX会社側が損害賠償を免れることが明記された免責事項が入っています。
 

 このような場合でも市場は決して止まって待っていてはくれませんので、接続が復旧したときには相場が動いて思わぬ損失を蒙るリスクがあります。これをFXのシステムリスク、ネットワークリスク、機器リスクなどと呼びます。

これらのリスクを回避されるため最低でも2-3社のFX会社に口座を開いて証拠金を預けておいて、ひとつの会社が仮に取引不能に陥っても、別の会社で反対売買ができるようにしておきましょう。そうすれば、ひとつの会社のシステムがダウンしていてもその会社で持っている取引の反対取引を別の会社で行うことにより、その間に急激な相場変動があっても別の会社での取引で利益の確定や損失の拡大防止の対策をとることができます。
 

もちろんそのままではどちらの会社の取引も決済されませんが、市場の動きに対しては中和することができますので、システムが回復した後で同時にそれぞれ反対取引を行えばよいのです。
 ここで注意しなければならないのは、複数の会社を選ぶ際にカバー先の異なるFX会社を選ぶことです。FX会社の中には会社は別でも大元で同じ会社のシステムを使用している場合があります。このような場合にはいくら複数の会社に口座を開いていても同時にシステムダウンする可能性があり、リスク分散になりません。
 

FXを提供する金融機関は自らが顧客の取引の反対売買をどこで行っているか必ず表示することになっていますので、よく確認の上口座開設しましょう。
 また、個人の機器も複数のアクセス手段を確保しましょう、自宅のパソコン以外にもモバイルパソコンや最近はほとんどのFX会社ではスマートフォン用のアプリなども用意していますから機器と接続方法の複数化はそれほど難しくないと思います。

DFXの信用リスク

 規制が強化された現在では少なくなりましたが、以前はFX会社の中に顧客からの預かり証拠金を使い込んだり、自らが為替リスクを取って損失が拡大して倒産したりする悪質な業者が散見された時期がありました。
 FXはFXを提供する会社にとっても競争の激しい世界です。もちろん自己資本規制比率等の縛りが課され、預かり金の信託保全義務付けられ、金融庁の検査が定期的に入るなど以前に比べればFXを提供する会社の信用も格段に改善されています。

 しかし、業者の倒産リスクが完全に無くなった訳ではありませんし、その場合仮に資金自体は返還されたとしても、時間がかかったり不本意なタイミングで取引を中止しなければならなくなったりといった不利益を蒙る可能性があります。

→DFXの信用リスクへの対応方法は?

 これは信用できる会社を選ぶしかありません。幸い現在FXを日本で提供する会社は、定期的に自己資本規制比率等の経営指標をホームページで開示することが義務付けられています。会社を選ぶ前にはできるだけ多くの情報を確認しましょう。最近その会社が赤字を出していないかは重要ですし、自己資本規制比率はできれば300%は欲しいところです。





※「FX羅針盤」のを運営する株式会社カカクコムのメインサイト「価格.com」にも羅針盤でオセアニア通貨をご担当されている川合美智子先生の執筆された入門ガイド「FXとは?」が掲載されています。あわせてご参照ください!


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