チャート分析の基本(一目均衡表)

ここではチャート分析の基本的で代表的な手法のひとつである一目均衡表について学びましょう。

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チャート分析の基本(一目均衡表)

1.一目均衡表とは

一目均衡表は昭和初期に日本人細田悟一氏によって主として株式の分析手法として考案されたものです。氏のペンネーム「一目山人」にちなみ、一目均衡表と現在では呼ばれており、広く世界中で為替・商品などの市場性商品の分析に用いられています。

一目均衡表の特徴はなんといってもチャートの未来の部分に先行スパンと呼ばれる線が引かれていることです。これにより、チャート分析の基本である過去の分析に加え未来の予測部分も視覚的に捕らえることが可能となり、時間の概念と相場の流れを理解しやすいという特徴があります。

2、一目均衡表の構成要素

一目均衡表はローソク足のチャートを基本としこれに「転換線」「基準線」「先行スパン1」「先行スパン2」「遅行スパン」の5本の線を加えることにより成り立っています。

「ローソク足」
 ローソク足自体が日本で発明され世界で使用されている代表的な罫線です。始値 高値 安値 終値の4つの要素を一本のローソクのようなかたちで表現します。

「転換線」
過去9日間の終値の最高値と最安値を足して2で割ったものです。
その勾配を最も短期のトレンドとして使用します。

「基準線」
 過去26日の終値の最高値と最安値を足して2で割ったものです。
 転換線よりは長い中期のトレンドを見る際に使用します。押し目買いや戻り売りの限界点として使用されることもあります。

「先行スパン1」
「転換線」と「基準線」の数値を足して2で割ったものを26日先に描画します。

「先行スパン2」
過去52日間の最高値と最安値を足して2で割ったものを26日先に描画します。

「遅行スパン」
終値を26日前に描画したものです。

一目均衡表は「最高値と最安値を足して2で割る」数値が多用されていますが、これは半値戻しのポイントを重視していることを表しています。
例えば、一番短い「転換線」を現在の値が横切ることは9日間の最高値からの売りまたは最安値からの買いがちょうど半値戻しのポイントに接近することを示しています。
同じように基準線はより長い26日間の半値戻しのポイント、先行スパン2は「過去52日間の半値戻しがこれから26日間で起きた場合」を想定したポイントをそれぞれ指し示しています。

3.一目均衡表の使い方

@ 「雲」

一目均衡表の最も代表的な使われ方は先行スパン1と先行スパン2の間の「雲」といわれる部分を現在地が横切った場合に上抜ければ強い買いサイン、下抜ければ強い売りサインというものです。
最後に横切る線が「先行スパン2」ですので52日間の半値戻しポイントを突き抜けたという意味で最終防衛ラインを突破した位の意味合いがあるとされます。
ただし、相場がもみ合いの場合には頻繁に雲のつき抜けは発生する可能性がありますので必ずしもサインとはならない点に注意が必要です。

A 「転換線」と「基準線」

この日本の線がもともとのエッセンスのようなもので特に「基準線」の動きは期間が長い分だけ相対的に緩やかですのでその傾きがトレンドを最も簡単に理解する手段だとされています。そのため、たとえ一時的に相場が上昇しても例えば基準線の傾きが下向きであった場合などはその上昇相場は短命であると言われたりします。

そして、より短期のトレンドラインである「転換線」が「基準線」を上抜けた場合を「好転」逆に下に突き抜けた場合を「逆転」といい重要な強気相場、弱気相場の転換点であるとされています。

B 「遅行スパン」と価格

少し毛色の違う「遅行スパン」は現在値をただ26日戻しただけですが、これは26日前に売り買いした人が結局結果どうなっているのかを示しています。例えば遅行スパンが価格の上にあれば26日前に買った人に利益が出ているでしょう、下にあれば当然逆になります。このように遅行スパンは中期でポジションを持った人の損益状況の転換点と見ることができますので、遅行スパンが価格にタッチした時点から上昇相場や下降相場に転換する場合があります。





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