ドル円 108.95まで上伸後反落 日銀は声明に「躊躇無き金融緩和措置」加える
30日午前の東京市場でドル円は108円台後半で推移。9時前後に一時108.95まで上伸するも109円には届かずに反落、正午前に日銀政策決定会合の結果が公表され、政策金利やフォワードガイダンスに変更が無いことが確認されると108.67まで逆に下値を広げることとなりました。
日銀の金融政策決定会合後に公表された声明文では内容に大きな変更は無かったものの、最後に経済、物価の下振れリスクに言及し、『「物価安定の目標」に向けたモメンタムが損なわれるおそれが高まる場合には、躊躇無く、追加的な金融緩和措置を講じる』との文言が追加されました。また、同時に発表された展望リポートでは19年度、20年度の物価、経済見通しがそれぞれ0.1%引き下げられています。
欧米の金融政策当局が、貿易摩擦等の影響による景気減速に対し金融緩和縮小の停止等、予防的に大きな政策転換を行い、期待インフレ率の低下が議論されるなかで、一部では今回の政策決定会合で日銀が歩調を合わせてフォワードガイダンスを変更してくるのではないかとの見方が広がっていたことが朝方のドル円での円売りにつながっていました。しかし、結果が期待はずれだったことで結果公表後は円がやや買い戻される動きとなったと説明できそうです。
いずれにせよ、市場の関心は7/30-31の米FOMCに集中しており、従来どおり日銀の政策決定会合の為替相場への影響は限定的でした。
この後、15:30から予定されている黒田総裁の記者会見では追加された金融緩和文言の背景に対して質問が集中しそうです。
ドル円は7月上旬の高値108.99にあと一歩のところで反落していますが、この水準を抜けると大きく上値が広がりそうです。黒田総裁会見でそれが示現する可能性は高くないものと思われますが、今後の追加金融緩和策を強くにじませる内容となった場合には109円試しとなる可能性も否定できず、一応注意が必要です。
ドル円
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