NY休場もあり材料難、基本は小動き予想
〇本日のドル円、151円割れ後は151.75レベルまで値を戻し、151円半ば挟みのレンジ取引き
〇本日はNY休場で新規材料難、基本的には動き難い展開を予想
〇テクニカルには、中期的な下値メドと予想していた150.20が間近に
〇ドル高・円安方向、152円の攻防にまずは注目
〇ドル安・円高方向、151円レベルが最初のサポートか
〇欧米時間の予想レンジ:151.20-152.20
<< 東京市場の動き >>
東京市場はドルが小高い。早朝を安値に、一時152円台回復も視界内に捉えた動きだったが、途中で息切れしている。
ドル/円は151.10-15円で寄り付いたのち、小緩むと151円割れ。ただ大きく崩れることはなく、150.95円レベルで下げ止まると、その後は一転してドル堅調裡。151.75円レベルまで大きく値を戻した。しかし、目先高値を付けたあとはNY休場などもあり、急速に動意が止まる。151円半ば挟みのレンジ取引をたどるなか、16時現在では151.55-60円で推移し、欧米市場を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは「米ファンダメンタルズ」と「ロシア情勢」について。
前者は、昨日まとめて発表された米指標は好悪混在ながら、やや悪化した内容が優勢か。たとえば7-9月期実質GDP改定値は予想通りだったが、同コアPCEや11月のシカゴ購買部協会景気指数などは予想を下回っている。そうしたことが米金利低下に繋がっていたようで、米サンクスギビングデー前で調整が入りやすいという環境のなか、為替市場においてはドル売り要因に。日米金利差縮小観測なども一部で再び取り沙汰されており、今後発表される米指標はますます要注意だ。
後者は、ロシア外務省のザハロワ報道官が「米国が日本にミサイルを配備した場合、モスクワは報復措置を取る」と述べたことに続き、「米国がウクライナに核兵器を提供するべきだとする西側諸国の考えは非常識」−−と批判していた。また、ロシア軍司令官から「核弾頭ICBMの実戦配備を引き続き推進」、同国連次席大使は「トランプ次期米大統領がウクライナへの支援削減を決定すれば、ウクライナ軍にとって死刑宣告になる」と発言するなど、ウクライナ戦線の好調さもあって強気コメントが相次いでいた。ただ、一方でアルメニアがロシア主導の同盟首脳会議に再び欠席の意向を示すなど、周辺国との不協和音が目立ち始めているところは気掛かり。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円相場は、今週だけで4円を超える下落。週明けの154円台後半から150円半ばまで一時値を下げている。そうしたことを受け、テクニカルのひとつ移動平均では21日線に続き、152円前後に位置する200日線もしっかりと割り込んできた。ドルの下値リスクがさらに高まった感も否めない。なお、昨日レポートした起点を9月16日安値139.58円と考えた上げ幅のフィボナッチ38.2%戻し150.20円は、中期の下値メドと考えていたが、気が付いたらそれほど遠くない。攻防に要注意だ。
市場の関心は12月の日米金融政策発表に依然として高いが、本日はNYが休場で目立った米指標の発表はない。新規材料難から基本的には動き難い展開を予想するが、逆に中東を中心とした「地政学リスクの高まり」などに動きがあれば、「薄商い=乱高下」をたどる可能性もありそうだ。油断は禁物かもしれない。また、トランプ次期政権をめぐる貿易(関税)を中心とした方策にも一応要注意。内容によっては為替市場へ及ぼす影響も懸念されている。
テクニカルに見た場合、ドル/円はレンジを下放れしたのち、下げ足を加速させついには150円半ばも。フィボナッチでは、中期的な下値メドと予想していた150.20円がすでに間近に。下回ればもちろん150円割れ、そして一目均衡表の先行帯の雲の上限を目指す展開もありそうだ。対するドルの抵抗はまず152円レベル。超えると、さらに1円程度の戻りも。
本日は米国がサンクスギビングデー休場となることで、目立った指標発表はなし。また、米国だけでなく欧州についても、これといった要人の講演などが予定されていない。新規材料難の様相で、動きにくそうなイメージだ。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは151.20-152.20円。ドル高・円安方向は、先でも指摘した152円の攻防にまずは注目。超えると、153円前後まで戻る可能性もある。
対するドル安・円高方向は、東京安値も近い151円レベルが最初のサポートか。割り込むようだと、昨日安値150.46円がターゲットに。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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