ドル円、一時153円台前半まで急落するも、海外勢参入後に全値戻し(11/20朝)

19日(火)のドル円相場は下落後に急反発。

ドル円、一時153円台前半まで急落するも、海外勢参入後に全値戻し(11/20朝)

一時153円台前半まで急落するも、海外勢参入後に全値戻し

〇ドル円、ロシアの核兵器使用基準引き下げ報道、米金利低下等に海外勢参入後に153.28まで急落
〇その後は、米長期金利下げ止まり、ロシア火消し発言等に154.80まで反発、154円台後半で推移
〇ユーロドル、1.05台で方向感に欠ける動き
〇ドル円、主要テクニカルポイントの上で推移、強い買いシグナルも継続、地合い極めて強い
〇ファンダメンタルズもトランプトレード本格化、円キャリー再開期待等がドル円をサポート
〇本日は様子見ムード主導で方向感を見出しにくい時間帯が続きそう
〇本日の予想レンジ:154.00ー156.00

海外時間のレビュー

19日(火)のドル円相場は下落後に急反発。(1)加藤財務相による「為替動向、行き過ぎた動きには適切な対応を取る」「非常に緊迫感を持って為替の動きを見守っている」との円安牽制発言や、(2)米金利低下に伴うドル売り圧力、(3)上値の重さを嫌気した短期筋の見切り売り、(4)プーチン大統領による「核兵器の使用基準について従来よりも引き下げることを承認した」との観測報道が重石となり、海外勢参入後に、安値153.28まで急落しました。

しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(5)急ピッチな下落に対する反動買いや、(6)米長期金利の低下幅縮小、(7)ロシアのラブロフ外相による「ロシアの核ドクトリンは米国のものと変わらない」「核戦争を起こさないことがロシアの立場」との火消し発言、(8)国際原子力機関(IAEA)による「イランは、核兵器に必要な濃度に近い高濃縮ウランの生産を停止することに同意した」との発言などが支えとなり、米国時間午後にかけて、高値154.80まで反発しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間11/20午前6時15分現在)では、154.70前後で推移しております。尚、昨日発表された米10月住宅着工件数(結果131.1万件、予想133.4万件)および、米10月建設許可件数(結果141.6万件、予想143.5万件)はいずれも市場予想を下回る結果となりましたが、市場の反応は限られました。

19日(火)のユーロドル相場は方向感に欠ける展開。アジア時間正午にかけて、高値1.0601まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、(1)ウクライナが射程距離の長いミサイルであるATACMSを使用してロシア領内を攻撃したとの観測報道や、(2)ロシアのプーチン大統領が核兵器の使用条件を示した核ドクトリンを改定したとの観測報道、(3)上記1、2を背景とした地政学的リスクが重石となり、欧州時間朝方にかけて、安値1.0524まで下落しました。

しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(4)急ピッチな下落に対するショートカバーや、(5)ロシアのラブロフ外相による「ロシアの核ドクトリンは米国のものと変わらない」「核戦争を起こさないことがロシアの立場」との火消し発言、(6)国際原子力機関(IAEA)による「イランは、核兵器に必要な濃度に近い高濃縮ウランの生産を停止することに同意した」との発言などが支えとなり、本稿執筆時点(日本時間11/20午前6時15分現在)では、1.0595近辺まで持ち直す動きとなっております。尚、昨日はエストニア中銀ミューラー総裁より「12月は25ベーシスポイントの利下げの可能性」「今は大きなステップで動く理由はない」との発言が見られましたが、市場の反応は限られました。

本日の見通し

ドル円は一時153.28まで下げ幅を広げるも、海外勢参入後に全値戻しする展開となりました。日足ローソク足が主要テクニカルポイントの上側で推移していること(昨日の下落局面においても21日線がサポートして確り機能→日足ベースで下髭の長いローソク足が出現)や、日足のみならず4時間足や週足でも買いシグナルが点灯していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは「極めて強い」と判断できます(特にこの2日間で下値の堅さを再確認)。

また、ファンダメンタルズ的に見ても、日米金利差に着目した円キャリートレードの継続期待や、トリプルレッド成立に伴うトランプ・トレードの本格化期待など、ドル円相場の上昇を連想させる材料が揃っています。政府・日銀による介入警戒感が都度上値を抑える材料として意識されてはいるものの、足元の状況下で実弾介入に踏み切ることは容易では無いと考えられることから、当方では引き続き、ドル買い・円売りトレンドの継続をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日は目立った経済イベントが予定されておらず、また明日11/21に植田日銀総裁による今週2度目の発言機会が予定されていることから、本日は様子見ムード主導で方向感を見出しにくい時間帯が続きそうです。

本日の予想レンジ:154.00ー156.00

注:ポイント要約は編集部

一時153円台前半まで急落するも、海外勢参入後に全値戻し

ドル円日足

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