ハト派な米FOMCと政府・日銀による介入と思しきドル売り・円買いで大幅下落
〇ドル円、FOMC・パウエル議長会見のハト派な内容、為替介入と思しき動きに一時153.03まで急落
〇FOMC、金利を据え置くもバランスシート縮小速度減速の声明あり
〇パウエル議長は会見で「次の行動が利上げになる可能性は低い」と発言
〇ユーロドル、米指標の不冴え、米金利低下に1.07台前半で堅調な動き
〇ドル円、更なる介入余力乏しいと見られ本日は押し目買い中心の動きか
〇米国が年末までに利下げに踏み切れるか否かは依然として不透明
〇ドル円相場の一巡後の反発をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:153.50ー156.50
海外時間のレビュー
1日(水)のドル円相場は大幅下落。アジア時間夕方にかけて、高値158.04まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、(1)米3月JOLT求人件数(結果848.8万人、予想868.0万人)の市場予想を下回る結果や、(2)米4月ISM製造業景況指数(結果49.2、予想50.1)の市場予想を下回る結果、(3)米FOMCのハト派的な結果(予想通り政策金利の据え置きが決定された他、バランスシート・ランオフ減速開始の声明あり)、(4)パウエルFRB議長による「次の行動が利上げになる可能性は低い」とのハト派的な発言、(5)上記3、4を背景とした米長期金利の急低下、(6)政府・日銀による為替介入と思しき追撃的なドル売り・円買いが重石となり、米国時間夕方にかけて、安値153.03まで急落しました。もっとも、売り一巡後に下げ渋ると、引けにかけて持ち直し、本稿執筆時点(日本時間5/2午前6時10分現在)では、154.84前後で推移しております。
1日(水)のユーロドル相場は堅調な値動き。欧州時間朝方にかけて、安値1.0649まで軟化するも、一巡後に下げ渋ると、(1)米経済指標(米3月JOLT求人件数や、米4月ISM製造業景況指数)の冴えない結果や、(2)米FOMCおよびパウエルFRB議長記者会見のハト派的な内容、(3)米金利低下に伴うドル売り圧力が支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値1.0733まで上昇しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間5/2午前6時10分現在)では、1.0712前後で推移しております。
本日の見通し
ドル円はハト派な米FOMC通過後に為替介入と思しき追随的なドル売り・円買いが入ったことで、日本時間早朝にかけて一時153.03まで急落しました。但し、2022年に実施した為替介入の総額が9.2兆円規模だったことを考慮すれば、ここからの更なる介入余力は乏しいと見られるため、本日は押し目買い中心の動き(急ピッチな下落に対する押し目買いに加えて、ハト派な米FOMCを受けた株高とそれに伴うリスク選好の円売りが組み合わさる動き)となりそうです。
パウエルFRB議長は、「次の一手が利上げではなく利下げであること」を強調したものの、同時に「FRBがインフレ率の低下に自信を持てるようになるまでには、これまでの予想よりも時間がかかる可能性が高い」とも発言しているため(※本件は声明文の中にも「ここ数カ月間、委員会の2%のインフレ目標に向けてさらなる進展は見られていない」との文言あり)、年末までに利下げに踏み切れるか否かは依然として不透明感が残りそうです。以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円相場の一巡後の反発(日米金利差に着目した円キャリートレードの再開)をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日は米1ー3月期単位労働コスト速報値や、米新規失業保険申請件数、米3月製造業受注指数、米3月耐久財受注などが予定されております。
本日の予想レンジ:153.50ー156.50
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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