ドル円 制裁決議に対するリアクション待ち(9/12)

国連安保理の北朝鮮制裁決議案では、当初は原油の全面禁輸や金委員長の資産凍結、北朝鮮出稼ぎ労働者利用の禁止等、かなり強烈な内容が示されていたが、

ドル円 制裁決議に対するリアクション待ち(9/12)

<概況>

9月3日の北朝鮮核実験を受けて先週は週明け早々の4日朝に下落開始、7日夜には108.049円まで続落して8月29日安値108.265円、さらには4月17日安値108.13円も割り込み、8日夜には年初来安値となる107.32円まで下落が続いた。北朝鮮を巡る有事リスクのエスカレーション、また巨大ハリケーン被害による米国の雇用悪化等を背景としてのドル安であった。
9月9日の北朝鮮建国記念日には新たな軍事挑発行動は無く、市場は国連安保理決議動向を見守る姿勢となり、前週の円高をやや過剰だったとして108円台を回復して始まった。さらに国連安保理の制裁が当初案よりも緩和されるとの報道や、ハリケーン「イルマ」による被害見通しが当初よりも大幅に低下したことでNYダウが上昇する等楽観論が広がり、ドル円は109.50円まで戻した。

【国連安保理の北朝鮮制裁決議】

北朝鮮制裁決議の骨子
(1)北朝鮮へのコンデンセート(超軽質原油)と天然ガス液(NGL)の供給、販売、移転を禁止。
(2)北朝鮮への石油精製品の供給、販売、移転の上限量は年間200万バレル。
(3)北朝鮮への原油の供給、販売、移転の年間量は現状維持。
(4)北朝鮮による繊維製品を全面禁輸。
(5)海外で働く北朝鮮労働者の受け入れを原則禁止。
(6)公海上で決議違反の物資を運んでいる疑いのある船舶について、旗国の同意の下、臨検を行うことを要請。
(7)北朝鮮の個人・団体との合弁企業の全面禁止。

国連安保理の北朝鮮制裁決議案では、当初は原油の全面禁輸や金委員長の資産凍結、北朝鮮出稼ぎ労働者利用の禁止等、かなり強烈な内容が示されていたが、中露の反対姿勢も踏まえて妥協が図られ、原油は数量制限、出稼ぎ労働者については現在の雇用期間を承諾し、金委員長の資産凍結も引き下げられたため、中露はこれに賛同、全会一致で12日早朝に決議された。
制裁決議を受けて北朝鮮からのリアクションが注目されるが、今のところ動きは無い。制裁の実態がかなり緩んだため、北朝鮮のリアクションがアリバイ的で緊張を一段とエスカレートさせるものにならないなら、しばらくは膠着状態が続き、市場も有事リスクを主要なテーマとした展開から米経済指標や金融政策動向、9月FOMC等へと目線が変わってくるかもしれない。

しかし、北朝鮮が緊張感をエスカレートさせる軍事挑発、例えばグアム方面へ向けたミサイルの発射、あるいは米国本土太平洋岸へ向けたミサイルの発射等、従来よりも対米攻撃力向上をアピールするものとなれば、米国側からのリアクションも一段とエスカレートする可能性がある。このため、このままやや緊張緩和で進むのかどうかは、向う数日、様子を見定める必要があるだろう。

【60分足 一目均衡表分析】

【60分足 一目均衡表分析】

60分足の一目均衡表では11日夜の一段高による遅行スパンが好転、先行スパンも上抜いた。このため、遅行スパン好転中は戻り高値をさらに試す可能性があるが、109円割れへと下落する場合は遅行スパンも悪化しやすくなる点に注意が要る。遅行スパン悪化の場合は戻り一巡からの下げ再開注意として先行スパンを試すとみる。さらに先行スパンから転落の場合は下げ再開と、8日安値試し、あるいは底割れへ向かう可能性が出てくるとみる。

60分足の14本相対力指数は9月8日への下落で20ポイントまで下落していたが、11日夜の反騰で12日未明には80ポイントまで急伸した。売られ過ぎ警戒圏から買われ過ぎ警戒圏まで一挙に揺れ返したため、反動安も警戒される。今のところ弱気逆行が見られていないが、80ポイントまで急騰したので逆行無しでも下げ再開へ進む可能性があるので注意したい。また12日未明高値を上抜いて相場が一段高する際には弱気逆行が発生しやすいと注意する。

概ね3日から5日周期の短期サイクルでは、9月8日夜安値からのV字反騰で直前高値の7日未明高値を上抜いたため、8日夜安値を直近のサイクルボトムとして上昇した状況にある。今回の高値形成期は7日未明高値を基準として12日未明から14日未明にかけての間と想定される。109円台を維持するか、一時的に割り込んでも回復する内は上昇継続余地ありとするが、既に7日未明高値から3日を経過しているので下げ再開しやすい時間帯に入ってきている。109円割れを切り返せずに続落し始める場合は下げ再開注意とし、108.50円割れへ下げる場合は次の安値形成期となる13日夜から15日夜にかけての間へと下落継続しやすくなるとみる。

9月7日未明高値の水準まで戻したため、仮にこの後に反落して108円台前半まで下げても、その後に現状まで切り返してくると60分足レベルの逆三尊底パターンが形成される可能性があるので、その場合は8日安値を基準とした二段上げ上昇で8月29日高値等の109円台後半を目指す可能性も考えられる。ただし、北朝鮮の次の行動等により108円割れへと下げる場合は逆三尊の目が消えて8日安値割れへ向かいやすくなると考えられる。

以上を踏まえ、当面のポイントを示す。
(1)109.00円を支持線とし、割り込まないか、一時的に割り込んでも早々に回復する内はまだ上昇余地ありとし、110円を目指す可能性ありとみる。
(2)109円割れから続落の場合は短期サイクルにおける下落期入りの可能性を踏まえ、108.50円から108.00円にかけての下落を想定する。そこはいったん押し目買いも入りやすいとみるが、北朝鮮動向で急落し、108円割れへ進む場合はそのまま8日安値107.32円試しへの下落継続となる可能性を優先する。(了)<10:00執筆>

【当面の主な予定】

9月12日
国連安保理による北朝鮮制裁案、前回一致で決議される

9月13日
08:50 (日) 7-9月期景況判断BSI
21:30 (米) 8月生産者物価指数 前年比 (7月 +1.9%、予想 +2.5%)
21:30 (米) 8月生産者物価指数・コア 前年比 (7月 +1.8%、予想 +2.1%)

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