FX今昔物語・情報端末(2016年5月11日)

今回は情報端末です。昔も今も為替業界で最もメジャーな情報端末といえばロイターモニターであることに異論は無いかと思います。

FX今昔物語・情報端末(2016年5月11日)

FX今昔物語・情報端末

今回は情報端末です。昔も今も為替業界で最もメジャーな情報端末といえばロイターモニターであることに異論は無いかと思います。ディーリングルームには、為替レートやニュースを見るための情報端末としてロイターモニターが1台、そして銀行間取引やチャットツールとしてロイターディーリングが1台、各デスクもしくは二人で兼用といったスタイルで設置されていたものです。

1980年代後半までは、ロイターの情報端末以外にも他社の端末やらPCやらがキーボードとともに雑然とデスク上に置かれていたのですが、90年代に入るとディスプレイやキーボードにスイッチング機能が導入されデスク上はかなり整然としてきたという記憶があります。

こうした機器の中で最も進化したのが携帯情報端末だと思います。ポケベルを利用したポケットロイター(海外ではミニロイター、ロイター・ページャーと呼ばれた)というものが登場し、通貨ペアとレートが「STG 1.2847/57」(注:STGはSterling、スターリングとはポンドのこと。当時はポンドはSTG、スイスフランはSFRと表示された)のように1行だけ表示されるものでした。それでも、どこにいてもレートを確認できるというガジェットは当時としては画期的だったのです。

その後、2行表示可能な経済指標やニュースが配信されるモデル、複数行表示可能でチャートも表示可能なモデル(これはポケベルではなくFM文字放送を使っていたはず)などが登場し、ディーラーは必ずというくらいポケットロイターを持っていたものです。私もポケットロイターと携帯電話を持たされ、家には会社と同じロイターモニターが置かれと、便利というよりも24時間仕事ができる、いや仕事をしろ(笑)、という状態でした。

いまではこうしたガジェットはスマホに完全に取って代わられたと言ってよいでしょう。もちろん金融機関のディーラー向けの特殊な機能を持ったアプリも存在していますが、今ではそれこそ誰でもレートもニュースもチャートも見ることが出来ますし、取引自体も人数的にはPCよりもスマホからする人の方が多くなってきたと言われています。

私自身は、常にPCを持ち歩いていることもあって、余程のことが無ければスマホから取引することはありませんが、スマホから情報収集も取引もなんでも出来る世の中がやってくるとは1980年代には想像もできませんでした。

最後にYouTubeでも見ることが出来る面白い映像を紹介しましょう。
“FOREX 1986 BBC Documentary: The Billion Dollar Day”


1986年にイギリスBBCが作成した当時のディーラーの日常をニューヨーク、ロンドン、香港で追ったドキュメンタリーです。当時の典型的なディーリングルームの景色、ディーラーたちの様子がわかるだけでなく、今回取り上げた機能が少ない時代のロイターモニター、そしてポケットロイターも登場しています。

その頃を知っている人にはとても懐かしく、知らない人にはおそろしく原始的に思える映像です。言葉がわからなくても一見の価値がある映像であることは間違いありません。

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