ドル/円は小動き予想、ポンドの動きに注意(12/9夕)

9日の東京市場は、凪相場。終日を通して値幅はわずか10ポイント強で、ほとんど開店休業状態だった。

ドル/円は小動き予想、ポンドの動きに注意(12/9夕)

ドル/円は小動き予想、ポンドの動きに注意

〇ドル円、終日を通して値幅はわずか10ポイント強の凪相場
〇英EU通商交渉、欧州委員長「ジョンソン英首相と9日夕方に協議を実施する」
〇米国の追加経済対策は楽観と悲観が入り乱れる状態
〇1.1円レンジが、ついに3週間を経過、依然として方向性は乏しい状態
〇本日は米11月JOLT雇用動態調査発表、米財務省による10年債の入札予定も
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジ103.90-104.60

<< 東京市場の動き >>

9日の東京市場は、凪相場。終日を通して値幅はわずか10ポイント強で、ほとんど開店休業状態だった。

ドル/円は104.15円レベルでオープンしたものの、動意らしい動意はほとんどなし。日経平均が終値ベースで350円高となったほか、主要な米株3指数がいずれもプラス圏で推移したものの、為替市場への影響はうかがえなかった。16時現在では104.10-15円で推移、欧米時間を迎えている。
なお、為替市場は全般的に動きが鈍いなか、豪ドルが小じっかり。対円では値幅こそ限られたが、直近の戻り高値を更新していた。

一方、材料的に注視されていたものは、「英EU通商交渉」と「米国の追加経済対策」について。
前者は、相も変わらず玉石混交状態。ただ、当初はブルームバーグが「EU離脱に絡む国内市場法案から国際法違反の部分を削除する」などと報じ、これが好感されたものの、そののちEU主席交渉官から「英国との合意可能性は極めてわずか」との発言も聞かれ、ポンドの買戻しにも歯止めが掛けられている。なお、欧州委員長によると、「ジョンソン英首相と9日夕方に協議を実施する」ようだ。
対して後者も、楽観と悲観が入り乱れる状態で様相は混とん。たとえば、米財務長官が「9160億ドル規模のコロナ救済案を下院議長に提示した」と報じられ、合意への期待感が一時高まる局面も見られたが、当のペロシ下院議長らは「受け入れられない」とこれを拒否、一気に期待が萎み元の木阿弥となった。先の「英EU通商交渉」もそうだが、まったく協議が進んでいないというわけではないようだが、その歩みは牛歩に近い。予断の許さない状況は、まだまだ続く見通しだ。

<< 欧米市場の見通し >>

前述したように、本日の東京市場も株式市場はなかなかの盛況。また、昨日のNY時間についてもナスダックなど米株は活発な動意を示している。ただ為替市場、それもドル/円の変動が米株の活況にまったく追い付いておらず、まさに蚊帳の外状態だ。油断は禁物ながら、本日もドル/円に限れば、大きな動きは期待しにくいといった諦めの声も、一部の市場筋からは聞かれていた。
「新型コロナとワクチン開発あるいは接種」−−など、注目すべき要因は幾つかあるが、そのなかでももっとも注意を要するのは、引き続き英国情勢か。前記したワクチン接種について、英国では昨8日から開始され、その行方が注視されているだけでなく、「英EU通商交渉」についても市場筋の関心は非常に高い。「期限切れ」までの時間もあまり残されていないなか、土壇場での逆転決着となるのか否か、動静には本日も要注意だ。

テクニカルに見た場合、103.66-104.76円という1.1円レンジが、ついに3週間を経過した。依然として方向性は乏しい状態。引き続き次の一手、抜けていく方向とタイミングへの関心が高いことは間違いないだろう。
ちなみに、仮に今年のドル/円がこのまま終了するならば、昨年などよりは変動したことになるが、それでも一年を通しての年間変動幅は11円強、変動率も10%強に過ぎない。市場関係者のひとりとしては、もう少し動いてほしいところなのだが・・・・・・。

材料的に見た場合、中長期的には「米中の対立」やそれだけにとどまらない「中国情勢」、「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス再拡大とワクチン開発」、「就任確実のバイデン新大統領による米政権人事と政権運営」、「トルコ情勢」−−などが注視されている。
一方、本日の材料としては、11月のJOLT雇用動態調査などの米経済指標が発表されるほか、米財務省による10年債の入札も予定されている。ただ、カナダ中銀による政策金利発表や英首相と欧州委員長の会談など、米国ファクター以外の要因をより警戒する向きが少なくないようだ。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは103.90-104.60円。移動平均の21日線も近くに位置する直近高値のドル高値104.31円が最初の抵抗。上抜けるとレンジ上限の104.76円を目指す展開か。
対するドル安・円高方向は、時間足など短期ベースで目先何度か下げ止まっている感のある103.90-95円をめぐる攻防にまずは注目。割り込めばレンジ下限である103.66円がターゲットとなりそうだ。

ドル/円は小動き予想、ポンドの動きに注意

ドル円日足


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