米FRB地区連銀経済報告(ベージュブック)
昨日(2日)、FRBからベージュブックが公表されました。以下はその内容になっています。地区連銀は12地区で構成されており、報告内容期間は2020年11月20日以前までとなっています。内容的には前回と比べて、Covid-19の感染再拡大により、経済減速気味、乃至先行き懸念を指摘しています。
(全般的な経済活動)
ほとんどの地区連銀は前回のベージュブック(注:10月22日公表)以降の経済活動が緩やかに拡大していることを記している。しかしながら、4地域はほとんど成長なしと説明している。5ヶ所では経済活動が少なくとも幾つかの部門で、パンデミック前の水準以下で推移していると指摘している。その上、フィラデルフィアや4中西部地区の内3つが経済活動はCovid-19が押し寄せてきたことから、11月初に減速を始めたと観測している。
報告書では製造業、集配物流、住宅建設、中古住宅販売などが平均以上の伸びをしていると指摘しているが、混乱が無かった訳ではない。多数の地区でローン組成、とりわけ小売・レジャー・接待関連部門の商業借入に関しての低下があると銀行との聞き取りで報告している。2021年には滞納の増加がより広範に予想されている。ほとんどの地区は企業見通しがポジティブを維持していると報告している。しかしながら、楽観論は薄れてきており、多くは最近のパンデミックの波、(現状及び先行き含め)行動制限の命令、あるいは失業給付の期限切れ、追立や差し押さえ猶予期間切れ、についての関心に言及している。
(雇用と賃金)
ほとんど全ての地区は雇用が増加したが、そのほとんどで、ペースは鈍化したと報告している。仮によく見ても、回復は不完全なままである。雇用を行っている企業は労働者の引き留めや雇用の困難さについての報告を繰り返している。Covid-19の急増が学校や工場閉鎖を突発に引き起こし、感染恐怖を新ためて思い起させている。その恐怖により、欠勤や時短を含め、労働供給問題を悪化させている。子供の保育やリモート授業の必要性が幅広く指摘されており、労働人口、幾つかの企業が柔軟な労働スケジュールなどの融通性を延長しながら、とりわけ女性に対して重要な問題を提起している。
幾つかの地区では、雇用水準が回復する前にこの冬に下落するのではと会社は懸念している。雇用困難にもかかわらず、ほとんどの地区の会社は賃金が全般的には少しか緩やかなペースでの拡大となっていると報告している。しかしながら、大多数は低スキルの労働者、とりわけ郊外での割合を引き上げる圧力があることを指摘している。人材派遣会社は高い割合で配置転換がよりうまくいっていると説明しており、ある会社はその顧客のために最低賃金を設定していると説明している。
(価格)
ほとんどの地区での会社は仕入れ価格が緩やかか、控えめな伸びである報告している。一方で、最終財の小売価格は緩やかなペースで上昇した。Covid-19は人手不足の生産者や輸送者…輸送コストが上昇し、それを買い手に転嫁している…の間で混乱や遅延を引き起こしていると指摘している。
(各地区のハイライトは略)
(注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。
(上記出所:FRB HP)
下図はユーロドルの週足チャートです。ラインAの抵抗線を抜けてからユーロは順調に上昇し、
ラインB(=1.1320)に沿っていきましたが、5月からは急上昇のD(=1.1745)にサポートされています。
12月に入った途端、ユーロは9月高値の水準を上抜けて、新たなユーロ高の旅に入った形になっています。当面はBから平行に上げたC(=1.2260)と2018年初にサポートされていたEが丁度Cと同じ水準にいて抵抗線になっています。まだ目先はユーロ高に勢いありますが、短期的な急上昇ですので、このCで止まるのか、これまでの長い横這いから脱したので、一段高を狙うのか、今週の米雇用統計、来週のECB金融政策辺りが鍵になりそうです。
(2020年12月3日11:11、1ユーロ=1.2115)
オーダー/ポジション状況
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