米連邦公開市場委員会(FOMC)要旨(11月25日公表)
(2020年11月4日・5日開催分)
11月上旬開催のFOMC議事要旨が昨日公表されました。この会合では、債券購入に関する議論に多くの時間を割いた様で、購入に関するガイダンスを示す(例えば買入強化やFFレート引き上げ前に債券購入を段階的に減速するなどを示唆する内容)議論を行った模様で、12月会合(12月15日・16日)で新規に具体的手立てを採る内容はありませんでした。今回はスタッフの景気見通しを中心に記載します。
スタッフの経済見通し
入手したデータを見ると結局のところ予想よりも良く、見通しに影響を与える幾つかの仮定を改定したけれども、今年下半期における、実質GDPの成長率や失業率低下のペースは9月見通しと似かよったものであった。
とりわけ一層の財政刺激策の合意に向けた進展が無いので、スタッフは財政支援の追加策が制定されるだろうとの仮定を取り除いた。追加財政支援策の欠如により、かなりの家計に著しい困難が引き起こされると予想されるけれども、スタッフはその他の家計によって増加した貯金によって全体の消費は年末までは主として維持されるだろうと仮定している。9月の見通しでは、春先の空前となるマイナスから今年下半期には、その活動が急速だが、一部のリバウンドがあるとスタッフは予想していた。年内残りのインフレ見通しは、入手した情報が全般的に高かったことに基づき、幾分上方に修正した。にも関わらず、インフレはまだ相対的に抑制された水準で年内終わろうとしている。これは労働や生産市場でのたるみや年初の消費エネルギー価格の下落を反映している。
スタッフの中期見通しでは、大幅な追加財政支援策が制定されないという仮定は、今後の総需要に対しより低い軌道になると指摘している。しかしながら、税収に対する最近のデータを見ると、州や地域の財政政策が予想ほど悪化していないことを示唆している。つまり州や地域の購買力についてはスタッフ予想の道のりを後押ししてくれる。金融政策が超緩和的のままで、ソーシャルディスタンスの度合いが更に緩和してくると仮定するなら、スタッフは中期の実質GDPが潜在成長率を勝るとの見通し予想を継続でき、これにより失業率の一層の低下に繋がる。経済のたるみを吸収した結果、その後徐々にインフレが上昇すると予想され、インフレ率は、金融緩和状態を維持したまま2023年以降、暫くの間2%を緩やかに越えていくと予想されている。スタッフはまたパンデミックの先行きやそれによる経済への影響に関連した不確実性が高いことを監視し続けている。また、感染再拡大の高まる可能性を示唆している最近のデータを見ると、経済の先行きは下方に傾くリスクをスタッフは視野に入れている。
スタッフはまたパンデミックの先行きやそれによる経済への影響に関連した不確実性が高いことを監視し続けている。また、感染再拡大の高まる可能性を示唆している最近のデータを見ると、経済の先行きは下方に傾くリスクをスタッフは視野に入れている。
(金融政策の議論に関しては略し、FOMC後の記者発表要旨の一部を下記に抜粋しました)
委員会は最大雇用と長期インフレ目標2%を達成することが求めている。長期目標を下回って推移しているインフレ状況に、委員会は暫くの間、2%を緩やかに越えるインフレを達成することを目的にしている。そうすることで、その期間に亘り平均2%のインフレやより長期の期待インフレが2%の拠り所となるだろう。委員会はこの様な成果が得られるまでは金融政策の緩和的スタンスを維持する見通しである。
委員会はFFレートを0〜0.25%の目標レンジに維持することを決定した。この目標期間は労働市場の状況が達成される水準、すなわち最大雇用及び、インフレが2%まで上昇し、暫くの間2%を緩やかに越える軌道に乗ると委員会が査定する水準までの期間である。
加えて、FRBは今後数ヶ月に亘り、少なくともスムーズな市場機能や緩和的金融状況を支えるために国債や不動産担保証券の保有を現行のペースで増やしていく。それにより、家計や企業への信用の流れを支えることができる。
スタッフはまたパンデミックの先行きやそれによる経済への影響に関連した不確実性が高いことを監視し続けている。また、感染再拡大の高まる可能性を示唆している最近のデータを見ると、経済の先行きは下方に傾くリスクをスタッフは視野に入れている。
(金融政策の議論に関しては略し、FOMC後の記者発表要旨の一部を下記に抜粋しました)
委員会は最大雇用と長期インフレ目標2%を達成することが求めている。長期目標を下回って推移しているインフレ状況に、委員会は暫くの間、2%を緩やかに越えるインフレを達成することを目的にしている。そうすることで、その期間に亘り平均2%のインフレやより長期の期待インフレが2%の拠り所となるだろう。委員会はこの様な成果が得られるまでは金融政策の緩和的スタンスを維持する見通しである。
委員会はFFレートを0〜0.25%の目標レンジに維持することを決定した。この目標期間は労働市場の状況が達成される水準、すなわち最大雇用及び、インフレが2%まで上昇し、暫くの間2%を緩やかに越える軌道に乗ると委員会が査定する水準までの期間である。
加えて、FRBは今後数ヶ月に亘り、少なくともスムーズな市場機能や緩和的金融状況を支えるために国債や不動産担保証券の保有を現行のペースで増やしていく。それにより、家計や企業への信用の流れを支えることができる。
適切な金融スタンスを査定するため、委員会は引き続き入手する経済見通し情報を監視していく。委員会は目標を妨げるリスクなどが高まってきた場合には、適切と思われる金融政策スタンスを調整していく準備を行う。委員会の査定は、公衆衛生、労働市場環境、インフレ圧力やインフレ期待、そして金融や国際情勢の進展具合を含め、幅広い情報を勘案していく。
尚、今回の議事に関しても、投票権持つ全員が賛成しています。
賛成者:パウエルFRB議長、ウィリアムズ副議長、マイケル・ボウマン、ラエル・ブレイナード、リチャード・クラリダ、メアリ・デイリー、パトリック・ハーカー、ロバート・カプラン、ロレッタ・メスター、ランダル・クォールズ。デイリー女史は今回の会合で代理として投票。
反対者:なし
(注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。
(上記出所:FRB HP)
下図はユーロ/ドルの日足チャートです。短期的にラインA(=1.1815)とそこから平行に上げたB(=1.1935)でユーロ高トレンドラインを形成しています。このBは過去2回止められたC(=1.1920)を僅かですが越えています。このままトレンドラインの高値圏を見て反落するのか、あるいは越えてD(=1.1970)までトライできるのか、今日・明日がポイントになりそうです。ただNY市場は26日が休場なので、現状では越える動きができにくいと思いますが、欧州市場でトライあるのか注目します。もし反落した場合はまずE(=1.1840)、そしてA、トレンドライン切れるとF(=1.1715)までの下値余地が広がりそうです。
(11月26日14:30、1ユーロ=1.1925ドル)
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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