コロナとワクチン、両者の綱引き依然継続か(11/16夕)

週明け16日の東京市場は、ドルが小安い。一時104.40円台まで値を下げ、直近安値を更新する局面も観測されていた。

コロナとワクチン、両者の綱引き依然継続か(11/16夕)

コロナとワクチン、両者の綱引き依然継続か

〇ドル円、一時104.40台まで値を下げ、直近安値を更新
〇全米538人の選挙人のうちバイデン氏が306人、トランプ氏が232人を獲得
〇NYタイムズ「全米で一日当たりの新規感染者が13日に18万1194人となり過去最多を連日更新」
〇NYダウは先週末のNY時間に続き、本日東京の時間外取引でも大幅高
〇本日は、11月NY連銀製造業景況指数などの米経済指標や要人発言に注目
〇欧米時間の予想レンジ104.10-104.90

<< 東京市場の動き >>

週明け16日の東京市場は、ドルが小安い。一時104.40円台まで値を下げ、直近安値を更新する局面も観測されていた。

先週末は、3日に実施された米大統領選における全選挙人の獲得数が判明。トランプ氏の逆転がますます苦しくなるなか、ジョンソン英首相が「コロナ感染者と接触」したために、自主隔離に入った旨を発表していた。
そうした状況を踏まえて取引が開始されたドル/円は、104.70円前後で取引を開始したのち、当初は株価の動きなどをにらみつつ落ち着かない。ただ、途中で底割れし、104.45-50円へと軟落したのちは冴えない展開で、ドルの戻りも限られた。16時現在では104.55円前後で推移し、欧米時間を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは、「米大統領選」と「米国における新型コロナ感染状況など」について。
前者は、米大統領選において勝敗の判明していなかったジョージア州とノースカロライナ州で勝敗が確定。その結果、全米538人の選挙人のうちバイデン氏が306人、トランプ氏が232人を獲得したことが明らかとなった。しかし、トランプ氏は依然として敗戦を認めず、「票を精査すれば逆転勝利は可能」、「急進的な左派の民主党員らに勝利を盗ませてはならない」、「バイデン氏は選挙に不正があったから勝利した。わたしは認めていない」、「選挙の違憲性を示す『大型訴訟』を近く起こす」−−などといった考えを繰り返し示している。

対して後者は、週末にネガティブなニュースが相次ぐ。たとえば、「次期政権誕生までにコロナ感染は死者31万人超える恐れ」(ロイター)、「全米で一日当たりの新規感染者が13日に18万1194人となり過去最多を連日更新」(NYタイムズ)、「近く公立学校を再び閉鎖し全面的にオンライン授業に移行する可能性」(NY市長)−−などとなる。ただ、一方でワクチン開発への期待感も取り沙汰され、悲観論がかなり中和されていた感も否めない。

<< 欧米市場の見通し >>

いまだトランプ米大統領が敗北を認めない米大統領選をめぐる動きは、依然として潜在的なリスク要因に。選挙の集計結果通りにバイデン氏が次期大統領の座につくとしても、政権引き継ぎに関する時間的な猶予のないことなどが新たな不安要因として取り沙汰されはじめた。そのため、バイデン前副大統領の大統領首席補佐官に決まったクレイン氏からも、「週内にも政権引き継ぎ手続きを開始したい」などといった発言が聞かれている。
そうしたなか、マーケットで引き続き話題となっているのは、新型コロナの感染拡大とワクチン開発に関するニュース。一方でNYダウはというと、先週末のNY時間に続き、本日東京の時間外取引でも大幅高をたどっている。あまり、悲観的に取り沙汰していない人が多いようにも思われるが、これから本格的な冬を迎えるなか、油断は禁物だ。株価が再び崩れれば、為替市場においてもリスク回避志向が強まる可能性を否定出来ない。

テクニカルに見た場合、先週11日に目先高値105.67円を示現後、ドルは緩やかな下降をたどっている。本日東京時間には104円半ばまで一時値を崩してきた。ちなみに、6日に記録した直近のドル安値103.18円を起点とした上げ幅の短期フィボナッチはというと、半値戻しが104.40-45円、61.8%戻しは104.10-15円。それらが次の下値メドとして意識されそうだ。

材料的に見た場合、中長期的には「米中の対立」やそれだけにとどまらない「中国情勢」、「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス再拡大とワクチン開発」、「法廷闘争の可能性も高まってきた米大統領選」、「就任確実のバイデン新大統領による米政権人事」、「トルコ情勢」−−などが注視されている。
一方、本日の材料としては、11月のNY連銀製造業景況指数などの米経済指標が発表されるほか、クラリダFRB副議長によるオンライン討論会参加をはじめ、欧州においても中銀関係者らによる発言機会が目白押しだ。相場の波乱要因として要人発言には注意を払いたい。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは104.10-104.90円。先週末に下回ってきた移動平均の21日線が位置する104.70円前後が最初の抵抗か。超えれば、105円レベルの攻防が次なるポイントに。
対するドル安・円高方向は、先で指摘したように短期フィボナッチでは本日東京安値に近い104.40-45円が目先のテクニカルポイント。割り込んだ場合には104.10-15円などがターゲットとなるが、下方向のサポートは多く底堅いイメージに変化がない。

コロナとワクチン、両者の綱引き依然継続か

ドル円日足


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