ドル下値不安再燃、9月安値めぐる攻防注視(10/28夕)

28日の東京市場は、ドルは小幅に続落。104.20円台まで下落し、直近安値を更新する局面も。

ドル下値不安再燃、9月安値めぐる攻防注視(10/28夕)

ドル下値不安再燃、9月安値めぐる攻防注視

〇ドル円小幅に続落、104.20台まで下落し直近安値を更新
〇マクロン仏大統領、28日夜のテレビ演説で全国的なロックダウン措置発表か
〇米国による台湾への武器売却、中国外務省は対抗措置発動の方針を改めて示す
〇本日注目は米財務省5年債の入札実施やカナダ中銀による政策金利発表、米企業決算発表など
〇本日欧米時間のドル円予想レンジ103.70-104.60

<< 東京市場の動き >>

28日の東京市場は、ドルは小幅に続落。104.20円台まで下落し、直近安値を更新する局面も。

ドル/円は104.40円前後で寄り付いたのち、当初はドル買い先行。日中高値である104.55円レベルへとじり高推移となった。しかし、買いは続かず軟落に転じると、昨日記録した直近安値104.39円を下回り、夕方にかけて104.20円前後まで値を下げている。日経平均とNYダウ先物、日米株価がともに弱含みになったことなどが嫌気されていたという。結局、16時現在でもドルは安値圏から脱せず、104.20-25円で推移し、欧米時間を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「欧州における新型コロナ」と「米中の対立」について。
前者は、新型コロナの拡散が止まらない欧州で、規制強化やイベント中止の動きが進んだことが失望を呼ぶ。ベルギーやチェコで夜間外出禁止の措置を導入したほか、「フランス政府が1ヵ月間の全国的なロックダウン(都市封鎖)措置を検討している」との一部報道も観測されていた。また別に、ロシアのラブロフ外相が新型コロナウイルス感染者と接触したことを受け、自主隔離措置を取ったことも明らかに。

対して後者は、米国による台湾への武器売却について、中国外務省がロッキード・マーチンなど関連する米企業に制裁を科す方針を示したことに続き、「正当かつ必要な措置を取り、国家主権と安全保障の利益を守り抜く」として声明を発表したうえで、対抗措置を発動する方針を改めて示していた。また、米国務長官によるベトナム訪問を前に、「中国とスリランカの関係に良くない種をまいて干渉し、スリランカを強要し、いじめようとしていることに断固として反対する」といったコメントを発表し、その行動をけん制している。
そうしたなか、米国は「対中関税をルール違反とする判断を不服」として、WTOに上訴したことを明言。新たな火種となりそうな気配もなくはない。

<< 欧米市場の見通し >>

11月3日の「米大統領選」そして「米上院選」に注目しつつも、足もとでは欧州を中心とした「新型コロナの感染拡大」が懸念要因として急浮上してきた。実際、フランスでは前述したように「政府が1ヵ月間の全国的なロックダウン(都市封鎖)措置を検討している」とされ、マクロン大統領が28日夜に行うテレビ演説で、その旨を発表する公算が大きいとも噂されている。しっかりとした注意を払いたいところだ。
一方、それとは別に「英とEUの通商交渉」ならびに「米の新型コロナ経済支援協議」の行方についても、引き続き要注意。ただ、ともに膠着感が強く、早期の妥結はもはや見込みにくいと言わざるを得ないだろう。関係者などによる発言は要注意だが、影響は一時的なものにとどまる公算が大きいのかもしれない。

テクニカルに見た場合、ドル/円は難解な局面へと入ってきた。「今回も下値トライはダマシ」と考えてきたのだが、予想に反し、ここにきてドルは再び下げ足を強めている。フィボナッチなどの観点でも、次の下値メドは9月安値である104円ちょうどで間違いない。
ただ反面で、日本の当局による「口先介入」警戒感などもジワリと取り沙汰され始めている。確かにレベル的には、すでに「要注意ゾーン」だ。思わぬドルの急反発などにも一応注意しておきたい。

材料的に見た場合、中長期的には「米中の対立」やそれだけにとどまらない「中国情勢」、「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス再拡大とワクチン開発」、「米大統領選」、「ベラルーシ情勢」、「トルコ情勢」−−などが注視されている。
そうしたなか本日の材料としては、9月の卸売在庫など幾つかの米経済指標が発表されるものの、全般的には小粒で市場の関心もそれほど高くはない。マーケットへの影響も限られる展開か。ただ、米財務省による5年債の入札実施やカナダ中銀による政策金利の発表、米企業決算発表など、全体とすれば材料は決して少なくないようだ。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは103.70-104.60円。本日の東京高値にあたる104円半ばが最初の抵抗として意識されている。超えると、先日記録したドル高値105.05円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、9月安値である104円ちょうどをめぐる攻防にまずは注目。下回るようなら、年初来安値101.19円を起点とした大きな上げ幅のフィボナッチ76.4%戻しにあたる103.65-70円を目指す展開も。

ドル下値不安再燃、9月安値めぐる攻防注視

ドル円日足


注:ポイント要約は編集部

オーダー/ポジション状況

関連記事

「FX羅針盤」 ご利用上の注意
当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。

ページトップへ戻る