菅新総裁誕生も影響軽微、やはりFOMC待ちか(9/14夕)

週明け14日の東京市場は、ほぼ横這い。106円台前半、15ポイント程度のレンジ取引に終始している。

菅新総裁誕生も影響軽微、やはりFOMC待ちか(9/14夕)

菅新総裁誕生も影響軽微、やはりFOMC待ちか

〇ドル円、106円台前半のレンジ取引でほぼ横ばいの推移
〇自民党総裁選実施、菅官房長が全投票数の7割を獲得し新総裁に
〇TikTokの米国事業はオラクルがテックパートナーになり事業売却とはならない方向へ
〇自民党総裁選はあまり材料視されず市場は膠着状態、米FOMCが開催されるまで様子見ムードか
〇本日欧米時間のドル円予想レンジ105.60-106.40

<< 東京市場の動き >>

週明け14日の東京市場は、ほぼ横這い。106円台前半、15ポイント程度のレンジ取引に終始している。

先週末には、動画投稿アプリTikTokに関するいくつかの報道が観測され、それぞれ話題になったほか、安倍首相の後任最有力候補とされる菅官房長官が一部メディアに発した発言も、市場関係者のあいだなどで思惑を読んでいたようだ。
そうした状況を受けて取引が開始したドル/円は106.05-10円でオープンしたものの、市場はおおむね売買手控えムード。午後に、注目の自民党総裁選が実施され、安倍首相(自民党総裁)の後任が決まることで手を出しにくかったこともあったが、結局のところ菅氏に決まってもとくには動かず。レンジ相場が続く格好のまま、16時現在では106.00-05円で推移、欧米時間を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは、「菅官房長官の言動」と「TikTo売却」について。
前者は、週末にテレビなど複数メディアを通じて伝えられた菅官房長官の発言が思惑を呼ぶ。たとえば、「衆院の解散・総選挙は次期首相の判断になる」、「政府が政策を決めたあとも反対する官僚には異動してもらう」、「消費税増税は10年考えない」、「現行で収まらないなら次の手、追加経済対策も検討」−−などとする発言が聞かれていたようだ。なお、本日午後の自民党総裁選が実施され、予想通り菅官房長官が全投票数の7割を獲得する大勝で、新総裁に選出されている。

対して後者は、週末にロイターが「中国当局はTikTokの米事業に反対、売却強制なら閉鎖を望む」と報道。また、香港英字紙は「TikTokの米国事業の売却交渉をめぐり、同社が中核技術を対象から外すことを決め、米政府や交渉相手に通知」したと伝えていた。ともに、売却協議の難航を予見させるものだったが、本日早朝になり急転直下の妥結をみた。その際も、米紙が「TikTok、米マイクロソフトの買収提案を拒否」などとされたことに続き、「オラクルがTikTok米事業のテックパートナーに」なったと報じられている。ただ、米紙WSJによると、「TikTokとオラクルは提携、事業売却ではない方向」であるため、トランプ氏の望む決着ではない。そのため、同紙では「トランプ政権が認めるかは不明」と結論付けていた。動静には引き続き要注意だ。

<< 欧米市場の見通し >>

「日本の政局」、自民党総裁選はもう少し金融市場で材料視されると予想していたのだが、正直期待外れの膠着ぶりだ。市場では「菅新総裁誕生は織り込み済み」との指摘が多いうえ、16日の「新首相選出」も見極めたいとの声も聞かれていた。また、そうでなくとも今週は15-16日に注目の米FOMCを控えていることもあり、それまでは市場の様子見ムードの強い状況が続く公算が大きいのかもしれない。

材料的に見た場合、「米中の対立」やそれだけにとどまらない「中国情勢」、「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルスとワクチン開発」、「米大統領選」、「安倍首相辞任とその後継者人事」、「ベラルーシ情勢」など注目要因は依然として目白押し。それらに加え、さらに「毒殺未遂事件を中心としたロシア情勢」も市場の注目を集めはじめている。「日本の政局」については、前述したように菅自民党新総裁が誕生したことで、次の関心は「新首相就任と組閣人事」。そして、週末に麻生財務相が「すぐに衆院解散かもしれない」と脅したような状況になるのか否かに注目だ。いずれにしても、次の一手待ちといった感がある。

テクニカルに見た場合、先週のドル/円相場は一週間を通して105.79-106.38円という59銭レンジ。そして、本日もここまでそのレンジ内にとどまっている。引き続きレンジ放れの方向性とタイミングが注視されていることは間違いない。
なお、先週大きく下落した英ポンドだが、目先は下げ止まっていることで、このまま反発に転じるのか否か、それとも下落が再開するのか、参加者の多くは情勢を注視している。

本日は、とくに目立った米経済指標の発表は予定されていないだけでなく、全体的に新規要因が乏しい。FOMC前のいわゆるブラックアウト期間にあたり、米通貨当局者が講演などを実施できないことも、目先の市場動意を妨げそうだ。
ただ、先でも報じた「TikTok売却」について、トランプ米大統領が如何なる判断を下すのか、それによっては市場の波乱要因となりかねないとの指摘も聞かれている。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは105.60-106.40円。時間足など短期ベースのテクニカルポイントにあたる106.30円レベルが最初の抵抗。抜ければ106円半ばを目指す展開か。
対するドル安・円高方向は、ごく短期的にみた際106円レベルが目先のサポートとして意識されている。下回ると直近安値105.79円、そして105.20円、105.10円などがターゲットに。

菅新総裁誕生も影響軽微、やはりFOMC待ちか

ドル円時間足

注:ポイント要約は編集部

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