コロナ第2波巡り一喜一憂も、方向性乏しい(7/8夕)

8日の東京市場は、小幅ながら「行って来い」。117円半ばから後半へ、一時20ポイント強の上昇を見せたが、結局すべてを吐き出す格好となった。

コロナ第2波巡り一喜一憂も、方向性乏しい(7/8夕)

コロナ第2波巡り一喜一憂も、方向性乏しい

〇ドル円一時107.70-75円へと値を上げるも早朝安値である107円半ばまで値を崩す
〇「新型コロナの第2波への警戒」、「米中対立」が引き続き注目材料
〇本日、故金日成主席の死去26周年を迎えるなか対北特別代表ビーガン米国務副長官が韓国訪問
〇107.70-80を上抜ければ前回高値108.16、107.25を割り込めば前回安値106.80がターゲット
〇欧米時間のドル円予想レンジ107.00-107.80

<< 東京市場の動き >>

8日の東京市場は、小幅ながら「行って来い」。117円半ばから後半へ、一時20ポイント強の上昇を見せたが、結局すべてを吐き出す格好となった。

ドル/円は寄り付いた107円半ばを日中安値に、緩やかな右肩上がり。一時107.70-75円へと値を上げた。日米の株価がともに強含みに推移したことを材料にしていた。しかし、ドル買いの動きは続かず、高値を示現後に反落。結局、早朝安値である107円半ばまで値を崩す「行って来い」に。16時現在では、寄り付きレベルに近い107.50-55円で推移し、欧米時間を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「新型コロナをめぐる動き」と「米中の対立」について。
前者は、昨日東京時間に話題となった2つの事象のうち、「ブラジル大統領にコロナの症状」とだけしか報じられていなかったものについては、そののち「検査でコロナ陽性と判明」した。同国通貨レアルの弱材料に。また、NYタイムズ報道の「コロナが空気感染する可能性」は、WHOが「感染経路のひとつである可能性を見極めている」などとし、一部については事実と認めた格好になったため、さらに物議を醸している。なお、そうしたなか、ロイターの集計でコロナ感染者は米国だけで300万人を突破したことが明らかとなった。

対して後者は、米中の対立はこれまでも折につけ話題となっていたが、昨日は従来の「香港情勢」ではなく別の問題が複数指摘されていた。ひとつは、情報管理・スパイ行為に関してで、米国務長官が「TikTok(ティックトック)など中国企業が手掛けるソーシャルメディアのアプリを、使用禁止とすることを検討」と発言。また、中国共産党に批判的な清華大の許氏が中国当局によって拘束されたことを受け、米国務省報道官から「開放要求」発言が発せられたほか、ポンペオ氏は「チベット政策で中国当局者にビザ発行の制限を行う」とし追加制裁を示している。

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世界各地で「新型コロナの感染第2波」への懸念が取り沙汰されるなか、たとえば豪州のメルボルンでは「再び外出規制を導入」したことが明らかとなった。一部で経済活動再開が延長されているだけでなく、時計の針を戻すような動きが少しずつ現実のものとなっていることは非常に気掛かりだ。先で取り上げた、「コロナが空気感染する可能性もある」との報道も驚くべき内容で、先行き不透明感を増長させている感を否めない。ともかく、このあとも続報や関連報道には要注意。

材料的に見た場合、「貿易や香港情勢などを含めた米中の対立」や「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス」、「米大統領選」、「雇用を含めた米ファンダメンタルズ」など注目要因は依然として目白押し。そうしたなか、もっとも注意を要するのは、引き続き「米中対立」と「新型コロナの第2波」への警戒になる。なお、それらの影に隠れる格好で、本8日に北朝鮮・金日成主席死去の26周忌を迎えるなか、対北特別代表を務めるビーガン米国務副長官が現在韓国を訪問中。その一方、「金委員長が幹部たちと錦繍山太陽宮殿を参拝した」とも伝えられている。北朝鮮情勢も波乱含みである。

テクニカルに見た場合、引き続き107円台での値動きでレンジ取引から脱却できず。過去1週間ほどは実に107.25-80円、50ポイント強の狭いボックス圏に入り込んでしまっているようだ。いずれにしても、まずはレンジ放れのタイミングと方向性に注目で、上抜ければ前回高値の108.16円、逆に割り込んだ場合には106.80円が、それぞれターゲットに。

一方、本日はMBA住宅ローン申請指数など幾つかの米経済指標が発表されるものの、小粒なものが多く市場の関心も低い。基本的にはノーインパクトか。
ただ、米財務省による10年債の入札やデイリー・サンフランシスコ連銀総裁、バーキン・リッチモンド連銀総裁などによるオンライン討論会参加、米・メキシコの首脳会談といった要因も多く、場合によっては要人の発言が波乱材料となる可能性もある。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは107.00-107.80円。上方向は、先週後半から少なくとも3回はドルの上値を抑制している107.70-80円の攻防を注視。抜ければ、前回高値の108.16円が視界内に。
対するドル安・円高方向は、昨日安値107.25円が最初のサポートか。割り込むと前回安値の106.80円や、さらに下げが加速すれば106.08円がターゲットとなる。

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ドル円日足

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