ドルはかつてのレンジに回帰、FOMCなど注視(20/6/10夕)

10日の東京市場は、引き続きドルが弱含み。夕方にかけて107.30円台まで下落し、5月半ばから形成したかつてのレンジへと回帰している。

ドルはかつてのレンジに回帰、FOMCなど注視(20/6/10夕)

ドルはかつてのレンジに回帰、FOMCなど注視

〇ドル円は弱含み一時107.30台まで下落
〇ドル円は5月半ばから3週間近く形成した106.74-108.09レンジに回帰
〇ここからのドル下値余地は小さいが上値トライは失敗か
〇一方で5月安値105.99円を中心とした逆ヘッド&ショルダーを形成中との見方もでき、急反騰に注意
〇本日はFOMCとパウエル議長会見要注意
〇金利据え置き予想、パウエル会見はマイナス金利など緩和強化への言及無しが大方の見方か
〇欧米時間のドル円予想レンジ106.90-107.90

<< 東京市場の動き >>

10日の東京市場は、引き続きドルが弱含み。夕方にかけて107.30円台まで下落し、5月半ばから形成したかつてのレンジへと回帰している。

ドル/円は107.70-75円で寄り付いたのち、当初ドルは底堅く推移。一時107.85-90円まで達成する局面も観測されていた。しかし、昼ごろに底割れすると、以降のドルはじり安推移。夕方には日中安値である107.30-35円まで下落する局面も観測されている。16時現在でも、ドルは安値圏である107.35-40円で推移、欧米時間を迎えていた。
なお、本日は全般的に円高だが、同時にドル安も進行。よって、ポンド/ドルは前日に記録した戻り高値を更新、1.28ドル台回復も視界内に捉えられている。

一方、材料的に注視されていたものは、「中国情勢」と「各国人事などをめぐる動き」について。
前者は、香港を中心とした米中の対立はいまだ終息のメドが経たないなか、それ以外の国に対する中国のやり取りが一部で話題に。たとえば、中国教育省は「コロナで差別が増加している」ことを理由に、豪州への留学に慎重な判断を呼び掛けたことが明らかになったほか、8日に実施した英中外相会談で、ラーブ英外相に対し「香港への関与は純粋な中国の内政問題であり、外部からの干渉は許されない」と異例の強い文言で牽制していたという。また、米露が核軍縮をめぐる高官協議に中国を招待したことについて、同国外務省が「3ヵ国の軍備制限交渉に参加するつもりはないと」と拒否するコメントも発していた。

対して後者は、欧州においてポルトガルのセンテノ財務相が辞意を表明し、15日付で退任すると発表された。ちなみに、センテノ氏はユーログループ議長も務めているが、こちらも7月13日の任期満了をもって退任するという。加えて、欧州委員会のホーガン委員が世界貿易機関(WTO)次期事務局長選に立候補することを検討していると明らかにしたほか、米紙WSJが報じた「トランプ氏、エスパー国防長官解任を一時検討するも思いとどまる」といったニュースも思惑を呼んでいたようだ。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は5月半ばぐらいから3週間近く形成していた106.74-108.09円のレンジを、今月初に上放れ。一時109.85円まで上昇し、ドルの上値展望が開けたかに思えたが、そののち失速。本日東京時間には107.30円台まで続落し、元のレンジへと回帰してきた。完全なる「行って来い」。ここからのドル下値余地はさほど大きくないと予想するものの、上値トライが失敗した感は否めない。しばらくは、107円台を中心に冴えない値動きをたどるといった声も聞かれている。

材料的に見た場合、「貿易や香港情勢などを含めた米中の対立」や「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス」、「米大統領選」、「全米に広がるデモ活動」など、注目要因は依然として目白押し。そうしたなか、もっとも注意を要するのは、引き続き「米中対立」と、「全米に広がるデモ活動」の動きになる。そのほか、米ファンダメンタルズ要因への関心も総じて高いが、本日に限ればやはり米FOMCと、パウエルFRB議長の記者会見に要注意。ちなみに、FOMCは金利据え置き予想、パウエル会見はマイナス金利など緩和強化への言及なし、といった見方が有力なようだ。

テクニカルに見た場合、ドル/円は5月安値105.99円を中心とした逆ヘッド&ショルダーを形成中−−といった色彩がさらに濃くなった感もある。つまり、ヘッドにあたる105.99円を中心に、左右シンメトリー(左右対称形)の様相だ。仮に、このあとも続くとすれば、一見下方向へのリスクがうかがえるものの、実は底堅いのかもしれず、むしろドルの急反発にこそ注意を払いたい。

本日、5月の米消費者物価指数が発表される予定となっている。市場の関心は決して低くないものの、そののち米FOMCやFRB議長の会見が予定されていることからすると、影響は限られる展開か。
また、それらとは別に、最近の相場はユーロなどがアクティブな値動きをたどっている環境下実施されるデギンドスECB副総裁らによるオンラインイベントでの講演にも注意を払いたい。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、106.90-107.90円。移動平均の25日線など複数のテクニカルポイントが位置する107.70-80円をめぐる動きにまずは注目。上抜ければ108円台回復も。
対するドル安・円高方向は、5月末に記録したドル安値107.08円が最初のサポートか。割り込んだ場合には107円割れ、フィボナッチのサポート106.90円レベルや106.74円などがターゲットに。

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