米5月消費者物価指数(CPI)予想
本日、米国5月消費者物価指数(CPI)が公表されます。3月央から顕著になったコロナウィルスの拡大により4月は全体及びコア共に前月比マイナスになりました。5月は前月比が横這いで、年率は水面上です。原油価格の大幅な反発や好調な株式を反映し、エコノミスト予想では4月に底打ちした形になっています。
もし予想より好結果になれば米金利は底固くなり、逆に予想を下回るマイナスになれば、上昇気味だった10年債金利が再び軟化する可能性があります。CPI発表後にはFOMCの政策金利公表も控えているので、CPIだけでは材料視され難いかもしれませんが、FOMC内での金利見通しとCPI結果とに整合性がない場合には金利・為替相場に影響を与えそうです。
2020年6月10日9時現在予想
下図(1)は前月比ベース(全体)の推移を示しています。5月が予想通りの0.0%になっても、オレンジ色の6ヶ月移動平均線は2ヶ月連続のマイナスとなります。2014年11月には5ヶ月連続のマイナス(エボラ出血熱の影響)になりましたが、それ以来のインフレ低下です。
(1)米国消費者物価指数(CPI)前月比ベース推移
(青い矢印は今回の予想値、赤はゼロ)
一方、下図は前年比ベースのCPIとPCEインフレのコア数値です。両者はある程度相関しており、前年比ベースのCPIコアは4月・5月と下がっているので、PCEコアも次回発表(6月26日予定)は一段と下がる可能性があります。FRBのインフレ目標(2%)としているPCEコア(オレンジ色)は目標インフレからさらに遠ざかる見込みになります。
(2)米・CPIコア(青)とPCEコア(オレンジ)の前年比ベースの推移
(赤はFRBのインフレ目標値2%、緑より右は今回予想値)
(注:CPIは米労働省統計局が発表し、世帯調査に基づく家計消費に関し、その購入に関わる費用の変化をみたもの。PCEは米商務省統計局が発表し、主に事業所調査に基づいての消費構造の変化をみるもので、PCEには医療保険に関わる費用なども含まれているため、カバーされる範囲が広いのでFRBのインフレ指標に採用されています。)
下図はドル円の日足です。先週火曜日にラインA(=107円75銭)とE(=107円60銭)の3角保合いを上抜けてドル高地合いとなりましたが、結局3月26日の窓であるラインC(=109円60銭)を埋めただけで、9日・10日にはドルが大きく反落し、再度ラインAとEのサポートで止まっています。もし今日のCPI数値やFOMCの内容次第でNY株売りや金利軟化などがでると、このAとEをトライする可能性が高まります。そしてEを割るような事態になれば、AとB(=105円00銭)のドル安トレンドラインが復活します。逆に株買いや金利高であれば、再びドル高地合いを維持することが高まります。現状はAとEが収斂し、交差寸前ですので、日柄では煮詰まっていると思います。
ドル円日足(6月10日10:10 1ドル=107円75銭)
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