欧州中央銀行(ECB)政策金決定会合後の総裁記者会見要旨(20/6/5)

昨日、ECB金融政策会合が開催され、その後ラガルド総裁の記者会見が行われました。

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欧州中央銀行(ECB)政策金決定会合後の総裁記者会見要旨(20/6/5)

欧州中央銀行(ECB)政策金決定会合後の総裁記者会見要旨

(2020年6月4日木曜日)

昨日、ECB金融政策会合が開催され、その後ラガルド総裁の記者会見が行われました。以下はご参考までに、ラガルド総裁記者会見要旨の一部です。また追加緩和策が好感され、ユーロ高が一段と進みました。

(ラガルド総裁記者会見要旨)

@ 深刻な雇用と収入の喪失、及び経済見通しに関する著しく増大する不確実性により、消費支出や投資が大きく下落した。
A ウィルス封じ込め政策により、徐々に緩和され最近の経済データには幾つかの底入れ感ある兆しが見られるものの、その改善は、指標が過去2か月に急落した速度と比較すると生温い。
B ユーロスタッフの経済見通しでは今年第2四半期の成長は前代未聞のペースになると予想している。下半期には財政や金融政策の手助けにより再び改善すると見ている。
C ECBの使命に沿って、運営委員会は、色々な部門や国々こえて、必要な金融緩和措置と金融政策の円滑な伝達を確実なものにすることを決定します。それに応じて、我々は段階的に再開した経済や中期物価安定を守るために一連の金融政策を決定した。

D 最初に、パンデミック緊急購入プログラムの限度額(PEPP)を6000億ユーロから計1兆3500億ユーロに増額した。
E 第2に、PEPPの下で購入拡大の期間を少なくとも2021年6月末まで延長した。これは運営委員会がコロナウィルスの危機局面が終了すると判断するまでである。
F 第3に、運営委員会がPEPPの下で、満期到来した有価証券の元本に関しては、少なくとも2022年の終わりまで再投資することを決定した。
G 第4に、資産購入プログラム(APP)の下で、ネット購入額を月々200億ユーロのペースを継続する。今年の年末までは追加の一時的購入額1200億ユーロも行う。
H 第5に、APPの下で、満期の来た有価証券の元本については全額再投資を継続する意向である。
I 第6に、ECBの主要金利据え置きを決定した。

J 今日の決定は、家計や企業の流動性や資金調達を支えるものである。そして、運営委員会はこの困難な時期にユーロ圏の全ての市民を支える使命内であれば、必要な全てを行うことを約束する。
K 6月に公表されるユーロスタッフの経済見通しによれば、ベースラインとなるシナリオでは2020年GDPは▼8.7%成長、2021年に5.2%、2022年には3.3%のリバウンドを見ている。
L 2020年3月末期のユーロスタッフの予想と比較すると、実質GDPの見通しは2020年に9.5%ポイントの下方修正がされ、2021年は3.9%、2022年は1.9%の上方修正がされる。

M 現状では極端に不確実性が広まっているので、見通しでは2つの代替シナリオを含んでいる。要はマイナスや回復の期間はコロナウィルスの対策の期間や効果に依存している。
N HICPインフレは4月の0.3%から5月に0.1%まで下落した。中期的には、一層と弱い需要により物価の下方圧力がかかるだろう。ユーロスタッフの6月見通しでは、ベースラインシナリオで、HICPは2020年は0.3%、2021年は0.8%、2022年は0.3%と予想している。
O 運営委員会はEUが提案している経済再生計画には大歓迎である。

(通貨供給や質疑応答は略)

(注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。
出所:ECB HPから

ユーロドルの相場は、ECB金融政策会合までは1.1235〜40で推移していましたが、金融政策発表とラガルド総裁記者会見を好感したユーロ買いに高値1.1362まで買われました。
昨日のECB金融政策予想で添付したラインC=1.1390の目前まで上昇しています。今日はこのライン絡みまでで止まるのか、一気に上抜けするのか注目されます。上抜けた場合の抵抗線は1.1410〜20、3月高値の1.1495のダブルトップ狙いになります。下値は1.1220〜30、1.1170〜80にサポートがあります。今日のNYで前者を割れて終わると、1.1390が目先の高値になりそうです。
(6月5日11:15、1ユーロ=1.1327)

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