欧州中央銀行(ECB)政策金利発表
欧州中央銀行政策金利予想
(6月4日9時00分現在)
本日のECB金融政策はエコノミスト予想値では金利に関して全て据え置きになっています。従いまして、現行政策に追加されるとしたら、債券購入額の増加や流動性維持の政策に留まりそうです。
また、今月はユーロスタッフの経済見通しが発表される予定になっており、記者発表要旨には少し言及されると思われ、それに対する対応策などが盛り込まれる可能性があります。欧州でもコロナウィルスの影響が沈静化方向になっていますが、この見方に対するコメントにも注目したいと思います。
下記は前回2020年4月29日・30日のECB金融政策に関する議事要旨の一部抜粋した和訳です。経済見通しに関する項目に関してとなっています。
@ コロナウィルスの今後の展開に関しては非常に不確実性高く、差し迫ったリセッションがどの位の大きさや期間になるか、そしてその後の回復についても予想することは非常に困難である
A ユーロスタッフによるユーロ圏経済の見通しが6月に発行される予定である。
B この6月の見通しは、前回3月見通しと比較して、著しく下方修正されるだろう。
C その先取り情報は無しとして、ユーロスタッフの見通しでは今年のGDPは5〜12%の間でマイナスとなり、その後回復や正常化を辿ると予想している。(注:12%はその時点で最悪を想定した場合の数値)
D マイナス幅や回復の程度はコロナウィルスの今後の状況、国内需要や、家計収入、あるいは雇用の状況に依存している。
E HICPインフレは3月の0.7%から4月に0,4%まで下がったが、現況のインフレは今後数か月間を見ると、一段と下がっていくと見られる。これは経済の急減な下方圧力によるものである。但し、中期ではコロナウィルスのパンデミックの行方次第である。
F 以下の緩和策を決定した。
・長期リファイナンスオペ(TLTRO V)の一段の緩和
・目標を置かないパンデミック用緊急長期リファイナンスオペ(PELTRO)を新しいシリーズを設ける。これは流動性の供給。
・3月に決めたパンデミック緊急債券購入(PEPP)額7500億ユーロを継続
・更に、毎月の債券購入(APP)200億ユーロ、及び年末までの追加購入1200億ユーロを継続する。
・満期の到来した債券の再購入
・金利は0.00%で据え置きを決定。
(以上)
(注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。
出所:ECB HPから
尚、本日はECBの金融政策前にユーロ4月小売売上高の発表があります。
下図は過去何度か添付させて頂いたユーロドルの週足です。先週まではラインA(=1.1150)とB(=1.0600)のユーロ安トレンドライン内で推移していましたが、今週は既に上抜けています。このまま実態部分が週足でAを越えて終わってくれると、ラインC(=1.1390)方向を狙える流れになります。もし明日のNY終値でラインA内に引き戻されると、上ヒゲだけの抜けになり、一度ユーロ買いからの調整入りになりそうです。その際は、D(=1.1030)とE(=1.0830)の2つのサポートが目途になりそうです。
(2020年6月4日13:50、1ユーロ=1.1215ドル)
オーダー/ポジション状況
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