約1か月半ぶり高値圏へ急伸するも米中対立激化が相場の重石に
〇南アランド円 原油先物価格上昇、南ア中銀によるGDP見通し大幅上方修正で堅調推移
〇一時3/27以来の高値6.15に上昇、6.11で越週
〇南アランド円相場は、テクニカルな力強さ見られるがファンダメンタルズの弱さが続伸を阻むシナリオか
〇引き続き、南アランド円相場軟調推移がメインシナリオ
〇南アランド円来来週の予想レンジ5.80ー6.30
今週のレビュー(5/18−5/22)
今週の南アフリカランド円相場は、週初5.74円で寄り付いた後、@世界的な外出規制の緩和を受けた楽観ムードの広がり(南アフリカでも段階的に再開)や、A原油先物価格や株式市場の持ち直しを受けたリスク回避ムードの後退、B短期筋によるショートカバーの活発化、C南ア中銀によるGDP見通しの大幅上方修正(南ア中銀は政策金利を4.25%から3.75%へ50bp引き下げると共に、2021年のGDP見通しを2.2%から3.8%へ上方修正、2022年のGDP見通しも2.7%から2.9%へ上方修正)が支援材料となり、週後半にかけて、3/27以来となる高値6.15円まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、結局、6.11円での越週となっております。
来週の見通し(5/25−5/29)
南アフリカランド円相場は、4/24に記録した史上最安値5.60円をボトムに反発に転じると、今週後半にかけて、約1ヵ月半ぶり高値となる6.15円まで急伸しました。この間、一目均衡表転換線や基準線、ボリンジャーミッドバンドや一目均衡表雲下限を上抜けするなど、テクニカル的にみて、「地合いの強さ」を印象づけるチャート形状となっております。
但し、ファンダメンタルズ的に見ると、@南アフリカ経済を巡る先行き不透明感や、A国営電力会社エスコムを巡る負債問題(度重なる計画停電→南アフリカ経済減速)、B米中対立再燃リスク(米中対立リスクが再燃すれば、経済的な結びつきの強い南アフリカ経済に悪影響が及ぶ恐れ)、C中東を巡る地政学的リスク、D南アフリカ国内における新型コロナ第2波リスク(外出規制緩和後に再度感染者数が増加に転じるリスク)など、不安材料は引き続き沢山残っている状況です。
以上の通り、南アフリカランド円相場は、テクニカル的に力強さが見られるものの、ファンダメンタルズ的な弱さが続伸を阻むシナリオが想定されます。新型コロナウイルスの感染拡大に端を発した南アフリカ経済への下押し圧力や、米中対立懸念の高まりを受けた南アフリカ経済への波及リスクが重石になると見られ、当方では引き続き、南アフリカランド円相場の軟調推移をメインシナリオとして予想いたします(※来週はショートカバー一巡後の反落リスクに注意。足元米中対立を巡る報道が激しさを増しつつあり、トランプ米大統領のツイートを含むヘッドライン全般への感応度が高まる展開に。また、来週は5/27に予定されている南ア4月消費者物価指数や、5/29の南ア4月貿易収支などにも注目)。
来週の予想レンジ(ZARJPY):5.80ー6.30
南アランド円日足
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