トルコリラ円レポート月曜版
まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが、過去2週間の動きの中でのもみあい継続と見て「18.10レベルをサポートに18.40レベルをレジスタンスとする週」を見ていました。実際のレンジは、安値が18.07レベル、高値が18.35レベルと、ほぼ予想のレンジ内での動きに収まる一週間となりました。
先週のトルコリラは、前週金曜に対ドルで当局がトルコリラ安を阻止していた5.98台後半を突破したことが、その後のトルコリラ安へとつながったのですが、先週もドルトルコリラはトルコリラ安の動きを継続し、金曜には6.0678のドル高値をつけました。トルコリラ安の背景には、対外的にはシリアとの緊張の高まり。国内的には今週のトルコ中銀金融政策決定会合における利下げ思惑があります。
どちらも常にトルコリラにとっては悪材料として捉えられている材料ですが、シリア北西部ではトルコとシリアが交戦する状態になっていて、15日のエルドアン・トランプ両大統領による電話会談でも、シリア情勢がテーマとなったようですが、今後の状況次第では米国の支持を得てシリアを攻撃する動きに発展する可能性があり、トルコリラの大きな悪材料となっています。
もうひとつは19日のトルコ中銀による金融政策決定会合です。トルコ中銀は連続した利下げにより、先月はついに政策金利がインフレ率を下回る水準となる11.25%となりました。そして、今週の会合でも0.5%の利下げを行うというのがコンセンサスとなっています。既に十分な利下げを行ってきたところに更なる利下げとなると、再びインフレ懸念が出てきますし、前回利下げからは利下げを金利差縮小も重なってトルコリラ売り材料となっています。
サプライズで現状維持となればトルコリラ買いに動く可能性もありますが、コンセンサス以上の利下げ幅となった場合には年初来安値18.00を下抜ける動きになってくるでしょう。仮にコンセンサス通りの利下げ幅だとしても、金融政策以外でのシリア問題等に目が行き、いずれにしてもトルコリラ安要因とされやすいと見ています。
テクニカルな観点からいつもの4時間足チャート(上からトルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円)をご覧ください。
ここ3週間ほど横方向へのもみあいが続いていて、上値は18.38レベル、下値は18.07レベルのほぼ30銭レンジに収まっています。しかし、材料的には上抜けは考え難く、レンジを下抜けしてきた場合には年初来安値の18.00を試しに行き、さらなる安値を見に行く可能性が出てきます。
念のため、その下のターゲットを見ておきましょう。こちらは日足です。
昨年8月安値とその後の高値の61.8%押しが17.99となっていて、年初来高値と一致しています。次のターゲットとなると78.6%(61.8%の平方根)押しとなる17.67です。下抜けた際には急速に走る可能性があり、一気に同水準まで下げる可能性は考えておくべきです。
今週は上値が重く年初来安値を更新する可能性が高いと見て、17.80レベルをサポートに18.30レベルをレジスタンスとする週を見ておきます。
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