ランド円レポート月曜版
まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが、下降トレンド継続を考え「7.00レベルをサポートに7.40レベルをレジスタンスとする週」を見ていました。実際のレンジは、安値が7.20レベル、高値が7.48レベルと、思いのほか底堅い動きの一週間となりました。
先週のランドは、週明けの中国市場再開とともに人民銀行による流動性の供給をはじめ、状況次第では金融緩和や財政出動もという楽観的な見通しが広がり急速にリスクオフの巻き返しが進みましたが、中国が最大貿易相手国である南アにとっても好材料となり、ドル高の動きの中でドルランドではランド買いの動きが目立つ週前半となり、ランドは対ドルでも対円でも木曜東京市場までは堅調な動きを見せました。
しかし、木曜の東京市場でダウ先物が高値をつけ、その後はじり安の動きとなった動きの中で他のクロス円同様に週末の引けまではじり安の展開を辿ることとなりました。そうした中で6日に南アフリカ航空は香港路線をはじめいくつかの国際線からの撤退、また国内線でも発着を減らすことで経営再建につなげるとしましたが、南アのお荷物であるエスコムと南ア航空の状況が思わしくないこともランドの悪材料とされました。
また金曜にはトルコリラが一時的に急落したことから他の新興国通貨にも影響が出ましたが、ランドでも上値を抑える動きになったと考えられます。今週はいくつかの経済指標はありますが、もっとも気になるのは新型コロナウイルスの感染拡大が依然として続いていて、先週は株高に引っ張られてのリスクオン相場でしたが、その動きが一巡してくると改めて中国の景気減速懸念からリスクオフの動きになりやすいこと、そして中国材料のためランドへの影響が大きいという点です。
またテクニカルにも現在のランドはランド安トレンドを継続しやすい動きと言えるのですが、今週はまずドルランドの日足チャートからご覧ください。
年初のドル安値(ランド高値)以降は着実にランド安の状態が続いていて、大きくはピンクの太線のサポートライン、直近ではピンクの細線の上昇チャンネルの中で、昨年10月あるいは8月のドル高値(ランド安値)、水準的には15.400を試しやすい地合いにあります。
南ア国内の財政状況をエスコム、南ア航空の経営難が影を落としているところに、今回の中国発の新型コロナウイルス感染拡大による外部要因と、3月のムーディーズ格付け見直しを前にして、格付け引き下げの懸念が強まっています。今回も現状維持となる可能性はありますが、それまではランドはじり安の展開を辿りやすいと見ていた方が安全です。
いつもの4時間足チャート(上からランド円、ドルランド、ドル円)もご覧ください。
ここではランド円に注目しますが、ランド円の動きとしては暫定的に青の平行線で示した下降チャンネルの中でのランドじり安のイメージを描いてみました。値幅観測では1月23日高値7.68を起点とした逆N波動を考えていますが、先週の金曜安値はフィボナッチ・エクスパンションでは50%エクスパンションとは重なるものの、先週初の安値をトライしていない水準ですから、61.8%エクスパンションとなる7.18はつけたほうが自然です。
また下降チャンネルが有効であるならば、78.6%(61.8%の平方根)エクスパンションとなる7.10は11月1日安値(7.12)とも近くターゲットとなりやすい水準となります。7.0円の大台の前にまずは、7.10あたりを試しに行きやすいという見方をし、上値は下降チャンネルを構成するレジスタンスラインの水準7.40あたりでしょうか。
今週は材料的にもテクニカルな観点からも下げを継続しやすく、7.10レベルをサポートに7.40レベルをレジスタンスとする週を見ておきます。
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