トルコリラ円見通し 2月3日からの反騰続くが18.30円台で上値は重い(20/2/7)

2月5日深夜と6日夕刻には18.36円まで戻り高値を切り上げたがその後は伸び悩んでいる。

トルコリラ円見通し 2月3日からの反騰続くが18.30円台で上値は重い(20/2/7)

【概況】

トルコリラ円は新型コロナウイルスの感染拡大報道を背景とした新興国通貨安と円高に同調して2月3日朝安値18.07円まで大幅下落してきたが、2月3日からのNYダウ反騰によりリスク回避感が緩む中でドル円とともに反騰に入り、2月5日未明には18.33円へ上昇、2月5日深夜と6日夕刻には18.36円まで戻り高値を切り上げたがその後は伸び悩んでいる。
ドル円は2月1日安値108.30円からの反騰を続けて2月6日には110円に迫り、2月7日朝には110円に到達したが、2月5日までの急上昇の勢いは鈍っており、感染拡大報道で1月21日に110円を割り込む前の水準までほぼイッテコイとなったことで上値も重くなっている。
円安を支えていた株高においても、NYダウが4連騰で史上最高値を更新したものの、2月4日の407.82ドル高、5日の483.22ドル高に対して6日は88.92ドル高に止まっており、急騰の勢いもやや鈍っている。

2月6日はユーロドルが1月29日安値を割り込んで年初来安値を割り込んだが、米国株高のなかでメジャー通貨の加重平均であるドル指数は年末からの上昇基調を継続しておりドル高感が強まっている。
新興国通貨に対しても2月5日まではドルは小反落していたが6日からは再び騰勢を強めており、6日は南アランド、タイバーツ、ロシアルーブル、豪ドル、NZドル等が対ドルで下落している。
こうした中でドル/トルコリラは小動きで、1月30日高値で1月8日高値を上抜いた後は5.98リラを挟んだ高値圏の持ち合いに止まっているが、2月6日もほぼ横ばいの動きだった。またイスタンブール100株価指数はNYダウの大幅連騰により2月3日から5日へ3連騰し、6日は取引時間中の高値を更新したものの連騰一服で前日比0.03%安に終わっている。

【シリア情勢はさらに緊張化】

2月3日にシリア北西部のイドリブ県でトルコ軍がシリアのアサド政権側から砲撃を受けて兵士ら6人が死亡し、トルコ軍が同日にシリア軍勢力に対して54か所を空爆したと報じられたが、この件についてトルコ国防省は2月6日にシリア北西部イドリブ県でトルコ軍とシリアのアサド政権軍が直接交戦してトルコ軍兵士7人と民間人1人が死亡したと公式発表した。
トルコのエルドアン大統領はシリア軍がトルコ軍の監視所の外まで撤退しなければ軍事攻撃を行うと警告し、国産ミサイルをなるべく早くシリア国境に配置すると述べた。トルコ紙によればシリア国境に100台分の軍用車列が派遣されるという。
シリア北西部についてはロシアとトルコが今年1月12日に停戦で合意したが、その後は停戦が履行されていない状況が続いているようだ。トルコ側はロシアを批判、ロシアはアサド軍を完全に制御できないとしている。

こうした中、英国のシリア人権監視団によればシリアのアサド政権軍は2月5日にシリアにとっての反体制派の拠点であるイドリブ県の要衝サラケブに進軍しているという。2月5日にトルコはアサド政権軍に対してイドリブ県からの撤退を要求したが、これを無視する進軍と思われ、両国正規軍同士の衝突が拡大するのではないかとの懸念が増している。
今のところ為替市場、株式市場への影響はみられないものの波乱要因としての緊張が高まりつつあると注意したい。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、2月4日夜の反騰で1月31日午前高値を上抜いたため、2月5日午前時点では2月3日安値を直近のサイクルボトムとした強気サイクル入りとした。また当初の高値形成期を2月5日朝にかけての間としたが、18.20円以上での推移中はサイクルトップ形成の延長入りによる上昇余地があるとした。
2月5日深夜及び6日夕刻に18.36円まで上昇したが、その後は横ばいに止まっている。
既に2月3日朝安値からも4日目に入るので、2月6日高値を上抜く場合は新たな強気サイクル入りとするのを妥当とみて、2月5日深夜と6日夕刻の両高値をダブルトップとした弱気サイクル入りと仮定する。ボトム形成期は2月6日の日中から10日朝にかけての間と想定されるので既にボトムをつけての反騰注意期にあるが、新たな高値更新へ進めない内は一段安余地ありとし、高値更新からは新たな強気サイクル入りとして2月11日から13日にかけての間への上昇を想定する。

60分足の一目均衡表では2月4日の上昇で遅行スパンが好転し、先行スパンを突破したが、2月5日深夜以降は上げ渋りの持ち合いとなっているために遅行スパンは実線と交錯し、先行スパンを上抜いた状況は維持されている。18.30円割れからは5日深夜以降の上げ渋り持ち合いからの転落となるので遅行スパン悪化中の安値試し優先とし、6日夕高値超えからは一段高入りにより遅行スパン好転中の高値試し優先とする。

60分足の相対力指数は2月5日未明高値から5日深夜にかけての高値更新に際して指数のピークが切り下がる弱気逆行となったが、その後も逆行が続いている。50ポイント前後では下支えられているが、50ポイント割れから続落に入る場合は下落開始とみて30ポイント台への低下を想定する。ただし60ポイントを超えてくる場合は上昇再開から一段高へ進みやすくなると注意する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、18.30円を下値支持線、2月5日深夜及び6日夕高値18.36円を上値抵抗線とする。
(2)18.30円割れからは2月5日夕刻安値18.24円試しを想定する。18.24円前後では買い戻しも入りやすいとみるが、18.24円割れから続落の場合は18.20円前後、さらに18.15円前後への下落を想定する。また2月6日高値を上抜けない内は週明けも安値を試しやすい状況が続くとみる。
(3)18.36円超えからは18.40円台への上昇を想定する。18.45円以上は反落警戒とするが、18.36円を超えた後も18.30円以上での推移なら週明けも高値試しを続けやすいとみる。また18.30円を割り込んでからの反騰で18.36円を超える場合も週明けへの続伸を想定する。

【当面の主な経済指標等の予定】

2月10日
 16:00 11月失業率 (10月 13.4%)
2月13日
 16:00 12月鉱工業生産 前年比 (11月 5.1%)
 16:00 12月小売売上高 前月比 (11月 1.7%)
 16:00 12月小売売上高 前年比 (11月 8.5%)
2月14日
 16:00 12月経常収支 (11月 -5億1800万ドル)
2月19日
 20:00 トルコ中銀政策金利 (現行 11.25% 予想 11.00%)

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