トルコリラ円見通し 米軍空爆に対する初期的反応一服で18円割れを切り返す(20/1/7)

クロス円での円高も一服したために6日深夜には18.10円台を回復し、7日未明には18.15円まで戻り高値を切り上げた。

トルコリラ円見通し 米軍空爆に対する初期的反応一服で18円割れを切り返す(20/1/7)

【概況】

トルコリラ円は中東情勢緊迫のなかで1月3日に18.10円を割り込み、1月6日朝安値では17.94円をつけて昨年8月26日以来となる18.00円割れに至った。しかしイランによる米国への反撃開始を警戒しつつも新たな動きが見られない中で1月3日から6日朝にかけてのリスク回避による初期的な反応が一服し、6日夜にはNYダウが大幅続落の後に前日比でプラス圏まで戻し、クロス円での円高も一服したために6日深夜には18.10円台を回復し、7日未明には18.15円まで戻り高値を切り上げた。

【ドル高リラ安一服、クロス円の円安一服で戻す】

トルコリラ円は10月末から19円台に乗せながらも維持できない横這い型の持ち合いを続けてきたが、12月6日への下落で持ち合い中の安値であった11月13日安値18.82円を割り込んで下放れに入っていた。その背景の一つはドル/トルコリラでのドル高リラ安の進行だった。
ドル/トルコリラは空爆事件による中東情勢緊張を背景に1月3日へ続伸(ドル高リラ安)したが、6日は新たな高値更新には至らずに一服している。その中で1月6日朝まで急落していたドル円が戻し、クロス円全般が上昇したことでトルコリラ円も持ち直したという状況だ。しかしドル/トルコリラは新たな高値更新へ進めずにいるものの崩れずに高値圏を維持している。

中東情勢リスクが継続する内はそのエリア内の通貨であるトルコリラへの売り圧力も継続しやすい状況にあり、そうした外圧を跳ね返すだけの力強さがリラ自身に備わっていないため、ドル/トルコリラが1月3日高値を超えてさらに続伸し始める場合は、ドル円が平穏な展開でもトルコリラ円は再び安値試しへ進みやすくなると思われる。その際に中東情勢の悪化でクロス円全般の円高が再燃すれば、対ドルでのリラ安と対円でのリラ安が重なって下げが加速しやすくなると注意する。

【当面は中東情勢の続報待ち】

米国とイランを巡る軍事緊張は継続しており、革命防衛軍司令官の葬儀と3日間の喪が明けた後のイラン側及びイランの支持勢力からの反撃開始が懸念される状況にある。しかし米国もイランも両国の正規軍による正面激突からの全面戦争化は望んでいない模様で、全面戦争化が回避される動きが見られれば金融市場全般も中東情勢への注意を続けつつも他の米中通商協議第1段階合意等の前向きな材料でリスクオン心理を回復してゆく可能性もある。
1月6日朝にかけてのリスク回避感が、ここからさらに強まって金融市場全般が悲観に圧倒されることになるのかどうかは、イラン側からの反撃動向を見定めてからということになるのだろう。
喪が明けた1月7日からのイラン側の動きが警戒されるが、トルコリラ円も当面は中東情勢を主要因として動く状況と思われる。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、12月31日安値18.18円と1月2日朝安値18.17円をダブルボトムとしていったん戻したが、1月2日午後高値でサイクルトップをつけて弱気サイクル入りした。しかし1月6日朝に一段安したもののその後の反騰で18.15円を超えてきているため、1月6日朝安値で直近のサイクルボトムをつけて戻しに入っている。今回の高値形成期は7日から9日にかけての間と想定されるので既に反落注意期に入っているが、18.10円を割り込まないか一時的に割り込んでも切り返す内は戻り高値を試す余地ありとみる。しかし18.10円割れから続落の場合は弱気転換注意とし、18.05円割れからは弱気サイクル入りと仮定して9日朝から13日朝にかけての間への下落と1月6日朝安値試しを想定する。

60分足の一目均衡表では1月6日夜への上昇で遅行スパンが好転し、先行スパンからも上抜けつつある。このため遅行スパン好転中は高値試し優先とするが、新たな高値更新へ進めずにジリ安の場合は遅行スパンも悪化しやすくなると注意し、遅行スパン悪化からは下げ再開とみて安値試し優先とする。

60分足の相対力指数は月6日朝への一段安に際して指数のボトムが切り上がる強気逆行を見せてから戻してきた。深夜には65ポイントまで戻したがその後は伸び悩みとなっている。相場が高値を若干切り上げても指数のピークが切り下がる場合は弱気逆行からの下落再開注意とし、50ポイント割れから続落し始める場合は下げ再開を疑う。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、18.10円を下値支持線、7日未明高値18.15円を上値抵抗線とみておく。
(2)18.10円以上での推移か、一時的に割り込んでも切り返す内は上昇余地ありとし、7日未明高値超えからは18.20円、さらに1月3日朝高値18.21円を試す可能性があるとみるが、18.20円以上は反落警戒と考える。
(3)18.10円割れから続落する場合は下げ再開注意とし、18.05円割れからは弱気サイクル入りと仮定して1月6日朝安値17.94円試しを想定する。中東情勢がさらに緊張する事象が発生して1月6日朝安値を割り込む場合は、17.90円、17.80円と順次下値目処が切り下がってゆく可能性があると注意する。

【当面の主な経済指標等の予定】

1月07日 
 23:30 12月財務省現金残高 (11月 79億トルコリラ)
1月10日 
 16:00 11月経常収支 (10月 15.49億ドル)
1月14日
 16:00 11月鉱工業生産 前年比(10月 3.8%)
1月15日
 16:00 10月失業率 (9月 13.8%)
 16:00 11月小売売上高 前月比 (10月 -0.2%)
 16:00 11月小売売上高 前年比 (10月 5.9%)
1月16日
 20:00 トルコ中銀金融政策決定会合 政策金利 (現行 12.0%)

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