米10月消費者物価指数予想
本日、米国の消費者物価指数(CPI)が公表されます。その2時間半後にはパウエルFRB議長の議会証言も予定され、現状及び今後の金融政策についての証言があると思われます。相変わらずのトランプ大統領の利下げ要求発言が出ている中、FOMCで当面の予防的利下げ休止を示唆した議事内容に対してどの様な発言になるのか注目されます。今日のCPIが予想より大きく上下に振れた場合は、発言内容にインパクトが出そうです。
2019年11月13日9時現在予想
下図(1)は前月比ベース(全体)の推移を示しています。オレンジ色の6ヶ月移動平均線は依然下がっており、トレンドとしてはインフレを気にする状況にはありません。
(1)米国消費者物価指数(CPI)前月比ベース推移
(黒い線より右側は今回の予想値、赤はゼロ、緑は0.2%)
また、前年比ベースは下図(2)で米国とユーロ圏のCPIを比較しています。緑より右側は今回の予想値で、ユーロは15日(金)に発表されます(予想は年率で0.7%)。
青の米国は2018年下半期以降FRBのインフレ目標値を下回り、そのまま横這いを続け、インフレを心配するほどではありません。一方で、欧州は2018年10月以降、物価指数の下落傾向は止まっていません。このまま続くと、市場は追加緩和予想が出易くなります。
(2)米(青)とユーロ(オレンジ)のCPI前年比ベースの推移
(赤はゼロ、黒はFRBのインフレ目標値、緑より右は米国予想値)
ユーロドル相場は今年6月高値からのユーロ安トレンド1.0790〜1.1000米ドルを10月中旬に上抜けし、その後10月下旬、11月上旬に1.1170〜80米ドルでダブルトップを付け、現在は短期なユーロ上げからの調整局面になっています。9月末底値から上げたサポートを既に切っているので、目先はユーロがまだ弱く、1.0990〜1.1010米ドルのサポートを維持できるか否かの状況にいます。もし切れてしまうと1.0950、1.0920、1.08700〜80米ドルのダブルボトムまでの下値余地が広がります。最後のサポートは上記ユーロ安トレンドの上限1.0880米ドルにも当たります。
一方で、上値は1.1050〜60米ドルに抵抗線があり、ここを越えて終わると、ユーロの弱さが減じられ、1.1090米ドル越えで再度1.1170〜80米ドルの抵抗線を試せる流れになります。今日から欧米の重要な経済指標等の発表が続きますので、予想からの振れには注意が必要になります。
(11月13日10:10 1ユーロ=1.1012ドル、1ドル=108円93銭)
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